「飽きやすい時代」を生きる私たちへ:20年のビジネスキャリアから考える本当の面白さ
こんにちは。
「人がますます飽きっぽくなっている」
この現象について、私なりの考察を述べさせていただきます。
私の周りでも、仕事内容の変化、ゲーム業界のソーシャルゲームへのシフト、若者のテレビ離れなど、様々な変化が起きています。一見バラバラに見えるこれらの現象には、実は共通の本質があるのです。
それは「深い没入体験の減少」です。
例えば、私の部下たちを見ていると、休憩時間にスマートフォンでソーシャルゲームを楽しんでいます。確かに楽しそうですが、その表情には何か物足りなさも感じます。彼らに「本当に楽しいの?」と聞くと、「まあ、暇つぶしですね」という答えが返ってきます。
この「暇つぶし」という言葉に、現代の課題が凝縮されているように感じます。
私自身、若い頃は「効率的な時間の使い方」を重視していました。移動時間に携帯ゲームをしたり、待ち時間にSNSをチェックしたり。しかし、ある出来事をきっかけに、その考えが大きく変わりました。
それは、ある難解な技術書との出会いでした。最初は「こんな難しい本、読んでも意味があるのか」と思いました。しかし、諦めずに読み進めるうちに、徐々に著者の思考の深さに引き込まれていきました。その経験は、単なる「知識の獲得」を超えた、深い知的興奮を伴うものでした。
この体験から、私は「面白さ」には二つの層があることに気づきました。
表層的な面白さ
すぐに得られる
刺激的
しかし、すぐに飽きる
本質的な面白さ
時間と努力が必要
最初は難しい
しかし、深い満足が得られる
この気づきは、仕事にも大きな影響を与えました。以前は「効率」ばかりを追求していましたが、今は「本質的な価値」を見出すことに重点を置いています。その結果、仕事自体がより面白くなり、成果も上がるようになりました。
では、この「飽きやすい時代」を生きる私たちに必要なものは何か。
それは「意識的な没入」だと考えています。何かに取り組む時、意図的に時間と注意を投資する姿勢です。一見非効率に見えるかもしれません。しかし、それによって得られる満足感は、表層的な楽しさとは比べものになりません。
例えば:
新しいスキルの習得に時間をかける
難しい本に挑戦する
趣味に深く没頭する
これらの活動は、短期的には「非効率」に見えるかもしれません。しかし、実はこれこそが人生を豊かにする「真の効率」なのです。
最後に、これは決して「暇つぶし」を否定するものではありません。必要なリフレッシュとして、それなりの価値があります。大切なのは、その先にある「本質的な面白さ」に気づき、それを追求する時間を意識的に確保することです。
人生は長いようで短い。その限られた時間の中で、どれだけ「本当の面白さ」を見出せるか。それが、充実した人生を送るための鍵になるのではないでしょうか。
それではまた次回。