Vtuber業界の今後を考察してみる〈V屋のひとりごと〉 #4
V広場へようこそ。管理人のMottyです。
さて、今回は「Vtuber業界の今後はどうなるか」ということについて私なりに考察してみたいと思います。
なお、あらかじめお伝えしておきますが、今回の話は私の個人的意見に基づくものですので、そこはご了承下さい。
本日のお品書きは以下のようになっています。
現状
まず、今後の予想の前に現状はどうなっているのかについてお話したいと思います。
現状を大まかに二点に分けて言い表すとこうなります。
この二つはVtuber業界を観ているとひしひしと感じられることだと思います。一応それぞれについて軽く触れます。
①大手事務所への集中
これは明白でしょう。2024/07/06現在、登録者数が100万人超えのVtuberさんは延べ80名(海外勢含む)いらっしゃいますが、その内訳は以下のようになっています。
やはりホロライブ・にじさんじが圧倒的ですよね。二つの事務所だけで全体の過半数を占めています(なんならホロライブだけで過半数です)。これら二つの事務所が圧倒的に強い状態であるのは間違いないです。
ちなみに、個人事務所・個人勢(3)の内訳(敬称略)は
・キズナアイ
・キズナアイゲームチャンネル
・しぐれうい
であり、その他企業勢(3)の内訳は
・ゴールドシップ(ウマ娘)
・花譜
・あおぎり高校
となっています。いやどんなメンツやねん。
②shorts勢の躍進
続いてはshorts勢の躍進です。shortsで躍進した主なVtuberさん(敬称略)は
・あおぎり高校公式(2位)
・新兎わい(7位)
・甘狼このみ(44位)
などです(括弧内はVtuber総再生数ランキングの順位)。皆さんも今挙げたVtuberさんはshortsで何度か動画を見たことがあるのではないかと思います。
今挙げた方々だけでなく、大手事務所の方もshorts動画を活用されている方が多いです。やはりshortsの存在はVtuberを語る上で外せないものになるでしょう。
では、これらの情報を踏まえて今後の予想をしてみましょう。
予想Ⅰ:安定説
一つ目の予測は、安定説、つまりこのまま安定した状態が続くというものです。
実は今Vtuber業界のような二極集中状態は、かなり安定した状態だということができます。政治学では、二極集中は対立こそあるものの、大国同士がぶつかりあうリスクを回避することから、大規模な争いは起こりにくいと言われています。まあVtuberは別に対立しているわけでも何でもないんですが(あたりまえ体操)、パワーバランスという面で考えれば安定していると言えるでしょう。
実際、現在の二極集中状態が始まったのは今から3,4年ほど前のことですが、それまでが色んな人が出てくる不安定な状態であったのとは異なり、かなり長い間この状態が続いています(もちろんこの3,4年で色んな事がありましたが)。
ただ、安定しているということは裏を返せば変化がないということ。すなわち、新規の参入がしにくい状態になってしまう恐れがあり、いわゆる寡占状態になってしまう可能性もあります。
また、そもそも安定した状態がずっと続くということは少し考えづらいです。飽きが一気に襲ってきてファンが他のVtuberに移ってしまうという可能性もあるでしょう。
予想Ⅱ:政権交代説
二つ目の予測は政権交代説です。先程触れたように、現在はホロライブやにじさんじが「天下」を取っているわけですが、その「天下」を奪取する存在が今後現れる可能性も考えられます。
そもそも、先程触れたように、ホロライブ・にじさんじは最初からずっと強かったというわけではなく、それまでにも様々なVtuberさんが存在しました。詳細はここでは割愛しますが(というか詳しく語れる自信がありませんが)、少なくとも今の状態がデフォルトというわけでは全くないのです。
従って、新規事務所が急上昇してきて、一気に「天下」を奪取するという可能性は十分に考えられます。
ただ、この説はやや現実性に欠けます。理由は二つ。
一つ目は、現在「天下」を取っているホロライブやにじさんじの人気が下がる要因が考えにくいということです。事務所内で何かしらの不祥事や事件があったというなら話は別ですが、そうでもない限り両事務所の人気は衰えることはないでしょう。
いわゆる「アイドル部騒動」のようなものは、運営側が、ひいてはVtuber業界が未熟だったからこそ起きた事件だったと言えます。
アイドル部騒動の詳細はこちらをご覧下さい。
とはいえ、こういったことが再び起こる可能性もあるのではないか、という主張も一理あると思います。ある程度成熟してきたとはいえ、Vtuber業界自体が歴史の浅いものですし。こういったことが二度起きてもおかしくはないとも言えます。
また、単純に「飽きた」などの理由でファンが離れる可能性もあるのは確かです。
この予想が現実性に欠けるといえる理由二つ目。それは、今から一気にファンを持って行くほどの存在が現れるのかということです。
現在Vtuber業界はレッドオーシャンと呼ばれ、新たなVtuberが出てきては辞めていくを繰り返している状態です。いわば過飽和状態なわけですが、この状態から新たに事務所が出てくるというのは少し考えづらいです。
もちろん、独自のコンセプトを持った事務所であれば、今後も伸びる可能性はあると思いますが、そんな卓越したコンセプトを果たして作れるのかどうか。それは私には予想できないところです。
予想Ⅲ:ビックバン説
3つめの予想はビックバン説です。あ、天文学の話じゃないですよ。
つまり、Vtuber業界の常識を覆すような存在が彗星の如く(?)現れるのではないか、という予想です。世界史で言うと、ナポレオンとかコペルニクスみたいな存在ですね。
少し話は逸れて、アニメの歴史の話をしますが、アニメの歴史における「ビックバン」的存在の一つには『鬼滅の刃』が挙げられるでしょう。『鬼滅の刃』以前は、アニメが社会全体で話題になるということはほとんどありませんでした。『ワンピース』や『ドラゴンボール』のような伝説的アニメは別として、「流行りのアニメ」という概念自体が社会の中になかったように思います(アニオタの中ではありましたが)。
それが、『鬼滅の刃』以降は、『呪術廻戦』や『推しの子』など社会全体でブームになるようなアニメが現れるようになりました。そういう意味で、『鬼滅の刃』は歴史的に大きな価値を持つ作品だと私は思います。
そして、Vtuber業界でも同じような事が起こりうるのではないかというのが私の予想です。そして、さらに踏み込んで言うならば、ビックバンの起爆剤の一つとなり得るのはshortsなのではないかと思います。
shorts動画では、バズっている動画は自動的に多くの人のもとに流れてくる仕組みになっています。つまり、Vtuberに興味のない人でも、バズっている動画を見てVtuberに興味を持つようになる可能性があるということです。
ただ、この予想にも問題点はあります。
一つ目は予想Ⅱで触れた、新規参入の難しさをクリアできていないこと。
そして二つ目は、shorts動画の伸びに限界があるということです。
冒頭で触れたように、shorts動画でバズったVtuberさんは確かに存在します。しかし、それが必ずしも登録者につながるわけではありませんし(shorts動画はチャンネル登録につながりにくい)、そもそもshorts動画でバズるということは決して簡単なことではないのです。
事実、総再生数ランキングでは、確かにshorts勢が躍進を見せてはいたものの、大多数は配信勢(特に大手事務所勢)だったのです。
こういったことから、ビックバン説にも問題があると言えます。
予想Ⅳ:衰退説
最後は、あまり考えたくありませんが、Vtuber業界自体が衰退するというものです。
先程も触れましたが、Vtuber業界は既にレッドオーシャン状態であり、このまま何の変化もないとなると、このまま業界自体が縮小してしまうのではないか…と考えることもできます。Vtuber業界は歴史が10年ほどと浅く、まだ社会に完全に根を下ろせているとは言えません。そのため、業界が廃れてしまうという可能性も残念ながら捨てきれません。
もちろん、これに対して反論することは可能です。一番分かりやすいのは、Vtuberの独自性でしょう。
リアルのアイドルがライブや握手会などの限られた場面でしか対面できないのとは異なり、Vtuberは配信を見ることで、かなりの頻度で対面することができます(「対面」と言えるのかどうかは置いておいて)。やはり距離の近さは他にはないVtuber独自の魅力であり、それがある以上Vtuberには一定の需要が見込めるだろうと考えられます。
終わりに
ということで、今回はVtuber業界の今後を考察してみるというテーマで書いてみました。一応私個人の意見だということは注意していただきたいと思います。皆さんは今後どうなっていくと考えますか?是非コメント欄で意見をお寄せください。
それでは、また次のV広場でお会いしましょう。
Motty
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