【マット運動】後転について①技術について
はじめに
器械運動で扱う後転は基本的な技になりますがつまづく学習者も多い運動です。指導の前に後転系統の技に共通する技術を正確にとらえておきたいです。
後転の技術解説
発展技ができそうな「大きな後転」を目指して,技を習得していきたいです。
①回転加速(おしりを遠くにつく)
回転の勢いをつけるための技術です。かかとより遠くにおしりをつけることで勢いを産むことができます。苦手な学習者や怖がる学習者に強要すると嫌がるので,時期を見て教えるようにしたいです。
さらに,回る時のポイントは,「おしりがついてから背中を倒す」「地面と並行におしりを遠くる」です。高いところから遠くにしたり,おしりの位置が上下するといい回転がつけられません。
練習方法としては,滑りやすいフロアーでおしりをスライドさせる練習をするといいでしょう。これがマットでの動きと繋がると一発で後転が変わります。
②伝導技術
意外と知られていないのですが,腰角度を開き,一気に閉じることで勢いが生まれます。おへそを見ることを強要しすぎるあまり,膝をずっとかかえ込んで小さな後転にならないようにしましょう。かえって回りづらくなります。回転加速と共に教えられるといいかと思います。
③頭ごし
頭越しの際には,手で押すことも大事ですが,腰を伸ばすことも大事です。手の押しとともに,適切な位置で腰を伸ばしているかも確認したいものです。
後転では,回転の途中で腰角度を開く動作が必要になります。
また,転がり方が上手になれば手の押しはなしをせずとも後転はできますが,適切な技術が必要です。
もちろん手のおしはなしも大事ですが,適切な位置で床を押す必要はあります。手の押しはなしはまた後日まとめたいと思います。
おわりに
まずは,「後転ができる」「後ろに回るのが怖くない」ことが大事です。徐々に発展技をみすえて正確な技術を身につけていきたいです.間違った動きを、何度も練習すれば、間違った動きが上手くなります.
参考文献
金子明友(1982)教師のための器械運動マット運動.大修館書店.
三木四郎(2015)器械運動の動感指導と運動学.明和出版.