![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/84719935/rectangle_large_type_2_5c1fc0034d3e5833834e2cca0cb174b5.jpeg?width=1200)
【鉄棒運動】逆上がりについて
はじめに
今回は、逆上がりについてまとめました。といってもTwitterでいったことをまとめただけです。これまで雑多に色々な技や種目について述べてきましたが、とりあえずわかりやすくなるように、種目や技ごとにまとめようと思います。とりあえず〈逆上がり〉からです。
逆上がりに必要な技能と練習段階
技術的な要素になります。指導する前には押さえておきたいです。
①肩角度減少
肩角度を狭めることです。脇が開いたり、鉄棒とお腹が遠いのはこのパターンです。鉄棒の握り方は逆手でもいいですし順手でもいいと思いますが、個人的には後方支持回転等の技を考慮して、とりあえず順手で教えています。
【鉄棒・逆上がり・肩角度減少】逆上がりの技術の一つに「肩角度減少」があります。つまり「脇を閉じる」ことが逆上がりを成功させるのに重要なポイントになります。「お腹を鉄棒につける」、「足を振り上げる」、「逆手にする」といったアドバイスも肩角度減少を行わせるための助言の一つになります。 pic.twitter.com/1FXcBULMmH
— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) October 2, 2021
②後方への回転
逆上がりで難しのは、後方回転と肩角度減少が一緒に行われることです。後方回転が行わなければ、鉄棒上で支持することはできません。
【鉄棒・逆上がり・後方回転】逆上がりの技術の一つに「後方回転」もあります。「上昇」しながら「肩角度減少」と「後方回転」する必要があります(つまり、逆上がりは相当難しい)。「肩角度減少」ができても後ろの世界へ入門できなければ、鉄棒上へあがれません。 pic.twitter.com/BPlqCZ2wWe
— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) October 2, 2021
③予備知識
指導の際によく言われる「おへそを見る」や「足を振り上げる」は、「肩角度減少」と「後方回転」を促したいがための個人的なコツやアドバイスになります。学習者全てに当てはまりません。その学習者に合わせた言い方でアプローチする必要があります。
逆上がりは「おへそを見なくても」、「片逆手」でもできます。鉄棒より「前」、あるいは「後ろ」から踏み切ってもできます。「おへそを見る」「逆手でやる」「鉄棒の真下で踏み切る」など個人の「やりやすいコツ」を学習者に押し付けるのではなく、やらなければいけない正しい技術を伝えたいものです pic.twitter.com/u4xyR42mkc
— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) October 3, 2021
④逆上がりのための予備運動
急に逆上がりをやれといってもできません。逆上がりを行う前に、肩角度の減少と後方回転、手首の返しなどを中心に構成した予備運動で学習者の能力を確認してみましょう。
【鉄棒】
— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) October 5, 2021
逆上がりの予備運動です。
①豚の丸焼き(肩角減少)
②ダンゴムシ(肩角減少)
③足抜きまわり(後方回転)
④布団干し→ツバメポーズ(後方回転・手首の返し)
学習指導要領解説でも紹介されており、逆上がりに必要な要素が詰まっています。これらの課題で学習者のレベルを確認しましょう pic.twitter.com/BZxe3OYlW8
「前回りおりからダンゴムシ」肩角度の減少をメインにした予備運動です。これができれば逆上がりができる準備段階に十分達しています。もちろん、この課題ができなくても逆上がりはできます。
【鉄棒】~前回りおりからダンゴムシ~
— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) October 8, 2021
逆上がりの「肩角減少」に必要な感覚の練習です。回転の勢いに振り回されずにダンゴムシになれる学習者は、逆上がりに必要な「肩角減少」の種がしっかりと育っています。あとは「逆上がり」自体の感覚だけです。 pic.twitter.com/LXALhQyj8Y
斜め懸垂です。鉄棒の慣れの運動です。いろんなパターンで学習者の「できる」を増やしてください。
【鉄棒・予備運動】初めは斜め懸垂での肘の曲げ伸ばしから、手を離したり、手をたたいたり様々なバリエーションを行い、鉄棒を引っ張ることやぶら下がることなどを身につけていきます。上級者は足を補助者に持ってもらったり、台に足を置くなど、逆位に近い形にしていくことで、鉄棒に慣れていきます。 pic.twitter.com/DNl1nVMNOW
— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) October 15, 2021
⑤段階練習
逆上がりの段階練習の一つの例です。踏み切り足を決めること、一回で踏み切ると、逆上がりの感じに近づきます。もちろん補助を使うパターンであったり、他にもありますので随時追記していきます。
【鉄棒】
— 器械運動_教材紹介 (@zJoTgbwacm92Z64) October 5, 2021
逆上がりの段階練習です。
注意は以下になります。
①台に乗せる足は踏み切る足と一緒
②足は角に乗せ一回で踏み切る
③だんだん低くしていく
足を振り上げるのではなく、踏み切り足を使って(膝の曲げ伸ばしを使って)「肩角減少」と上昇しながらの「後方回転」を助けます。 pic.twitter.com/UCMoCWOenm
おわりに
逆上がりは非常に複雑な構造を有している技です。学習者は、それぞれ全く異なる経験や技能を有しているので、一筋縄ではいかないこともあります。ある研究によると、逆上がりができない学習者が一定時間練習してできるようになるのは30%程度だそうです1)。もちろん学年や練習方法、指導人数、時間などにもよると思いますが,指導する側は、学習者の運動感覚に寄り添って、粘り強く教えてあげたいものです。引用文献なども今後はまとめてあげていきたいと思います(追記していくかも)。紹介した教材を用いる場合には、学習者の実態に合わせて慎重に行ってくれることを期待しています。
(2022.8.16追記)
参考文献
1)小川拓(2017)小学校教育課程における逆上がりの指導法実践研究ー逆上がりの指導意義と指導法の確立ー.共栄大学研究論集,15号,pp.193-219