VOICARION XVIII ~Mr.Prisoner~8/31夜 前楽
※自分用の記録を目的とした
記憶と休憩時間のメモによるオタクレポです。
内容誤りなどご容赦くださいm(_ _)m
補完、修正歓迎です。
2回目にして前楽。
なので内容にがっつり触れた感想を
書いていきます。
まず全体的に各キャストの皆さま共通で
公演数を重ねてきてるからか
間がすごく心地よくて
役を演じるというより役そのもの感が強かった。
特に色濃く出ていたのはめぐさんのレス。
もうね、今日の演技を観てて
目の前にいるのがレスなのか林原めぐみ様なのか
分からなかった。
それぐらい、憑依度がすごかった。
日頃から"イタコ声優"と称される方の
真骨頂なのか、一人纏ってる空気が違うの。
今日は前回より近づいて5列中央付近だったから
表情とか動きがよく見えたんだけど
大人レス⇄13歳レス
の切り替えが凄まじい。
お顔の変化にビビる。
13歳のレスだけでも
・「声を聞いてはならない」囚人と
会話してしまい「聞いちゃったよ…」って
不安気な声を出す時の不安気な目や眉の動きが
子ども特有のそれだし
・「先生になってほしい」と頼むのに
エドワードが受け入れない押し問答の時
一瞬くっとしかめっ面する顔が
子どもの不服な顔そのものだし
・エドワードが先生になってくれると
分かった時の喜び方、無邪気さが
まごう事なき純粋な笑顔だし
「え?今私たちの目の前にいるのって
少女ですか?」
って隣の人の肩ガシッと持って
話しかけたくなったよね ←やめろ
めぐさんの表情・所作ハイライトは
自分でも引くくらい書いてるんだけど
断腸の思いで抜粋すると
その1
「この独房の天井は...」と説明を受けるシーン
とか、13歳レスが目線を上に上げる動作が
何回かあって「うーん…」とか声がついてたり
口がへの字になったりするんだけど
マジ可愛い。
持って帰りたい。
その2
初めて聞くシェイクスピアのソナタを
一生懸命口ずさみながら「教えて!それ!」
というシーンは目がキラッキラしてる。
目にちゃんと星が入ってた。
目に光を集められるって
あなたアイドルですか?
その3
エドワードと勉強をする時に教科があちこちに
とぶって回想する場面があるんだけど
大人レスの声で
「ユークリッド幾何学」って話す時の顔が
何か妖艶でドキッとする。
めぐさんから理系の香りがすると
何かドキドキしませんか?私だけ?
その4
本屋ジェイコブズに行った後の回想へ移る
暗転の一瞬にハンカチを取って
お顔にあてていた
めぐさん。
テーブルへハンカチを置く動きも
テーブルへ置いた後に右手を台本に戻す動きも
優雅すぎて鼻血出るかと思った。
小指から人差し指を順番に折りたたむ動き
あるじゃないですか?
流れるような、高貴な婦人がやりそうなあの動き。
え?ジェンヌ?タカラジェンヌ??
もう娘役スターやってくれ。頼む。
今日は毎回手を台本に戻す時にそれやってて
ちょっと眼を見開き過ぎて
眼球が弾け飛びそうでした。
その5
一幕終わりに幕が降りる瞬間まで
レスめぐさんがヘイスティングス卿を見つめる
(睨む?暗くてよく見えず)その目や表情が
かっこよすぎて痺れました。
ヘイスティングス卿、マジでそこ代われ。
めぐさんに睨まれたい←
などその他多数(割愛)
大人レスの演技もすごく素敵だったなー。
ゆったりと余裕のある声だけど
やっぱり冒頭の話初めの頃は
ディケンズへの警戒心とか話すつもりがない
という堅さが声に含まれていて
エドワードとの出会いを少し回想した後に戻る
大人レスの「紅茶はいかが?」の声が
既にもう柔らかい。
その微妙な変化、どうやって
演じ分けてるんだろう。
あ、ここまで散々めぐさんレポ書いておいて
なんだけど
今日は山寺さんのエドワードにずっと
気持ちが寄っていました。
最初は牢屋番のおじいちゃんのフリをしながら
「ここを開けてくれ」とレスに牢獄を開けるよう頼むのに、レスが子どもだと気づくと
すぐに自分の過ちを謝罪して
「本当に申し訳ない」と心から謝る。
子どもに嘘をついたり騙したり決してできない
(=それまで一度もしてこなかった)
エドワードの生き様が現れてるのかなと。
実は初日にしっくりこなかった点があって。
二幕後半でレスがエドワードの鍵を
開けにくるシーンでレスが
「先生は声で私を操ろうと思えばできたのに
しなかった」って言ってて
確かにレスに対して操ることはしなかったけど
冒頭のレスとの対面シーンでは
レスが少女と認識する前、おじいちゃんの声色で「鍵を開けておくれ」と頼んでいたから
これはやっぱり牢獄から出たい気持ちが少しはあったからなのかな、と初日は思ってた。
けど今日観ていたら
エドワードは教養が深くて思想は自由だけど
投獄後、心は孤独で
「復讐したり脱獄しようと思った時期もあった」
って最後に話していたから
自分への評価が世間の偏見に染まっている
であろう目の前の顔の見えない人間に対して
孤独な心から生まれた黒い部分があって
その見知らぬ相手へのからかい(騙す)意味での
「ここを開けておくれ」だったのかなと思った。
ここで山寺さんのフードを取る動作があるのも
子ども相手だと気づいて我に返る心の動きとリンクしてて分かりやすくて良かった。
今日一番泣いたのは
オペラ後のレスから自分の過去を問われて
どんどん絶望していくエドワードの演技。
レスは後に「失望させちゃったの」と
バークワース教授に言ってるけど
私にはレスへの失望というより
唯一の生きる希望が失われていく絶望に見えた。
私、推しはもちろん、他の役者さんも問わず
悲しみとか絶望とか不幸の演技が
大好きなんですが←
山寺さんのここの演技にずっと
ブワー泣いてました。滝。
ここ、エドワードがレスから
「先生はそんなこと(クリスを声で操ったり)
してないよね?」と問われた時に
事実は潔白なのに
「教え子を守れなかった。
結果的にクリスを死なせてしまった。」
という罪の意識から
「何もしていない」とは決して答えない。
そしてこの「答えを言わない」という姿勢は
エドワードからレスに対して
ずっと貫かれていること。
物語のテーマでもあること。
すごくよくできた脚本だなと。
(偉そうで申し訳ないけど他に言葉が見つからず)
あと、このニ幕エドワード×レスのシーンで
とっても好きなのは
ヘイスティングス卿との話の内容を
とぼけるレスに対して
「愚かなふりをするのはやめなさい」と
諭すところ。
レスはずっと
「楽しいことなんて一つもなかった」
「(劣悪な環境で育った子どもの行き着く先)の
どれかに私もなるんだと思ってた」
と言いながら
勉強する自分を想像できない、というより
敢えて想像しないように
フタをしてきた
気がする。
でもレスはエドワードに出会った頃に
「もう人には教えない」のセリフから
エドワードの職業を見抜くことができる
聡明さがあって
エドワードが先生になってくれると分かった時の
「私に先生ができる!」と
2回、噛み締める表情からも
学ぶことへの貪欲さが備わっているんだよね。
そんなレスの賢さや心の動きを何もかも見透して
「愚かなフリをするのはやめなさい」って
震える声で諭すあのエドワードの演技が
堪らない。
ここでめぐさんレスが
目の前の大人へ、対等に話してくれる大人へ
真っ直ぐに問いをぶつけてくる声や表情も
堪らない。
互いに【鍵】を交換する約束をして
それを最後には果たすんだけど
エドワードは「思想は自由だけど心は孤独」
レスは「思想は囚われているけど、孤独な大人に開く心の純粋さや温かさを持っている」
が初日、前楽を経ての感想。
エドワードはあれだけ博識で教養のある
大人なんだから、外の世界との繋がりに
間違いなく飢えていただろうし
心の自由は奪えない、と言いつつも
昔の愛弟子への自責の念に
苛まれていただろうし。
レスは姿も見えない、暗闇の中の大人への
恐怖もあっただろうけど、何なんだろうこの人?
って好奇心もあったんじゃないかな。
囚人ってだけで何か得体の知れなさや
不気味さや身の危険を感じるし
牢獄の中にいても「声を聞いてはならない」って
いわれがあるだけで未知への恐怖があるはず。
でも人って「〇〇してはいけない」って
言われたら絶対やりたくなる性質って
あるじゃん??
子どもなら尚更そういうのに手を出しそう。
そこからレスは
本を得て、師から学び、オペラを鑑賞し
どんどん自由を手に入れていく。
「学問とは問うことを学ぶもの」
「勉強とは問い続けることですよ」
という印象的なテーマがずっとあるけど
レスがどの学問の何がこうでどう分からないって
自分の考えを言うシーンのエドワードは
本当に嬉しそう。
子の成長を見守る親のような声でもあり。
エドワードの演技に
なんだかずっと胸打たれていました。
あと上川さんにも今日は注目できる余裕が
ほんの少しあったけど
役者すげぇってなった ←語彙
チャールズ・ディケンズとしての上川さんって
目が子どものようにウキウキしていて
ペンを構えているディケンズが
もうそこにいるってくらい体現されていたけど
ヘイスティングス卿の時の目が初日にも増して
目に影が宿っていて、ゾクゾクした。
別人。
初日のレポでヘイスティングス卿の声で
沸かす茶から抽出する苦味成分すごそうとか
大変失礼なことを書いた気がするけど
今日の印象だともう茶は沸かせない。
急須拒否だわ。←さらに失礼
クリスの真相を追うというより
「こうに違いない」って囚われながら
自分の思想を裏付ける事実だけを集めている
ヘイスティングス卿のあの感じが
私はとっても嫌いで(褒めてる)
こんなに不愉快にさせる演技をする
上川さんすげぇって思いました。
あと、やっぱり山寺さんやめぐさんと
身体の使い方も違くて、変な意味じゃなく
身体の使い方が大きいというか
舞台やっている人特有のエネルギッシュな、
客席に向かって、前に前にパワーがくる感じ。
対照的だったのはめぐさん。
めぐさんってそこにいるのか疑っちゃうくらい
音がしないし、声優口演の時は届く声量に対して口元のアクション少なくてビックリしたんだけど
今回観る時間が長かったから
身体の使い方が本当に細かく変わっていってて
身体の向きを変える行動一つをとっても
足を下手側に1,2歩動かして
パッと13歳になる時もあれば
スピード感のあるシーンでは上半身だけもあるし
台本の構え方にしても
大人レスの時は胸を開くというか
身体を比較的正面に向けて
台本を舞台と水平〜40度にゆったり構える感じ。
13歳レスは下手(マイクの方?)に身体を向けて
肩も硬らせたり、台本も顔にグッと近づけて
舞台と60度以上くらい立てて持ってる時もあり
見ててかなり違いがあった。
※ここ、あくまで私の印象なので
分度器で測ってないんで悪しからず。
大人レスで客席の後ろに向けてとおーくを
見つめたり、上にやったり下手奥にやったり
「やめてー!」と叫んだ後に
上手側にパッと目を背ける仕草をしたり
目の動きだけでも何種類もあって
舞台女優を観ているようだった。
13歳レスへ変わるあの瞬間は鳥肌。
あれはもう乗りうつるという表現が適切。
なんだろう、上川さんと違うと思ったのは
声優として声で表現するにあたって
身体の使い方のバリエーションが
多いのかなと思ったけど
声優界の常識とかやり方が全然分からないから
見当違いのことを言ってるかも。
山寺さんは
お顔の動きはそりゃ多かったけど
めぐさんほど目線や立ち姿に
そこまで変化はなかった気がしたし
(違ってたらごめんなさい)
同時に声優の方が演じる場面なんて
観ることできないから、分からないながらに
見比べるだけでも貴重な現場だったな
と思いました。
全然話の内容に関係ないけど
暗転してるときにお水を飲む上川さんがね
マジかっこいいです。要注目。
水飲むだけで絵になる男って
自分の周りにいなくね??
あと、ニ幕のジェイコブズへレスが来た時に
埃まみれの本棚に無理やり隠れるシーンで
ハンカチを口に押さえてらしたんだけど
レスが喋ってる間、ずーーーっとハンカチで
押さえててビックリした。
私なら絶対苦しいからライト当たってないし
サボる ←一緒にすな
あれって、ずっと隠れてる間
埃まみれで息苦しいヘイスティングス卿を
よりリアルに表現するために
ずっと押さえてるんでしょ?多分。
もしかしたら声優や俳優さんたちにとって
当たり前の技術なのかもしれないけど
プロ意識のすごさよ。
私は上川さんの呼吸が心配でした ←
上川さんの舞台も観に行ってみたい。行く。
まだまだ書きたい事あるけど
最後にこれだけは言いたい!
本日のわたし的最大のハイライト↓
ニ幕
エドワードとオペラ観劇後のレスが
ロンドン塔でお別れするシーン
セリフをぶつけ合った後
舞台が暗転していくときに
エドワードが時計回りにゆっくりと客席に
背を向けるのと
レスが座って台本を膝の上に
ゆっくりとおろしていく動きを
それぞれするんだけど
山寺さんが後ろを向き終わって止まる
タイミングと
めぐさんが台本を膝の上に着地させる
タイミングが!!
ドンピシャなの!!!!!
お互い見えてないじゃん??
動きも光もないし背を向け合ってるのに!!
ここ、悶絶した。
あの、舞台写真出しませんか???
あのシーンを永久保存して
額縁に飾りたい。
このシーンだけ唯一めぐさんが顔を下に向けていた気がする(他はライト当たってなくても前を
見据えていたり、天井を仰いだり)
千秋楽で要確認。
そうだ、記憶が混ざらないように
前楽のカテコの様子↓
ステージ上でお辞儀の後、山寺さんから
いつものミュージシャン、キャスト紹介。
印田姉弟を紹介する時に
リンダリンダのノリで「印田印田!」って
言ってた気がするけど気のせいかな←
演奏者紹介の時、上川さんがいち早く
台を降りた見えやすい位置に移動←イケメン
それを見ためぐさんもすかさず
台を降りてステージ上から伸びてるワイヤーに
肩が当たっちゃちゃって
ビヨンビヨンさせながら捌ける←可愛い
上川さんによる山寺さんの役紹介では
カンペを出しつつ、めぐさんが指で
カウントするというサービス付き(笑)
カウントする手もすっと伸びて美でした。
ステージ前にミュージシャン含め皆さん出てきて
くださって2回。
最後のカテコでいつもの笑顔で
出てきてから捌ける時に胸の前で小ちゃく
両手をひらひら振ってくださって
ほっとしました。
あー長い。
でも書き足りない(笑)
しかしスマホが疲弊してきたから
一旦閉じる笑
皆さんが無事に千秋楽を
走り抜けられますように!!!
*キャスト*
チャールズ・ディケンズ/クライヴ・ヘイスティングス卿... 上川隆也
レス... 林原めぐみ
囚人252号(エドワード・ホークウッド伯爵)
... 山寺宏一
*クリエイティブ&スタッフ*
原作・脚本・演出
藤沢文翁
作曲・音楽監督
小杉紗代
照明
久保良明(エヂソンライトハウス)
美術
野村真紀(東宝舞台)
音響
小宮大輔(SOUND BORN)
音効
熊谷 健(THINK AUDIO)
衣裳
大戸美貴(東宝舞台)
ヘアメイク
宮内宏明・生井裕子(M’s factory)
特効
星野達哉(スパーク)
舞台監督
山本圭太(Al Di Là)
演出部
中川花奈(Al Di Là)・原 陽花
制作
加藤葉子・室橋 鮎・坂本愛実
プロデューサー
白石朋子・吉田訓和
*ミュージシャン*
ピアノ
斎藤 龍
バイオリン
印田千裕
チェロ
堀 沙也香、印田陽介
パーカッション
稲野珠緒