アルゼンチンロックの旅1981年
Hola!
アルゼンチンロックの旅は1981年。1981年は陸軍最高司令官のガルティエリ将軍が、ビオラ大統領を失脚させた。軍事政権もトップがすぐ変わる不安定な状況になってきた。
そんな中、ロックバンドQUEENがアルゼンチンにやってきた。マネージャーは陸軍元帥と交渉し、南米公演を決めた。当時QUEENはアルゼンチンでも大人気だったらしく、期待と不安があっただろう。
メンバーたちは、道中のピリピリした雰囲気に緊張感がすごかったらしい。ライブはサッカースタジアムに8万人を収容し、大成功に終わったみたいだ。次の年にはマルビナス戦争でイギリスと戦争になるわけだから、すごいタイミングのライブだったんだなー。
そんな1981年の音楽は、ニューウェーブ、そしてハードロックの時代。
Echo & the BunnymenはHeaven Up Here、the cureはFaith。JAPANはTin Drum。等。
さらにAC/DCはFor Those About To Rock、Def LeppardのHigh ‘n’ Dry、IRON MAIDENはKillers。
そしてABBAの世界的ヒット等。良くも悪くも音楽がポップになってきました。
そんな時代のアルゼンチンロックはやはりSERU GIRANとスピネッタの時代。そして、僕の大好きなギタリストPAPPOは新バンド結成!
①SERU GIRAN / PEPERINA
SERU GIRANは4thアルバム。着々とアルバム出していきます。このアルバム、僕は結構好きです。特に1曲目「PEPERINA」が好きです。最初はこのPEPERINAさんがこのアルバムのジャケットの女の子なのかなーと思っていたのですが、違うみたいです。Xにてアルゼンチンの方に聞いたところによると、PEPERINAという名前はペペリナ茶にちなんでいるそうなのですが、実際には当時のロックシーンで著名なジャーナリストであったパトリシア・ペレアさんの名前の比喩であり、この曲はこのジャーナリストに対する批判を歌っているそうです。彼女はバンドについて悪口を言ったらしいです。
そしてもっと踏み込んで考えると、この曲は、彼女がどのように目立ち、人と違うことを求めているのかを皮肉を使って表現しています。最終的にはゴシップや表面的なものに加わり、社会の偽善や外見への執着を批判しているみたいです。
検閲が厳しい中、アルゼンチンロックは歌詞の面でかなり考え込まれていたことが分かります。
②SERU GIRAN / Yo no quiero volverme tan loco
そして、SERU GIRAN、1981年の12月のTEATRO COLISEOでのライブ盤。当時の超カッコいいライブが聞けます!ライブならではのアレンジ、各ソロ…。最高ですよ。
SERU GIRANは当然、日本には来てませんが、もし今みたいにフェス文化が根付いてたらきっと見ることができたんだろうなー。見たかったなー。
③nito mestre / 20/10
さて、その年、元sui generisのNito mestreはというと、初のソロアルバムをリリース。今まではNito Mestre y Los Desconocidos de Siempreというバンドでした。
ソロアルバムになり、いろんなゲストと共に作っているみたいです。これまで同様、charly garciaやdavid lebonやmono fontanaなどの力も借りて、さらにウルグアイロックのレジェンドRUBEN RADA等とも一緒に演奏してます。
このアルバムはなんか…すごいいい雰囲気なのが分かって、聞いていてうきうきします。
④Spinetta Jade / Los niños que escriben en el cielo
さて、スピネッタはspinetta jadeの2ndをリリース。バンドはメンバーチェンジはしたが、キーボード二人体制は変わらず。前作より…なんというか、すっきりしたポップソングになりました。キーボードがフワフワといい味を出してます。
⑤RIFF / Ruedas de metal(1st)、Macadam 3...2...1...0...(2nd)
PAPPOは、70 年代後半にイギリスを旅行したみたいです。その時にパンクロックとNWOBHM に出会った。
そして、アルゼンチンに帰国すると、英国のパンクやメタル グループの美学に基づいた黒い革と鋲のついた服を着て、今までよりはるかにメタリックで速い音楽など、当時のアルゼンチンにとって非常に攻撃的な美学を取り入れたバンドRIFFを結成しました。
1980年にはpappo's bluesの解散ライブとRIFFのファーストライブを同時に行った。
そして、1981年に2枚のアルバムをリリース。どちらも素晴らしい内容で、AC/DCやモーターヘッドなどが好きなら絶対に好きになります。やっぱり、PAPPO最高だなと思わせます。
⑥Lito Vitale / Sobre miedos, creencias y supersticiones
最後にプログレを。MIAを解散した後、LITO VITALEは1stアルバムをリリース。LITO VITALEは多作なので、彼を追うだけでもアルゼンチンロックが見えてくると思います。そのくらい大きい方。
このアルバムはMIAの3rdからの流れを引き継ぐシンフォニックロック。アルバムジャケットのような壮大な景色が見れます。
それでは1981年はこれまで。
chao!