死刑囚表現展2024 其の七
*感想は私の独断と偏見なので。誹謗は受け付けません!感想はいいけど。
誹謗と感想の違いわからない人はコメントしないでねー
井上孝紘作品
この方の事は私はもともと知っていました。
映画「全員死刑」の元になった事件の次男の方です。
映画は一言で「凄かった」です。狂気の描写が…
ちなみに余談ですが、この映画の監督、今度「頂き女子リリちゃん」の映画化の監督をするそうです。
で、当時映画を見てからこの事件の詳しい事を調べました。
事件概要は北村家の父、母、長男、次男で知人の一家の母、長男、次男、長男の友達の4人を強盗殺人、遺棄したというもの。
北村家の父は暴力団組長。だけど大きい組ではなかったそう。構成員もいたんだかいないんだか…
そして母。実際は父より母の方が意見が強かったみたい。
そして長男と次男。昔は相撲部屋に所属してたけど早々に辞めたらしい。
昔から悪さが絶えなかったとか。
思いつく限りの悪さは全部してきたそう。
そして母と父と長男は金銭トラブルのあった知人を殺害して金を盗ろうと考えていた。
結局4人を殺したのは次男。長男は1人の殺害に加わっただけ。
父、母は手はくだしていない。
父も母も長男も自分はやりたくないから次男に押し付けた、と。
捕まった時も母は次男が全てやって自分はしていない、と罪をなすりつけようとしていたらしい。
母として考えられない行為。
父、母、長男は動機はあった。恨みとか金銭とか。
でも次男に関しては動機がない。
ただ頼まれたから。
殺してくうちにそれが快感になっていったらしいけど。
そして当時私はその次男と何度も面会を重ねて話をしたというあるルポライターさんの記事を読んだ事あったんです。
今探してみたらその記事見つからなくて。
だからうろ覚えなんですが…
そこには「孝紘はこの家庭に生まれていなかったらこうはならなかったんじゃないか」とありました。
狂った家庭で育ち、善も悪も分からず、無知故に考え方が純粋で残酷。
このルポライターさんは孝紘と付き合いを重ねるうちに純粋な部分やあどけなさが見えてきた、と書いてあったように記憶しています。
彼の作品は刺青の和彫のような絵でした。
武者だったり唐獅子だったりが描かれていて
前年の死刑囚表現展で入場者からリクエストのあった「南総里見八犬伝」の作品もありました。
和彫風に国民的なアニメの絵もあったり。
あとタトゥーシールを自分で作ってました。
単純に最初の感想は「上手いなー」でした。
真剣に取り組まないと書けないほどに上手。
この方はもともと刺青に興味があったとか。
だからこんな絵を書くんですね。
自分は刺青を入れる前に捕まったから入ってないらしいです。
ちなみに井上姓は彫り師の方と養子縁組をしたからで、もともとは北村姓です。
私はタトゥーに関してはそんなに偏見ないので和彫が好きという事と事件とか犯罪はイコール(=)でみていません。
ほとんどが和彫絵だったんですが1つだけ書があって、そこには
「身は不自由 心は自由 人生まだ光有」
とありました。
それを見た時、当時読んだそのルポライターさんの記事を思い出したんです。
拘置所に入り初めて社会や常識を知る。
この人は拘置所に入って1から産まれ直している段階なのかな、と感じました。
まだ事件に対して向き合えてないかもだけど
この先にそれを感じれる希望はあるんじゃないのかな、と。
もちろんね、生い立ちがどうので許される事件ではないし
この一家、他にも子供がいたんです。詳しくは書きませんが。
でもその子は罪を犯してないわけだし。
だからこの次男が悪くない、って事じゃないのは大前提で。
あとこの方の作品は他にもパンフレット内に書があって、親への愛情が書かれてたり
自分の生まれてきた意味を探しているけどまたわからない、とあったり。
罪を擦りつけようとされたり、殺しをさせた親なのにそれでも親孝行したいと言ってるところとか、生まれてきた意味はなんだろうって向き合ってるとことか
ある意味純粋で、今育て直されている、と改めて感じてしまいました。
そう感じた事が合ってるのか合ってないのかも含めてこれからもこの人の作品を追っていきたいと思いました。