庶民・凡人にとって早慶上理ICUへの入学はノスタルジアと化してきている
早慶上理ICU
偏差値60以上の泣く子も黙る最難関私立大学群です。
・早稲田大学
・慶應義塾大学
・上智大学
・東京理科大学
・国際基督教大学
入口+出口の総合評価として、早慶は地方旧帝、上理ICUは筑横千に匹敵するとされています。
入試科目数に比して就職力がとても高く、コスパの良さから一般選抜で逆転合格を狙う受験生は星の数ほどいます。
その一方で、早慶上理ICUは“逆転合格ブロック網”を敷き始めています。
・推薦&内部進学枠の増加
・一般選抜の複雑化
このことにより一般選抜の枠は狭められ、且つ、従来の対策では合格できない仕組みにシフトしています。
私立3科目型はいわゆる逆転合格が起きやすい受験市場で、最高峰が早慶上理ICUだったのですが、その時代は既に過去の遺物となりつつあります。
さて、大学を1つずつ見ていきましょう。
早稲田大学
創立者は大隈重信
東京専門学校が前身
都の西北
私立文系3科目型の頂点と言えば早稲田です。
逆転合格を売りにしている塾は早稲田合格に命を賭けているほどです。
しかし、現在の早稲田は推薦&内部進学で定員を半分近く充足している状態です。
さらに、一般選抜も共通テスト併用・数学必須・記述式(小論文or総合問題)を導入することで、特に英国社3科目型の受験生を排斥し始めています。
2025年度以降、法・商・文・教育・文化構想は一般選抜で3科目型を残しますが、首都圏の中高一貫校&公立進学校、地方トップ進学校に枠を占められるため、“偏差値35からの逆転合格”といった事象はもう夢のような話になりつつあります。
慶應義塾大学
創立者は福沢諭吉
陸の王者
ペン剣
経済界を牛耳る三田会
慶應は旧AO入試(総合型選抜)を日本でいち早く導入した背景から、そもそも純粋な学力志向ではない一面があります。
そして、文系学部の一般選抜には必ず小論文を課すことで英国社3科目型の受験生を牽制しています。
結果として、一般選抜で合格するのは記述に慣れている東大・京大・一橋落ちの受験生が多く、高学力層を取り込むことに成功できています。
小論文フィルターにより慶應への逆転合格は元来より起きにくくなっているのが現状です。
上智大学
Sophia University
カトリック系
「他者のために、他者とともに」
推薦比率が高いことでプロテスタント系の関西学院大学とともに有名です。
文系3科目型がスタンダードで、早稲田との併願がよくされていました。
しかし、現在の上智のターゲット層は“上智第1志望の受験生”と言わんばかりです。
上智は、TEAPという外部英語検定試験を英検と共同開発し、この外部試験を必須としたTEAP型という独自の入試方式を採っています。
共通テスト併用型もありますが、個別試験は総合問題であるケースが多く、独自の対策が必要となり、3科目型受験生は眼中に無くなってきています。
一般選抜の仕組みを複雑化することで、他大学と併願させにくくし、上智第1志望を確実に囲いたい姿勢が伺えます。
東京理科大学
東京物理学校が前身
夜学の第一人者
坊っちゃん
理系単科大学のため逆転合格の概念が薄いのですが、一般比率はまだ高いのが特徴であり、大学群内唯一の良心と言ってもよいでしょう。
一般選抜は早慶理工が英数理理の4科目に対して、英数理の3科目と私立理系で最もコスパが良いですが難易度はお高めです。
なお、唯一文系学部として経営学部がありますが、科目が英国数なので、英国社3科目型受験生は門前払いとなっています。
国際基督教大学
International Christian University
リベラル・アーツ・カレッジ
メジャー・マイナー専攻
教養学部の単科大学ですが、よもや国際大学の様相を呈しており、推薦・内部進学・帰国子女・留学生がほとんどを占めます。
一般選抜はありますが、リベラルアーツを名乗るだけに「総合教養」「人文・社会科学or自然科学」「英語」を課すことから、一筋縄では行かせない雰囲気を醸し出しています。
正直、逆転合格が皆無と言っても過言ではありません。
高所得層と高学力層だけの世界なのか?
忖度なしにはっきり書きます。
早慶上理ICUは庶民・凡人には手の届かない大学になりつつあります。
お金のあるご家庭であれば、子どもに海外経験をさせ、帰国子女に仕立てることで早慶上理ICUへ簡単に入れることが可能です。
一般家庭の場合は、首都圏の開成や筑駒のような難関中高一貫校や都立日比谷や西のような進学指導重点校、そして、地方のトップ進学校に入学できる高学力を持っていなければ、学力で早慶上理ICUに合格する可能性はかなり低くなってしまうでしょう。
受験産業はMARCH照準へシフト
いち早く早慶上理ICUの一般選抜の入りにくさを感じているのは、受験産業に他なりません。
従来の手法が通じなくなると見ると、次はMARCHを標榜に逆転合格ビジネスを始めています。
事実、MARCH志望はマス層なためビジネス的にも良く、依然として一般選抜3科目型が残されており、従来の手法がまだまだ通用します。
MARCHは早慶上理ICUよりも合格しやすく、JTCの学歴フィルターにもギリギリかからないこともあり、コスパが高いのでしばらく人気は続きそうです。
それでも早慶上理ICUに行きたいなら
ここまで説明しても、早慶上理ICUに行きたい方はいるのでしょう。
そうなったときは、以下の方法を考えましょう。
①附属・系属高校に入学し、内部進学を狙う【首都圏対象】
②地方トップ高校に入学し、指定校推薦を狙う【地方対象】
③英語(可能なら数学も)をひたすらに勉強し、一般選抜を狙う【全員対象】
一般選抜が主流だった数年前までとは打って変わって、学校推薦型選抜・総合型選抜が主流になりつつあります。
一般選抜以外で自分が戦えるフィールドを模索してみるのも一手、英語を極めて学力で戦うのも一手、高校受験の段階で勝負を仕掛けるのも一手です。
受験方法の幅が広がった以上は早い段階から情報収集をし、あらゆる手を尽くしましょう。
さもなければ、早慶上理ICUへの入学がノスタルジアと化す日はすぐそこに迫っています。