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ChatGPTを使って指導案を作ってみよう2~素早く単元構想を作成しよう。~


はじめに

こんにちは、皆さん。前回はChatGPTを用いて「ゼロから指導案を作成する」方法についてご紹介しました。

今回はその続編として、すでにある「単元構想」を基に指導案を作成する方法を解説します。



単元構想とは

単元構想とは、教育課程の一部を形作る計画のことです。これには、教育目的、具体的な学習活動、評価基準などが含まれます。単元構想は、教員が学習内容と教育手法を効果的に組み合わせるための重要な部分です。

フューショットプロンプトを使って単元構想を作ってみる

今回使用する方法はフューショットプロンプトを使用します。フューショットプロンプトとは、理想的なアウトプットを例文として 書き込んだプロンプトのことを言います。要は、例文を提示してそれを真似して作ってもらうということです。では今回使用する例文を紹介します。

例文①
この教育単元は広島県呉市を対象として、4年生の社会科の学習指導要領に則り、地域の基盤となる飲料水、電気、ガスの供給、および廃棄物処理の仕組みとその重要性について深く探求します。特に、これらのインフラがどのように地域社会の健康や生活環境に貢献しているのかを中心に学びます。

呉市における飲料水の供給は、多層的な努力によって成り立っています。例えば、山々と森林が適切に保全されることで、水源地が確保されています。さらに、ダムや貯水池の建設により、水量が一定に保たれ、乾季や豪雨時でも安定した供給が可能となっています。そして、浄水施設での厳格な品質管理と技術者の専門的な対応によって、その水は各家庭に安全に届けられています。

本単元の主要な狙いは二つです。第一に、児童が実際に呉市内の浄水施設やガス供給施設、電力施設、そして廃棄物処理施設を訪れ、その運営と地域社会との相互作用を自分たちの目で確認すること。これにより、児童は「水がどこから来ているのか」「電気はどのように生成されているのか」「ガスはどうやって安全に供給されているのか」「廃棄物はどう処理されているのか」など、身近ながら意識しないことに対する理解を深めます。

第二に、この調査活動を通じて、児童自身が地域社会にどう貢献できるか、特に健康や環境保全の観点からどのような行動が期待されるかを考えさせます。例えば、節水やエネルギーの効率的な使用、リサイクルなどについても議論します。

呉市のこの学級の児童は、過去に資料を用いて学習する経験はあるものの、自分で主題を設定し、それに沿って学習を進めるという経験は少ないです。そこで、この単元では教師がガイドとなり、児童が自ら問題を見つけ、解決策を考えるプロセスをサポートします。

指導方針としては、まず最初に「問題を理解する」フェーズがあります。児童は、自分たちが日常生活でどのようにこれらのインフラを利用しているかをリストアップします。次に「調査する」フェーズでは、具体的な疑問点や課題に対して調査計画を立て、それを実行します。呉市の各施設を訪れることで、現地の専門家から直接知識を得る機会も設けます。最後の「考えをまとめる」フェーズでは、学習した内容を一つのプレゼンテーションや新聞記事形式でまとめ、それをクラスで共有します。

最終的には、児童が呉市の基盤となる各種インフラについての理解を深め、それが地域社会にどのように影響を与えているかを理解することが目標です。さらに、それぞれが地域社会で果たすべき役割についても考察し、今後の生活に生かしていくことが期待されます。

例文②
本単元では、埼玉県蕨市の廃棄物処理施設や関連事業を実際に視察・調査することで、地域社会と環境に与える影響について深く理解するを目的としています。廃棄物、一般に「ごみ」と呼ばれるものは、私たちの生活から欠かせないものでありながら、その処理には多くの問題がついてきます。近年、日本全国でごみが増加しており、特に埼玉県蕨市のような都市部では、その問題はより顕著です。

地域各地で取られている対策の一つとして、スーパーマーケットでのレジ袋有料化があります。このような取り組みは有用ですが、それだけで問題が解決するわけではありません。廃棄物の量が増えれば、それに比例して処理費用も増加します。さらに、産業廃棄物の不法投棄が頻発するなど、新たな問題も発生しています。

このような状況を踏まえ、児童たちは「もったいない」という日本独自の価値観を再認識し、それを生活に取り入れる必要があります。物を大切にし、無駄を減らす行動は、未来の地域社会、環境にもポジティブな影響をもたらします。

本学級では、積極的に学習に参加する児童が多く、調査した事実を整理して発表するスキルも身につけつつあります。しかし、その根拠をしっかりと説明する能力、または他者の意見を考慮に入れる能力はまだまだ不足しています。これは特に、「話す」ことと「書く」ことの両方で見られます。

先の単元である「交通事故」や「火事」に関する学習で得た知識やスキルを活かして、本単元でも「理由を明確にする」ことに重点を置きたいと考えています。その上で、他者の意見と比較しながら、より洗練された表現をする訓練も行います。

最終的に、本単元の学習を通じて児童一人一人が、埼玉県蕨市のコミュニティにおいて環境問題にどう貢献できるかを理解し、具体的な行動に移せるような意識とスキルを育むことが目標です。具体的な教育目標としては、地域社会と環境に対する責任感を持ち、問題解決に向けた積極的な態度を身につけること、さらには地域社会で起こる様々な社会的事象に対する洞察力を高めることを期待しています。

例文③
この単元構想は、沼津市のごみ処理を中心テーマとして、ごみと社会、環境との関連性について深く考察することを目的としています。教育現場でしばしば見受けられる児童の姿勢として、ごみの分別や出し方については一定レベルで理解しているものの、それがどのように社会や環境に影響を与えるのか、またその処理にどれだけの労力や工夫が必要なのかに対する興味や認識はあまり高くありません。しかし、資料活用や観察、そして社会的な事象に対する基本的な思考能力は一定程度形成されています。

この背景を踏まえて、単元では沼津市の具体的なごみ処理の仕組みとそれが地域の健康や生活環境に与える影響に焦点を当てます。沼津市がどのようなごみ処理方針を持っているのか、そしてそれが地域社会にどう貢献しているのかを理解することで、児童自身が自分たちの行動が社会に与える影響をより深く認識する機会を提供します。

教育方法としては、以下の4つの段階に分けて進行します。

「つかむ」段階: 最初のステップとして、児童には自宅で出るごみの種類と量を実際に調査してもらいます。これにより、ごみがただ「捨てるもの」ではなく、それぞれが異なる処理方法や社会的影響を持つものであるという認識を深める狙いがあります。

「調べる」段階: 次に、沼津市のごみ処理施設やリサイクルセンターを見学する活動を行います。その場でごみ処理に関わる人々にインタビューをすることで、ごみ処理がいかに複雑で多くの人々の努力に支えられているかを実感してもらいます。

「考え・表現する」段階: この段階では、見学やインタビューで得た情報を基に、どのようにごみ処理が地域社会や環境に影響を与えているのかについて考察します。児童はグループディスカッションを通じて、自分たちが思いつくごみ処理の改善策や新しいアイデアを発表します。

「生かす」段階: 最後に、これまで学んだ知識と考察を生かし、具体的な行動計画を立てます。例えば、「環境保全に対する意識を高めるキャッチフレーズ」を考え、それをポスターやSNSで広めるなどの活動を行います。

このように、この単元構想を通して、ごみ処理とその背後にある社会的・環境的な側面について多角的に考える力を養い、それに対する責任感と積極的な行動力を育むことが最終的な目標です。この単元が、児童たちが今後社会で責任を持って行動する一歩となることを期待しています。

では作ってみよう。

では例文を学習させてみようと思います。

学習させるプロンプトは次のようにします。

あなたは小学校の教員です。今から指導案の単元構想の案を作成しようと考えています。今から3つ例文を提示するので、その文章を分析してどんな要素があるかを確認してください。

するとこのように出力されました。

3つの単元構想から生まれた単元構想
この単元構想は、「私たちの生活と地域社会のサステナビリティ」をテーマに、4年生の社会科での授業を想定しています。学習目的は三つあります。第一に、地域社会におけるサステナビリティ(持続可能性)についての理解を深めること。第二に、児童が自分自身の行動が地域社会や環境にどう影響するかを具体的に認識すること。最後に、その認識を基に、児童が地域社会と環境に対する責任感と積極的な行動力を育むことです。
 学習内容としては、地域社会の基盤(飲料水、電気、ガス、廃棄物処理)とそれらがどのように地域社会や環境に影響を与えるかについて、具体的な例を交えながら探求します。さらに、サステナビリティに寄与する地域の取り組み、例えばレジ袋有料化やリサイクル施策などにも焦点を当てます。
 教育方法は、以下の4つの段階で進行します。最初の「発見する」段階では、児童自身が自分たちの地域にある公共施設やその運営を調査します。次に「調査する」段階で、児童は施設を訪問し、専門家の解説を受けながらその運営と地域社会との相互作用を確認します。この段階では、児童が自らの目で現地を確認し、何が行われているのかを理解することが重要です。
 その後の「考察する」段階では、これまでに得た情報を基に、児童はグループディスカッションを行い、サステナビリティについて深く考察します。具体的には、「この施設がなかったらどうなるだろう?」や「私たちが日常でできる持続可能な行動は?」などの問いを考えます。
 最後の「行動する」段階では、児童は学んだことを元に、具体的な行動計画を立てます。これにより、児童自身の行動が地域社会や環境にどう影響を与え、そして自分たちがどのようにその影響をよりポジティブなものにできるかを考えます。
 評価は、児童が調査と考察を通じて得た知識の深さ、具体的な行動計画の質、そして地域社会や環境に対する責任感の有無に基づきます。この単元構想は、児童一人一人が地域社会や環境に対する多角的な理解と責任感を持ち、それを行動に移す力を育むことを最終的な目標としています。

まとめ

今日はここまでにします。まだまだ工夫がひつようですが、これを使用すれば、単元構想をかなり素早く作成できるようになると思っています。教員の負担軽減に有効に働くと思います。今後さらに研究していこうと思います。


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