母を喜ばせたい気持ちが育てた宝物
子どもって、母親からの愛情を求めようとする
子どもって、母親が喜ぶことをしようとする
先日、家族で旅行へ行った。
車で走っていたとき
「ママ!ママの好きな飛行機が飛んでるよ!」
そうやって息子が私に教えてくれた。
私は飛行機は、特別好きではない。
どちらかというと、
見るのは良いが、乗るのは苦手。
でも、息子は"ママが好きな飛行機"と言った。
きっと、私が飛行機を見つけると、子どもたちに「飛行機、飛んでるよ!」って教えていたからだろう。子どもたちが喜ぶかなって。
それが、息子には、私が飛行機を好きだから言っているのかと思われていたようだ。
ママが好きだから、教えてあげたい
息子の優しい気持ちだ。
また息子は、公園に行くと砂場で貝殻を拾う。
どんぐりを見つけると、ポケットにいっぱい入れる。
園にきれいな葉っぱや、モミジバフウが落ちていると、カップの容器に入れて待って帰ってくれる。
空き箱だって、「ママの好きなアイスの箱があったよ!」って持って帰ってくれる。
夫ではなく、必ず私に。
「ママが、何か作るかなーと思って♪」
「ママが、好きかなーっと思って♪」
うれしそうな顔をして渡してくれる。
本当に、うれしい。
私も
ありがとう
すごいね!
ママのこと、よくわかってるね
っていっぱい褒めると、
息子の顔は、もっと笑顔になって
体が弾む。
子どもは母親が喜ぶと、うれしいんだよね。
私もそんな思いがきっかけだったな。
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私は子どもたちのお弁当に、りんごを飾り切りして入れることが多い。
理由は、一年中冷蔵庫に入っていることが多いからだ。
わざわざお弁当のデザートを考えなくてすむってわけ。
たまには他の旬のフルーツも入れたり、ゼリーやパンケーキを作ることもある。
でも、目一杯メインのお弁当に時間をかけるから、残りの時間をみてできるりんごの飾り切りを選ぶことが、最近多い。
ある程度、なんでも切れる。
でも、これは最近できるようになったものではない。
私が初めてりんごの飾り切りを練習したのは、小学校5年生のときだ。
学校の調理実習でのこと。
次回作る献立は、ご飯とお味噌汁と卵焼きだった。
そして、デザートは"りんご"。
りんごが担当になった人は、家で切って持ってくることになっていた。
私はフルーツが大好きだったため、班で役割分担するときに、自分から手をあげ、りんごを切って持ってくる担当をした。
帰って母に伝えた。
「ママ、今度の調理実習でりんご切って持っていくことになった」
「そうなの。じゃあせっかくなら、こんな風に切ってみたら?」
母が差し出したものは、
1冊のりんごの飾り切りの本だった。
表紙には、見たことのない、かわいく切られた、りんごの写真がいくつも載っていた。
当時私は、ビーズや縫い物にハマっていて、
本を見ながらかわいいものを作るのが、たまらなく好きだった。
りんごの飾り切りの本を見ると、やってみたくて仕方がなかった。
私は台所に立った。
はじめはうさぎ切りから。
母が、夕食を作りながら隣で教えてくれた。
「皮を下にして、寝かせて切ったらやりやすいよ」
私は、作りたい気持ちが強いため、アドバイスを素直に受け入れていた。
そして、うさぎ切り、格子状切り、木の葉切りが切れるようになった。
調理実習の日は早起きして、飾り切りをしたりんごをたくさん作った。
塩水につけて、変色しないようにしたあと、ジップロックに入れて、学校に持っていった。
クラスの友だちは喜んでくれて、りんごはあっという間になくなった。
その後、私はりんごの飾り切りにハマった。
一人で台所に立ち、本を見て真似て何日も作った。
今思えば、あのとき、冷蔵庫を開けると必ずりんごが入っていたのは、母親が私の姿を見て用意してくれていたのかもしれない。
私は、格子状の縦と横の幅が少しずつ小さくできるようになった。
木の葉の葉の数を、どんどん小さくたくさん切れるようになった。
それを母に見せるたびに、「すごいね!」と褒めてもらえた。
母が喜んでくれるから、私は何度も挑戦した。
こうして身につけた、私の"りんごの飾り切り"。
今は、我が子のお誕生日のときや、フルーツの盛り合わせを作るとき、お弁当のデザートとしても入れている。
りんごのカービングも、初めてやってみた。
デザインをしっかり考えてからやると、もっと上手くできたかな。
でも、やりたかったことができたことが、私はうれしい。
息子は、私が作ったりんごの飾り切りを見ると
「よくこんなのできるね!」
って。
なんだか大人みたいな言葉で笑っちゃった。
いつも、私の母がいるときにいう褒め言葉だ。
子どものころは、母が喜んでくれるからしていた。
でも、今は我が子が喜んでくれるから、かわいくしようって思う。
お皿に入れて、テーブルに置くとすぐに、
「食べたーい!」
子どもたちは、大きな声で言った。
「わたし、1番大きいのがいい!」
「ぼく、ちょうちょがいい!」
1番大きいのって、丸ごとだよ!
2人の腕が重なって、それぞれ取る。
丸ごと食べるって、あまりやらないことだから、娘はうれしそうに、がぶりと食べてた。
さて、まだまだりんごがいっぱいある。
実は福島から、13個のりんごと11個の大きいりんごが2日続けて届いた。
家族でいろいろなりんごの食べ方を、楽しもうと思う。
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ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
母親が喜ぶことをすると、ここまでできるようになりました。
きっと、あなたも親が喜ぶことをしようとしたり、我が子があなたを喜ばせようとしてくれたことってあるのではないでしょうか。
それが、思わぬ力になっていることも、あるかもしれませんね。