「ヒロイン」と「高嶺の花子さん」と私の話
「届かなかった言葉は
言っていないのと同じことで
誰も知らないのは
いないのと変わらないのかい」
これはback numberの「Liar」の歌詞。
じゃあ恋愛はどうでしょう。
相手に伝えることができなかった想いは
誰にも相談できなかった気持ちは…
どうなってしまうのでしょうか。
私はとにかく自分に自信がなくて
「こんな自分に好きになれても迷惑だろうな」なんて考えてしまう人間です。
だから、誰かのことを好きになった時に
その先に「告白」という未来は簡単に想像できずに生きてきました。
だから、back numberの「ヒロイン」と「高嶺の花子さん」に出会えたことで、人生が変わったんです。
"君の毎日に僕は似合わないかな"
ヒロインの最初の歌詞。
いきなり共感しかありません。
「自信のなさ」というネガティブな気持ちなのに、こんなにも綺麗な言葉で表現できるんだなって毎回感動します。
"君から見た僕はきっとただの友達の友達"
これは高嶺の花子さんの最初の歌詞です。
私がback numberに出会う前に聴いてきた音楽は、なんとなく「友達以上恋人未満」が多い気がして、なんだかんだ「この後どうせ告白して付き合えるんでしょ?」みたいな、どことなく他人事として聴いてしまう曲ばかりでした。
だから、「知人B」目線の曲がすごく新鮮で、だからこそ「私の曲だ」って思えたんです。back numberのおかげで初めて曲を聴いて「他人事じゃない、これは私が主人公の曲だ」って思えたんです。
高嶺の花子さんとヒロインに共通しているのは
両方とも曲中で「好きな人を目の前にしていない」ことです。
これがまず共感ポイント。
相手のことがこんなにも好きなのに
相手に好きだと言いに行くことはおろか
メールも打ちかけてポケットに入れちゃうんです。
雪が降っただけではメールを打てない間柄なんです。
好きな気持ちが大爆発して
仮に君の元へ走ったとしても
自分が舞い上がってただけのオチで終わるんだろうなーって
妄想で終わるんです。
相手は自分なんかと釣り合わない
自分のことなんか好きになってくれない
と思いつつも
実は本当は、ちょっと自分のこと好きだったりしないかなって
ありえないとわかってるのに
偶然と夏の魔法に頼ってなんとかなんないかなって考えてしまうところとか
共感が止まらないんですよね。
学生の頃、クラスの人気者だった男の子を好きになってしまって
当然のことながら「クラスメイト」という名目以外ではなんの接点もなく
必要最低限の会話以外はしゃべることもなく
想いなんか伝えるわけもなく卒業しました。
なのにそれからもずっと好きだったんです。
当時は「こんな自分があんなすごい人を好きだなんて誰にも言えない」ってとにかくひた隠しにして
もう会うこともなければ連絡先も知らないのに
ずーっと好きなままで。
苦しかったし、そんな自分が気持ち悪かったんですよね。
周りはみんな、恋をしたら想いを伝えたり、アプローチしたり、中には黙っていても両想いになれてる人もいて。
恋ってそういうものだよな。
じゃあ私の「これ」は一体なんなんだ。
そう悩んでいた時に、この気持ちに名前をつけてくれたのがback numberだったんです。
言えなくても、もう会えなくても
叶わぬ恋だとわかっていても
それを誰も知らなくても
自分の中だけで抱えていた「これ」も
立派な「恋」だと思えたのは「ヒロイン」と
「高嶺の花子さん」のおかげでした。
「君を惚れさせる黒魔術は知らないし」
「黒魔術」ですよ皆さん。「黒魔術」。
ただの魔法じゃないんです、ちょっと悪い魔法です。
そこまでしないと相手は振り向いてくれないんです。
そして、
「生まれた星の元が違くたって」…
「高嶺の花子さん」の歌詞には、自分と相手がどれだけ遠い存在なのかがひしひしと伝わってくる言葉が散りばめられてて、そういうところも本当に共感性が高くて好きです。
2番の歌詞なんて、勝手に好きな人の好きな人のことを想像して「いや待てよそいつ誰だ」ですからね、ここをこんな事細かに歌詞にする人います??勝手に想像して勝手に負けてますからね。めちゃくちゃ共感。天才すぎません?ここめっちゃ好きです。
「真夏の空の下で震えながら
君のことを考えます
好きなアイスの味はきっと」
真夏の暑い空の下で
なんで震えてるんだと思いますか?
簡単に言うと西野カナさんの
「会いたくて会いたくて震える」
理論だとは思うんですが
ただ好きなアイスの味が知りたいんじゃないんです。
いや、そりゃ好きな人のことならなんでも知りたいんですけど
そうじゃなくて
「(君が)好きなアイツの名前はきっと」
的な、君のことを震えるほど考えすぎているんですよね。
それで震えるほど君のことが好きで考えまくってるのに
「僕」は一歩も行動してないんですよね。
なんにもしてないんです。いや、なんにもできないんですよね。
これ他の人が聞いたら「いや行動しろよ」って思うかもしれないんですけど、個人的には「何にもできないの超わかる、何にもできないのに何か起きないかなって願っちゃうのも超わかる」なんです。
この視点の曲ってかなり新しかったと思うんです個人的に。
だからこの斬新な歌詞に、あのキャッチーなメロディに電気が走ったような衝撃を受けたんです。
一方でヒロインもかなり臆病な主人公です。
誰かのことを好きだと思ったときに
皆さんはその想い、どうしますか?
伝える?抱えたまま?
「渡し方もどこに捨てればいいかもわからずに
君から見えてる景色にただ怯えているんだ」
この主人公は、自分が抱える想いに「捨てる」という選択肢があるんです。
ここがめちゃくちゃ切ないし、共感できるんです。
君の毎日に僕は似合わないと思う。
だから、君にこの想いを渡す自信もない
なら、いっそのこと捨ててしまいたいけど
どこにどう捨てたらいいかわからない。
めっちゃ切なくて苦しいです。
そしてめちゃくちゃ共感してしまいます。
「雪が綺麗と笑うのは君がいい」
私この歌詞本当に「好き」の隠喩表現(?)で国語の教科書に載ってもいいレベルだと勝手に思ってます。
それくらい素敵な歌詞だと思いませんか。
「好き」って1文字も出てきてないけど、めちゃくちゃ好きだと伝わってきませんか?
依与吏さんが描く歌詞は、決して綺麗事じゃないけど、言葉がめちゃくちゃ綺麗なんです。
長くなってしまいましたが、私はこの2つの曲のおかげで救われてきました。
初めて自分が主人公になれた曲たちです。
back numberの曲は全部大好きだけど、
この2曲の思い入れは特別。
まだまだ書き足りないですが今日はこの辺で。
こんなにも素敵な曲の主人公になれるなんて
私は幸せだなって思わせてくれるback numberに
心から大好きとありがとうを伝えたいです。