アルゼンチンロックの旅1986年
Hola!
アルゼンチンロックの旅は1986年。1986年といえばマラドーナが大活躍したサッカーW杯。アルゼンチンは二度目の優勝。
そのマラドーナの活躍は伝説となっている。特に宿敵イングランド戦(マルビナス戦争では敵国!)の時の5人抜き、そして、神の手。。。
まあ…なんにせよ天才な人だと思います。日本に足りないのはこういう…良くも悪くも個人技ができる人だと思います。日本人は基本的には協調性に重きを置いていますからねー。
(サッカー詳しく無いから、あんまり深くは分からないけど^_^)
マラドーナのことを歌った曲って結構あるみたいです。愛されてます。
さて、1986年はビースティ・ボーイズやRUN D.M.C.などのヒップホップ、ボン・ジョヴィやヴァンヘイレン、メタリカ、メガデスなどのメタルがチャートを賑わせ、ソニックユースやR.E.M.などの次世代も育ってきていた素晴らしい時代。ロックがとても影響力を持っていました。
この年のアルゼンチンロックも新世代大活躍。ベテラン勢も新世代を巻き込み名盤リリース。そして、ピアソラも世紀の名盤を!
①Los fabulosos Cadillacs / Bares y fondas
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さて、この年も新世代から。
Los fabulosos Cadillacsというゴキゲンなバンドがデビュー。スカやレゲエを取り込んだラテン系サウンド…ザ・スペシャルズに近い感じかな。。。このバンドはフジロックとかに出たら盛り上がるだろうなー。
高校生の頃に楽しくやっていたバンドがくっついたり離れたりして、出来上がったみたいで、メンバーも多いし、結構音楽性も一人一人違っていて、いい化学反応が起きてたんだと思います。
アルゼンチンロックの旅…特に僕が辿ってきた道のりの中では一際明るいサウンド。1stも楽しそうに演奏していて最高です。このバンドはここから世界的にビックになっていきます。
②Soda stereo / signos
さて、Soda stereoもサードへ。
こちらも名盤ですねー。どんどんビックになります。スタジアムロックに磨きがかかってきてます。音楽的にはちょっと違うかと思いますが、時代や影響力、音楽の取り込み方はU2に近いように思います。
しかし、現実にはこのアルバムは彼らの期待からの重圧により、コカイン大量摂取で死にそうになりながら作ったみたいです…。スターも大変。
③Patricio Rey y sus Redonditos de Ricota / Oktubre
Patricio Rey y sus Redonditos de Ricotaの名盤2nd。このバンドもカッコいいからコアな音楽ファンには本当に聴いてほしい。ポストパンク…なんとなくthe pop groupが持ってる雰囲気に近いかも。
ジャケットからも分かるように政治的な歌詞も多いみたいです。
こんなカッコいいバンドがこの時代のアルゼンチンにはいたんですねー。
④Miguel Mateos(ZAS) / Solos en América
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続いては80年代初頭から活躍しているMiguel Mateosの名盤を。こちらもカッコいいです。都会的なポップなメロディ。アルゼンチンのシティポップって感じです。
やはり時代はシンセです。踊れる曲があったり、バラードがあったり、こちらは分かりやすく日本でも流行ると思います。
⑤Luis Alberto Spinetta / Prive
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さて、続いてはスピネッタ先生。
スピネッタはspinetta jadeを解散後、charly garciaとアルバムを作ろうとしていたのだが、仲違いで頓挫。。。確かに彼らはどちらもすごい才能のスターだけど、タイプが真逆だもんな…。
このアルバムはその素材も使いつつ作ったソロアルバム。リズムマシンの多様で、いつものスピネッタより速いサウンド。このアルバムもある意味異質なアルバムの一つかもしれません。
最後の曲…チャーリーとの共作「Renzo por vos」は大好きです。
⑥Luis Alberto Spinetta y Fito Páez / La la la
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さて、続きまして、スピネッタ先生は前作「prive」でもゲスト参加していた新世代アーティスト、フィト・パエスとのコラボ作を発表します。
アルバムはフィトパエスとスピネッタの曲がほぼ均等に入れられて演奏されている。
すごい才能のぶつかり合い。チャーリーとは上手く行かなかったけど、こちらは作品になりました。しかもCD2枚組。
しかし、アルバムの録音を終えた直後、フィト・パエスにとって育ての親だった祖母と大叔母が、ロサリオの自宅で惨殺されるという悲劇に見舞われる。フィトは家族がどんどんいなくなる。本当にどん底に落とされたと思います。しかし、彼はここからどんどんスターダムに駆け上がることになります。
⑦Charly García y Pedro Aznar / tango
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続いてはチャーリー先生とペドロ先生のコラボ作。チャーリーは85年、ニューヨークでペドロ・アスナールに会いました。
(ちなみにその時に日本語が書かれたパンフレットをペドロからもらった?ジャケットのポケットに日本語のパンフレットが入っている)
そして、ペドロと二人で曲をレコーディング。全部の楽器を二人で操作!さすが天才同士!
この時代のシンセなニューウェーブサウンドとなってます。ミニアルバムなので、曲は少ないですが、とてもいいアルバムです。
⑧pedro aznar / fotos de tokyo
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ペドロ・アスナールはパットメセニーグループで行った東京にすごく感動してくれたようだ。作品の名前、その名も「東京の風景」。日本人としてはとても嬉しいです。特にこの頃の東京はきっと輝いていたことでしょう。バブリーな街だったと思います(筆者はまだ生まれてません・1987年生)
このアルバムはすごくセンスのいい、アルゼンチン版シティポップですねー。やはり80年代の音。ニューウェーブ、シンセポップ。
素晴らしいアルバム。
⑨Astor piazzola / tango:zero hour
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さて、最後はタンゴ界の異端児、ピアソラの名盤を!
アルゼンチンロックはタンゴの影響が大きく、それはこれまで聞いてきて、ひしひしと感じます。至る所にタンゴ的な音が出てきます。
逆にロックからタンゴへの影響も多少はあったことと思います。
まあ、このアルバム「タンゴ:ゼロ・アワー」がロック的かというとそうでもないのですが、ダイナミックでプログレッシブな感じは近いっちゃ近いかも。
タイトルの意味は「音の零時間、過去・未来から分節された現在。あるいは、音を分節する零レベルとしての沈黙」だそう。
難しい…笑。
でも、ふつうに聞いていて、聞き入ってしまいますね!踊る音楽ってよりは聴き入る音楽としてのタンゴです。
さて、1986年はここまでー。もうすぐ90年代!
chao!