アルゼンチンロックの旅1982年

Hola!

アルゼンチンロックの旅は1982年。1982年はイギリスとのマルビナス戦争(フォークランド戦争)の年。
軍部への不満が日に日に強くなる中、国民の内政への不満をそらす目的で、領有権を主張してきた英領フォークランド諸島を占領した。しかし、イギリス軍の反撃にあい、敗北。結果、軍事政権崩壊に進むことになる。

軍事政権の負の遺産は今でもたくさんあると思う。だからこそ、ここから明るい未来を民間政治で描けれたら素晴らしいことだと思うのだが、正直…民間政治になってもアルゼンチンは経済的な面で苦しんでいる印象がある。
そんな中でもアルゼンチン音楽(とサッカー)は一際輝いていると思う。

さて、1982年。世界ではMichael JacksonのThrillerが大ヒット!他にもDuran DuranやらCulture Clubやら。時代はMTV。音楽大量消費の時代。良くも悪くも華やかな感じ。

そんな中のアルゼンチンロック。もちろん先述のマルビナス戦争の影響をバリバリ受けた音楽たちが鳴り響く。

①Luis Alberto Spinetta / Kamikaze

1982年当時、アルゼンチンでは英語の歌は禁止されていたみたいだ。1981年にはQUEENが来ていたというのに…。そこで、アルゼンチンロックの需要が、ある意味では強くなってたみたいで、ロックは政府に寄り添う(ふりをする)形で民間に流れていた。
スピネッタはこの年、「KAMIKAZE」という名盤を生み出した。神風とはもちろんあの神風特攻隊のこと。この題だと確かに戦争反対なのかどうなのかが分かりにくい。
日本人にとっては、ちょっと…なんとも言えない感じだが、スピネッタは歌詞に深みを入れて歌っていることだろう。
音楽的には一気に浮遊感のあるスピネッタ流フォークになり、最高です。

②SERU GIRAN / No llores por mí, Argentina

「泣かないで、アルゼンチン」と題されたSERU GIRANの解散コンサート。SERU GIRANの素晴らしい楽曲がライブで聞けます。
この戦争の時期。メンバーそれぞれどう振る舞うべきか等いろいろ考えたに違いない。そんな中、pedro aznarがアメリカに音楽修行に出かけることを決断する。彼はこの後パット・メセニー・グループに入ることになる。そして、それぞれもソロ活動に入る。
最後に演奏されたのがファーストアルバムの最初の曲…僕の大好きな「EITI LEDA」で、やはり格別だ!素晴らしい!

③pedro aznar / pedro aznar(1st)

さて、SERU GIRANを抜けたpedro aznar。彼はその後バークリー音楽大学に入学し、パット・メセニー・グループに加入することになる。
そして、彼はその頃記念すべき1stアルバムを作る。mono fontanaやpomoの力も借りるが、このアルバムはほとんど彼が一人で作った。やはり天才ペドロ・アスナール。素晴らしい!
カッコいいフュージョンサウンドに、カバー曲がいい感じです。

④charly garcia / Pubis angelical&Yendo de la cama al living

さて、SERU GIRAN解散後のチャーリーはというと、まずあの有名な小説家プイグの「天使の恥部」(邦名)の映画のサントラをまず作る。未見なのですが、なんか面白そうだなーと思う。よく分からなさそうやけど。笑
きっとチャーリーの不穏な音がよく合う映画なんだと思う。

そして、1stソロ。spinettaやpedro aznarやleon giecoが参加し、一気にニューウェーブサウンドに。チャーリーの初期のソロはこんな音。SERU GIRANとは全然違う。チャーリーは常に違うことをするアーティストだから好きだ。全然飽きない。

⑤David lebon / El tiempo es veloz

さて、SERU GIRANはこの男も忘れてはいけません。アルゼンチンロックの黎明期から活躍しているDavid lebon。彼もまたSERU GIRAN解散後、ソロへとメインを移すことになる。
このアルバムはかなり名盤です。ペドロ・アスナールと同じくほぼ一人で全部の楽器を奏でました。やはりSERU GIRANは全員すごい!
SERU GIRANの中ではロック魂を一番感じる男です。

⑥Mercedes Sosa / Mercedes Sosa en Argentina

メルセデス・ソーサ。アルゼンチンの美空ひばり的存在。そんなソーサは結構長生きしていたので、ロックのレジェンドたちとも共演しております。このアルバムはオペラ座でのライブでcharly garciaやLeon giecoがゲストで参加してます。
社会派の曲も歌っていたソーサはこの戦争の時期は政府からもいい顔されるわけもなく…しかし、歌い続けていたというのは本当に希望だったのではと思います。

⑦RIFF / CONTENIDOS

最後はRIFF!もう3rdになりました。
いいよねー。まずジャケットがいいよね!pappo's bluesから何になっても変わらずロックンロールし続ける。最高!最高!
(PAPPOのレビューは最高とかカッコいいとかしか本当に感想が出てこないけど、本当に大好きなんです!笑)

さて、1982年はここまで。来年からはいよいよ民主主義政権へ!頑張れ、アルゼンチン!頑張れ、アルゼンチンロック!

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