坂道グループの冠番組を見て
テレ東の「乃木坂工事中」、「そこ曲がったら、櫻坂?」、「日向坂で会いましょう」を見てそれぞれのグループと番組MCの歴史に奇妙に共通点がある気がした。
乃木坂46の冠番組が「乃木坂工事」(以前は、「乃木坂って、どこ?」という名前だったとwikipediaに書いてあった)でMCがバナナマン。乃木坂46は確かAKB46のライバルという位置づけで坂道最初のグループとして生まれた、と記憶している。当然最初はAKB46の方が勢いがあったが徐々に逆転し、レコード大賞を2年連続で受賞するなどのアイドルの王道路線で活躍を見せた。一方、バナナマンはデビュー数年は下積みで苦しい生活をしたが、その後実力が認知されると右肩上がりだ。設楽さんはテレビ出演本数ランキングの上位だし、日村さんもレギュラーを多数抱えている。一方、毎年単独ライブを行い(当然チケットは即完)、コント師としての存在感も示している。まさに芸人の王道と言うべきスタイルであり、アイドルの王道を行く乃木坂46と重なる。
櫻坂46の冠番組が「そこ曲がったら、櫻坂?」(以前は、「欅って、書けない?」という名前だったとwikipediaに書いてあった)でMCが土田晃之さんとハライチの澤部佑さんだ。このグループは乃木坂46に続いて結成された欅坂46が前身となる。この欅坂46はデビューシングルが大ヒットするという鮮烈なデビューを果たした。しかし、その後紆余曲折を経て欅坂46は実質的にグループとして機能しなくなり、去っていく者がいる中で、残ったメンバーで櫻坂46に改名するという形となった。そして、櫻坂46結成後数年は試行錯誤するような感じであったが、最近は再び盛り返し、海外でも公演するなど活躍が著しい。一方、ハライチの澤部さんは相方の岩井さんとともにワタナベエンターテインメントの養成所に特待生で入学し、卒業後数年でM-1グランプリの決勝に2年連続進出した。そして澤部さん個人として「笑っていいとも」のレギュラーになったり、テレビ出演本数ランキングの上位になるなど、かなり早い段階から成功を掴んだ。これに対して、土田さんはお笑いコンビU-turnを結成しタモリのボキャブラ天国に出演するなど順調だったが、その後解散してピン芸人として再スタートすることになった。澤部さんの早めの爆発的売れ方と、土田さんのコンビ解散、これらは別々の話ではあるが、その二人が櫻坂46の番組のMCをやっていて、欅坂46が櫻坂46になった流れを見ると何かを感じてしまう。
日向坂46の冠番組が「日向坂で会いましょう」(日向坂46の前身であるけやき坂46時代は、「ひらがな推し」という名前だったとwikipediaに書いてあった)でMCがオードリーだ。このけやき坂46は欅坂46のグループ内グループのようなものを作るために募集されたメンバーで結成された(漢字に対して平仮名ということから、独立したグループというよりもアンダーグループという位置づけのように思われる。)。そのため、欅坂46の2期生というポジションではなくデビューできるかも不明な存在だった。初期の握手会はガラガラだったというエピソードもあるが、その後の努力で欅坂46に代わって3日間の武道館単独ライブを成功させるといった実績を築いて、欅坂46から完全に独立する形で日向坂46に改名して正式にデビューした。その後はデビューまでの経緯がドキュメンタリー形式の映画化されるなど注目を集め、快進撃をした。一方、オードリーは漫才師でありながら舞台がなく、ショーパブでネタを披露するなど先の見えない下積みを経て、M-1グランプリの準優勝で注目を集め、一気に人気が爆発した。このように先の見えない中でチャンスをものにして爆発的な売れ方をしたという点で両者が重なる。日向坂46は他の坂道グループが紅白歌合戦に出場しているのに対して、ここ2年程選ばれていない。これを爆発的な売れ方の反動と見るのか、他のグループとは違う道を模索しているためなのか、それ以外の理由なのか、わからない。ただ、オードリーも爆発的人気の後に一時人気が落ち着いたが、ここ5年くらい武道館ライブ、東京ドームライブを成功させるなど、M-1グランプリ直後に勝るとも劣らないくらい人気が高まっている。今度の人気は長年頑張ってきたラジオ番組が芯となっているから一過性のものではない。日向坂46も芯となる活動を継続することでデビュー時以上に人気が高まる時代が来るのではないだろうか。