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死刑囚表現展2024 其の六

*感想は私の独断と偏見なので。誹謗は受け付けません!感想はいいけど。
誹謗と感想の違いわからない人はコメントしないでねー

西口宗宏作品

この方の作品だけ他の作品とは一風違っていました。
1番最初に目に入った作品は
「日日是”辛”日(真実)・合掌」というもの。
男の人が頭を抱えて苦しんでいる様子。
頭から数々の亡霊が怖い顔をして沸いている。モノクロの絵で下の方にカラーで合掌した絵が描かれている。

題名からして「反省」とか「後悔」とかを感じ取れて、そんな作品はこれだけだったから見入ってしまいました。

他には「枯れず」という作品。
男の人が横たわっていて悶えているんだけど
陰茎が立っていてそこからマリリン・モンローが沸いている、という作品。

こんな事件を起こして後悔もしてるけど性欲は変わらずあることに悶えているように感じました。
他にも数点あって写真撮れないからハッキリ覚えてないんだけど、全体から「後悔」が感じ取れた作品ばかりでした。

写真撮れないって悔しい…

ってことで、この方の事件を調べることに…
2件の強盗殺人をしてました。
1件は死体を燃やして隠していた。

もともと自分の家に火事を起こして保険を受け取ってお金をせしめようとしてバレて刑務所に入っていた。
服役中から出たら強盗する計画を立てていた。
出所後行動に移す。
主婦を殺して金銭を奪って、死体が見つからないように燃やしていた。
2件目は小さい頃可愛がってくれた近所のおじさんを殺して金銭を奪おうとしていた。

結構酷いことしてて、後悔するぐらいならやる前に気づけなかったのか?って単純に思いました。
この西口って男、ちゃんと結婚して子供も3人いて普通の家庭の父親だったみたい。
育ての母が亡くなって大きな額の遺産が入ってきてから金銭感覚が狂ってしまったらしい。
その末の犯罪。

どうしてここまでの事件を起こせたのか、なんか腑に落ちません。

で、また改めて彼の作品を見る…
そしてふと気づきました。
「後悔」はしているけど向き合っているのはその事件や被害者にではなく
迫り来る「死」の恐怖に対してだ、という事に。

「死刑」が怖いから「後悔」してるのであって
「事件」自体に「後悔」しているのではない。

私はそう感じました。

なんて言えばいいのか…
ショックというか、残念というか、所詮そんなもんかというか…

そう思うと死刑ってなんの意味があるんだろう。
だからといって無期懲役になったとしても事件と向き合うかといえばそんな保証もないし。
そしたらもう犯人に最大級に苦しんでもらえればなんでもいいのか。
そしたら死刑しかないのか。

私は当事者じゃないし、当事者になった時どう思うかわからないけど
ちゃんと自分の犯した罪に向き合って反省と後悔をして欲しい。
どうしたらそんな事が可能になるだろう。
自分の犯した罪の重さを感じれない人は一定数いるから、その人達は死刑になるのかな。

そんな事を考えさせられた作品でした。

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