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夜桜
桜100選に選ばれた公園が近所にある。仕事帰りにちょっと見に行こうと思い立って寄り道をした。お花見の時期に、しかも、満開の頃に出かけるのは何年ぶりだろうか、あまりの変化にびっくりした。以前はお花見というと、ビニールシートを敷いておでんを囲んでビールで宴会、というのが主流だったような気がする。幹事になると朝からビニールシートを持って場所を取りに出かけた。今の時代はなさそうだ。そもそもそんなことを要求したらパワハラに該当するような世の中かもしれない。今夜はビニールシートに座って桜を眺めている人もいなければ、酔っぱらいのおじさんも歩いていない。いるのはカップル。もちろん家族や同性の友人同士もいるが、わいわいがやがやという雰囲気ではなく、田舎の公園がすっかりあか抜けて都会っぽくなったかのようだ。ライトアップも今風だ。昔のように下から照らすライトが丸見えなんてことはない。昔ながらのおでん屋さんもあるけれど、小奇麗なジェラート屋さんやクレープ屋さんに変わっていた店もあった。屋台もたくさん出ていてにぎやかだ。いかやき、やきそば、たこやきといった定番メニューもあるが、いわゆる映える屋台もたくさんあった。公園の池の周りを一周し、最後にふと気づいたことは、砂利道がきれいに舗装されていたことだ。見慣れた公園がなんだか少し遠くなった気がした。