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ちこの小さな世界
ちこと会ったのは3年前の夏。仕事から帰る途中、車の運転をしているとチョウを追いかけて道路を横断する猫が見えた。危ないと思い車を止める。見かけたことがない猫。車の中から「わあ〜、あなた捨てられたの?可哀想だから来たらダメだよ。」と告げ、帰宅した。
夕飯の支度をしようと台所で窓の外を見る。‼️さっきの猫がチョウを追いかけて遊んでいる。夫と2人で眺めていた。翌日の朝「ニャー🐈」と声が。庭にいるではないか。
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どうやら車庫で過ごした様子。夫が仕事に行くため車庫に行くと夫の車の上で夫に「ニャーニャー」。威嚇する様子もなく撫でさせる。
日中はどこかに行っているようで仕事から帰ると「ニャー」と出て来る。だんだん痩せるので水とキャットフードを準備。数日経っても車庫にいる。
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秋に入り少しずつ涼しい風が吹く。猫の心配。私達にも慣れて姿が見えると「ニャー」と寄ってくる。犬を連れていた時も背を丸めて多少威嚇したが「シャー」と言うこともなく、少し距離をとりながらもこちらを気にしている様子だった。夫は「寒くなるし、このままじゃ風邪をひくかもしれないな」とぽつり。私も同じ気持ちだった。町役場の人に教えてもらいTNRと言うものを知る。保健所、警察に迷子の猫がいることを届けて飼い主からの連絡を待ってみる。連絡はなかった。雌猫のようで猫が増えても困るのでTNRでチケットをもらい避妊手術。そのまま車庫で様子を見る。
ある日、夕飯の後に庭へ出てみると、ちこは車庫の隅で丸くなっていた。目が合うと「ニャー」と鳴く。もうすっかりこの場所が自分の居場所だと思っているのかもしれない。夫が意を決して、「おいで」とそっと手を差し出してみた。
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先住犬との相性も良く、ちこは、私たちの暮らしの中に自然と溶け込んでいった。
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こうして、ちこは正式に我が家の一員になったのだった。
のんびり生活している。すぐに慣れ、トイレの失敗もなく、エサも食べる。どこから来たのかわからないが最初から我が家の一員のように振る舞っている。よく遊んで、可愛らしく癒しをくれる大事なちこ。
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ニャンニャンニャンの日、ちこに感謝。茶トラの雌猫は珍しいらしい。