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第6回目
2025年1月19日(日)10:30〜12:00 @武蔵野中央公園北ホール
講師:篠崎芽美
アシスタント:伊藤知奈美(どてちん)
サポート:小山まさし(マーシー)・康本雅子 (マコ)
参加者:16名
2025年始まってはじめての「子どもどるダンス部」は、篠崎芽美さんを講師に迎え行われました。
【歩く】
まずは全員で会場全体を使ってとにかく歩く。 芽美さんが「皆と同じ速さになるように〜」と声をかけると、何となくぎこちなく歩いていた子達も皆似た質感や空気感になっていく。 そして、「皆で歩くスピードを変えていこう!」という声かけのもと、歩くスピードがどんどん早くなり、走り出さんばかりに!そして、次第に歩くスピードがゆっくりになっていき、皆で一斉に止まる。 特に誰がリーダーとか決めてないのに、その場の空気を子ども達は感じ取って動いてることに驚き。
【歩くの応用】
全員止まったのちに、再び動き出した時にゆっくり動く子やちょっとそこからはみ出してみる子が出てくる。芽美さん「自分を貫きたい人はそれでもいいよ!」とあくまで子ども達に自分のやりたい事を決めさせていく。
・色んな歩き方
「色んな歩き方あるね!」と後ろ歩きしたり、4足歩行したり。歩いてる人に対しては「回らないように」と。色んなところに行こう。人について行くっていう選択も良し、そのまま自分の選んだ道を進むも良し。人生いろいろ。
・目を合わせてすれ違う
歩きながらすれ違っていく人に目配せ。 「見てるよーっ!って教えてあげて」ただ見るんじゃなくて、ちゃんと見る事を意識させる。
・目が合った人とタッチ
最初は手でタッチ。次第に発展していき、足でタッチ、背中でタッチ。背中でタッチは面白そうだったけど、なんか難しそう。でも皆はその難しい事も楽しんでるように見えました。
【背中合わせ】
ペアになり、背中合わせで歩く。 押しすぎず、押さなすぎず。相手の背中を感じて歩く。「触ってる接点が変わらないように」と芽美さんの的確な指示で皆もお互いの良いところを探ってる感じが面白かった。 そこから更に発展し、座ってみたり、また立ってみたり。
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【頭をくっつけて歩く】
背中合わせから発展し、頭と頭をくっつけて歩く。これもまた押しすぎず、押さなすぎず。 背中よりもちょっと楽チンそうに見えた。そして終わったあとには、相手にキチンとお礼。あざした。
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【手をつないでひっぱり合う】
・両手でひっぱり合う
先ほどのペアから変わって、別のペアに。 両手を繋いだ状態からお互いひっぱり合ってみる。いきなりグンッ!っていくんじゃなく、相手のカラダと相談しながら引き合っていく。
・片手でひっぱり合う
そして、またペアを変え、今度は片手でひっぱり合う。ひっぱり合ったまま床に行きゴロンと転がる。アシスタントのどてちんと芽美さんの手本を見て「えーーーーーっっっ!」と声を上げる子ども達。羨望の眼差し。できた時の子ども達がとても嬉しそうでした。
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【鏡】
またまたペアを変え、鏡に映った人と生身の人。文字通り《鏡》のように動く。 「相手を見ながらこんな事やったら面白いかも!とか考えてみて!」と芽美さん。ただなんとなく動くんじゃなくて、そこに各々の意思を持たせて動きに説得力が出てくる。そして何より、相手をどう動かすか考えてるカラダの美しさ。みんなそれぞれの動きでとても魅力的。
そのまま今度は音楽をかけて、音にも注目しながら鏡。
そこから更に発展し、大人数で鏡。
5人3グループに分かれて1〜5の番号を振り分け、呼ばれた番号の人の動きの鏡をする。否応なしに交代させて、どういう動きをするかをなるべく考えず、感じたまま表現させようとしていたのが印象的でした。
そして、ちゃんと皆もそれに応える。素晴らしい反応速度。もちろん苦手な子もいるけど、その子なりのものが出てればそれでいい。芽美さんの鋭くもあたたかい人柄が垣間見えました。
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➖休憩➖
【連写】
休憩後は、親御さんも混ざってのワーク。 人数も増えたので3グループに振り分ける。
『連写』と聞いてみんな「???」
と言う事で、芽美さん、どてちん、マーシー、マコによるデモンストレーション。芽美さんが寝転べば、どてちんは足を上げ、マーシーは座り、マコは片足立ちしたりと、順番に色んなカラダを繰り出す。
どうやら、『前の人のカラダの続きを作る』という事らしい。
リレー形式でポーズからポーズへ。
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芽美さんから「あまり考えず、同じチームの人のカラダ・形を見て何やるか決めてやってみて!」と。 3グループ同時に会場の端から端へとやってみる。3グループとも全く違ってて面白い。
3グループ同時だと全部見ることができないので、1グループずつ見てもらうことに。会場全体が使えるようになって、一人ひとりに注目できた。
芽美さんから「ポーズを作った人の次の人に行くときになるべく『間の動き』を表さないで、すぐにポーズに入って!」と的確かつ鋭い指示。自分ひとりの時間ではなく皆で作る時間だということが、この短い言葉の中に芽美さんの想いみたいなものが伝わって、一度目よりもより深く愛おしい時間に。もちろん、個々の動き・形も面白い。ポーズ一つでその人が表れてるようで興味深かった。
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・連写(その場ver.)
先ほどと同じグループで、今度は一つの彫刻作品を作るように連写していく。 空間をあまり使わないようにすることで、相手との関わりが深まり、より繊細になるし、よりダイナミックにもなる。見てると、時に演劇的になったり、時にひとつの絵画のようになったりしていて、見応えがありました。参加してた親御さんからワーク中に「しあわせ〜っ」と声が漏れるほど、素敵な時間にもなっていました。なぜか多幸感あふれてた!
・全員で連写
そして、ラストは参加者全員で連写! 全員で円になり、特に順番も決めないで、自由に!入りたければ入っていいし、入りたくなければ見てるだけでもOK!会場全部を使ってやってみよう! この頃にはみんなも心身共に慣れてきて、各々の選択で自由に色んな事に挑戦しているように思えました。
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【全体を通して】
芽美さんのWS見て感じた事は、終始一貫して《色んな人、色んなカラダがある。その事を知っておこうよ》と言っているような気がしていて、それを言葉で伝えるんじゃなく、実際に人に触れてみて、感じてみる。言葉で伝えるのは簡単な事だし、わかったフリもできるけど、こうやって実際に人と関わっていくと、難しいこともあるし、わからないこともあるし、伝わらないこともある。でも、人間ってそういうもんだよね!みたいな事を言葉でなく、カラダとカラダで会話してるように感じました。 そして、《できる・できない》《やる・やらない》っていう選択肢をもっとポジティブにやってみようよ!と伝えてるようにも感じました。 ネットやTVでいくらでも情報は得られるし、なんでもわかった風になっちゃうけど、こうやってカラダとカラダが直接触れ合わないとわからないことがある。むしろ、その中にいっぱい大事なものが詰まってる!だから、いつでも風通しのよいカラダでいようよと改めて感じさせてくれるようなWSでした。
レポート:王下 貴司