N響Aプログラム。ブロムシュテットさん来日。
人生二度目のN響。ローマの時に生にかなうものはないと知ってしまった。「テレビで見れるのに馬鹿だったかな」と思ったけど全然そんなことなかった。音圧、臨場感、その場の空気感は生で聴かないと体験できなかった。
小澤征爾さんが亡くなられて、演奏を一度でも聴きたい人は聴けるうちに聴いておかないと後悔すると知って、ブロムシュテットさんの指揮がどうしても見たかった。去年はドクターストップで来られなかった。97歳。今回逃すともう見れないかもしれない。今年も来れない可能性も考えたけど、それならその時!と思って購入しておいたチケット。ローマ以降東京にコンサート聞きに行くハードルはぐんと低くなった。
プログラムは3つあったけど、前にも演奏されていて?テレビで見て泣いたブラームスの4番にすることにした。正解だったと思う。
絶対に良いものと分かっているからこそ聞くのがこわい気持ちもあった。それとこれから先何度も何度も経験できるものじゃないということがわかっていることも含めて。
まず登場しただけで日本に来てくれてありがとう、会いたかったですと泣いた。
なんかめちゃめちゃ感動した。オネゲルの3番典礼風は現代曲なのに、綺麗な水のいちばん透き通ったところのような音で感動を通り越して放心状態になった。気づいたら泣いてた。ボロボロ涙こぼしてた。戦争題材で戦争を経験してるマエストロが振られるのも感慨深かった。世界が平和であって欲しいと思った。最後の余韻を奏者の皆様と共有して静寂を保てたのもなんか一体感って感じで良かったなぁ。前半はそんな感じ。
後半は聞き馴染みのあるブラームス。私のなかで4番はブラームスの人生そのものを表しているような気がしているのだけど、それを97年も生きてきたブロムシュテットさんが振るってもう感動以外の何者でもない。楽章ごとに拍手して許される文化があるなら拍手してブラボーと言いたいようなすばらしい演奏だった。
マエストロは椅子に座って手の動きで振っていて、そこに川崎コンマスの空気椅子でのアシスト、それに応えるチェロ辻本さん、ヴィオラ村上さん、坂口さんのアンサンブルがたまらなかった。大宮さんはクールに、でも確実に応えていて最高だった。今回は双眼鏡持っていってたから表情までよく見えた。あと対向配置で2番見やすかった。マエストロありがとう。(反対側の席取ってたつもりだったけど左側だった、)
フルートのソロも神田さん素晴らしかった。いつ聴いても私の目標。すごく綺麗なフルートらしい音を出される。かっこいい。
帰りたくなかったなぁ。このままずっとこのホールに座ってたいって思った。誰かとこれを共有したいと思った。
来年のプログラムの一部はニルセンのフルート協奏曲の予定。また聴きたいな。
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