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Vtuber紹介者が語る、Vtuberの難しさ6選 対策編 #6〈V屋のひとりごと〉


 V広場へようこそ。管理人のMottyです。
 さて、私が以前に上げたこの記事。


 「対策編を上げる!」と言ってはや3ヶ月(←そういうとこやぞ)。地球のはるか奥底に眠っていたこの記事を掘り出して、今回は対策編を書いていきたいと思います。
 一応前回の記事ありきの今回の記事になりますので、未読の方は前回の記事を先に読むことをおすすめします。

 本日のお品書きは以下のようになっています。


 ではどうぞ。


➀「そもそも見つけてもらえない」問題


 まずは「見つけてもらえない」問題について。

 Vtuberは現在配信を中心に活動されている方が多く、「Vtuberといえば配信」というイメージが定着しつつあります。そのため、Vtuberとして目指すべき最終着地点は「配信でそれなりに稼げるようになる」ことだと思われます(あくまで「今のところは」ですが)。
 ただ、配信はある程度まで行けば安定するものの、そこに行くまでにかなりのハードルがあります。そこをどうクリアしようかというのが今回の話です。

 結論を言うと、shortsを活用すべきだと思います。この回答が極めて安易であることは心得ていますが、私が言いたいのは、ただ活用するということだけではありません。

shortsを「ガチで」活用すべきだということです。

 Youtube shortsには動画・配信とはまた違った対策が求められます。
 一般に、動画では「開幕5秒で視聴者を引きつける必要がある」と言われているようですが、shortsはそれでは遅すぎます。開幕2秒で視聴者を引きつける必要があります。
 また、1分間の間に明確なオチを作る必要があり、そのための構成も考えなければなりません。

 まとめると、shortsを「ガチで」活用するとは、shortsを配信の片手間で運用するのではなく、shortsだけで戦えるくらいに企画・構成を凝ることです。

 色んな方の動画を見ている限り、これができているものは意外と少ないです。「チャンネルを伸ばすためにshortsを活用する」というのはありがちな作戦だと思いますが、それだけでは不足です。
 作る側が片手間で作ったものには、視聴者は興味を示してくれません。「ガチ」で作るということが求められているのだと思います。

 「そんなことをやっていたら配信の数が減ってしまうじゃないか!」と思われるかもしれませんが、個人的には最初はそれでいいと思っています。最初はshortsを多く投稿し、後から徐々に配信に移行するという形にできれば、前で触れた「配信でそれなりに稼げるようになる」という目標は達成できると思います。



②「「普通」はダメ」問題  
③「キャラ被り」問題


 前回の記事で、Vtuberには、というよりエンタメには(できれば複数の)ユニークさが必要だという話をしました。
 「そんなん言われても、自分は普通の人間なんだ!」と思ってしまうと思ってしまうかもしれません。しかし、それで別に問題ありません。

 そもそも、エンタメで成功している人が全員、義務教育を放棄してポケモンマスターを目指すサ〇シのような生き方をしているかと言えば、そうではありません。全員、皆と同じように小学校に通い、中学校に通い…という生活をしていた人たちです。

 でも、だからといって完全に平均的な人などいるでしょうか?おそらくどんな人でも平均から外れた能力を一つは持っていると思います。
 そして、ここが大事なのですが、それは必ずしも優れたものである必要はありません。

 例を挙げると、数年前にDIYが一世を風靡したことがありました。その時に「DIY歴20年が教える、本格的DIY!」みたいな動画も伸びていましたが、一方でDIY初心者がやる初心者DIY動画も伸びていたと思います。
 DIY初心者の強みは何か?それは、「DIYに詳しいこと」ではなく、逆に「DIYに詳しくないこと」です。

 このように、どんな人でもいくつかは広い意味での「強み」を持っているわけです。それをエンタメに生かさない手はありません。「ゲームが上手い」ということは無論武器になるでしょうが、「ゲームが下手」というのもやりようによっては武器になるのです。

 そして、もう一つの重要なことがあります。それは「見せ方」だと私は思います。

 例えば、私はびっくりするぐらいバドミントンができません。シャトルがラケットにあたらないんです。まったく、困ったものですよ。まあ、あまり生活に支障はないので良いんですが()
 そんな私が、バドミントンができないことを生かして動画を出したとしましょう。このとき、色んな見せ方が考えられると思います。

 その一。
「はい、本日はバドミントンをやっていきたいと思います。ああ、やっぱりできませんでした。はあ。やっぱり自分ダメだなあ。もう諦めました。ご視聴ありがとうございました」

 その二。
「はい、本日はバドミントンをやっていきたいと思います。では行きます。えい!…あれ?あたらないんだけど。私の緻密な物理計算によるとあたるはずなんだけどな。もう一回。もう!なんであたらへんねん!もうええわ!クッソ、もうこんな競技二度とやってやらんからなあ!ご視聴ありがとうございました」


 いかがでしょう。二つとも「バドミントンをやったができずに諦めた」という点においては同じです。ですが、この二つの決定的な違いは関西弁かどうか、いえ、そうではなくて、「見せ方」です。

 一つ目は、せっかく動画が見られても「ただバドミントンができないんだな」ということしか分かりません。さらに、ネガティブな発言をしているので、見ていてちょっと萎えてしまいます。

 それに対して、二つ目はまずトーク量が多い。無言でバドミントンをやるよりも、多く喋ってくれる方が盛り上がります。
 そして、そのトークの中で「かっこつけてるけどダサい奴」というキャラが明確に打ち出されています。そのダサさが動画の面白さの軸となってい流のです。

 このように、同じ事をやるだけでも面白さが全く違うということが起こりうるのです(そもそも企画がつまらないというのはご愛嬌)。

 私はその道の専門家ではないので、これに関して下手なことを言うのは控えますが、本屋に行ってみれば「人を引きつけるトーク力!」みたいな本は沢山売っていると思いますし、そういうのから勉強してみるというのも良いと思います。

 アドリブでそういう面白いことをやるのは難易度が高いですが、編集でごまかしがきく動画やshortsならまだなんとかなるはずです。

 まとめると、独創的なキャラを獲得するには
Ⅰ自分が他人と違う(優れている、劣っている、目立っている)部分をみつける
Ⅱそれを「見せ方」によってエンタメに昇華する
ということが必要だと思います。

 この二つをするにあたっては、センスは必要ありません。努力でカバーできる範囲です。

 もちろん、エンタメ分野には天才的なセンスを持った人はいますし、そういう人にかなわないこともあるでしょうが、センスある人の粗削りなエンタメより、センスがない人の丁寧なエンタメの方が良いということもあり得ます。
 キャラメイクにあたって参考になれば幸いです。



④「始まる前から差がある」問題


 4つ目。始まる前から差がある問題についてです。
 これについては、回答は一つ。

 諦めましょう。

 はーい、閉店ガラガラ。連載終了。俺たちの戦いはこれからだ!

 別にふざけているわけではなく、わりと本気で言っています。
 というのも、広報力や資金力といったことは、そもそも努力でどうこうできる範囲ではありません。もちろん、貯金でカバーできるならそれに越したことはありませんが、それでも一般人が集められるお金は限られています。

 ので、諦めましょう。潔いってかっこいいです、はい。

 そもそも、我々が戦うべきフィールドはそこではありません。資金力や知名度で対抗することは、いわば相手の土俵にわざわざ行って戦うということに他なりません。皆さんは吉田沙保里さんと戦うことになったときに、わざわざレスリングで戦いますか?私なら、まだ勝率の高いじゃんけんを選びます。怪我したくないですし。

 つまり、個人Vが活動していくにあたっては、多少の荒さ(機材が不足している、アバターの質が低い、編集の質が低いなど)には目をつむる必要があるということです。そういったことは、ある程度伸びてきた段階で修正すれば良いのです。今じゃなくていい。

 ので、繰返し言いますが、この点に関しては潔く諦めるべきです。「私は戦略的に撤退しているんだ」と自分に言い聞かせましょう。



⑤「切り抜きを作ってもらえない」問題


 続いて、切り抜きを作ってもらえない問題について。
 これも回答はシンプルです。

 諦めm(殴

 失礼しました。

切り抜きがないなら、自分で作ればいいじゃない。

 要するに、セルフ切り抜きを作ればいいということです。


 そもそも、配信は視聴のハードルが高い上に、エンタメを構成するのが難しいフィールドです。配信は生であることに魅力があるわけですが、そこでは編集によるごまかしが通用しません。
 ですので、④と被りますが、「エンタメのセンスがない」という自覚がある人は、わざわざ難易度の高い配信というフィールドで戦うべきではありません。戦ったところで負けは見えています。

 というわけで、強引に自分のフィールドに持ち込むということを考えます。その時に出てくるアイデアが、セルフ切り抜きを作る、というものです。

 ただ、当たり前ですが、ただテキトーに切り抜くのはNGです。②・③パートで言ったことを生かして、ちゃんとエンタメとして面白くなるように工夫しましょう。幸い、編集というマジックによって多少の拙さはごまかせます。カットはふんだんに使いましょう。

 また、①と組み合わせて、セルフ切り抜きをshortsで流すというのも一つの手かもしれません。もちろん、shorts用に再構成することは必要ですが。
 新兎わいさんは、それを上手く使って成功した代表例です。見たことがない方は、一度short動画を見てみてください。ちゃんとエンタメとして完結していることが分かるかと思います。


 セルフ切り抜きがあれば、⑤の問題は比較的マシにはなるかなと思います。



⑥「Youtube shortsの罠」問題


 続いてはYoutube shortsの罠問題。これは極めて難しい問題です。

 ①で「shortsを活用すべき」と言いましたが、ずっとshortで活動し続けるのはあまり良い戦略ではありません。なぜなら、それだけ寿命を縮めることにつながりかねないからです。
 ただ一方で、配信に移行したとしても、shortsで定着した視聴者が配信に来てくれるかは未知数です。この戦略が正しいのかどうかはなんとも言えないところです。

 じゃあどうすればいいのか?これに対する明確な回答は今のところ誰も出せていないように思います。

 一つの手として、⑤で挙げたセルフ切り抜きがあるでしょう。配信の切り抜きがバズることで、「本編も見たい」と思わせることができれば勝ちです。
 ただ、この手は見ている感じあまり有効とは言えないと私は思います。セルフ切り抜きがshortsでバズっている方のチャンネルも、本編への流入はあまり増えていないように思います。
 shortsでバズることだけを考えれば⑤は有効でしょうが、配信に誘導するための手段としてはあまり良くないということです。

 ではどうすればいいのか?

 これは結局、継続していくしかないのかな、と思います。
 配信を地道に続けつつ、なるべくクオリティを上げられるように構成やトークなどを工夫する。それの繰返し。
 地味かつハードな道のりです。

 結局、今配信で伸びている方は、大手事務所に所属しているというのもあるにはあるのですが、それ以上に長い間沢山努力を続けることができている方だと思います。
 大手だからという理由だけで配信が安定して伸びるほど、甘い世界ではないでしょう。沢山の努力の先に、今の彼女らがあるのだと思います。

 いわば、shorts動画というのは④問題での遅れを取り戻すための戦略です。つまり、バズったことによって初めて大手事務所勢と同じスタートラインに立ったのです。
本当にVtuberとして安定した活動をしていくのは、shortsが伸びて知名度を獲得した後からです

 ですので、とりあえず私個人の意見としては、
Ⅰshortsを使って知名度を確保:スタートラインに立つ
Ⅱ地道に努力をして配信を軌道に乗せる
という二つが必要になってくるのかな、と思います。

 別のアイデアとして、shortsでバズった後に配信ではなく動画に移行する、というのもあります。これは前例があまりないので上手くいくかはなんとも言えませんが、shorts→配信よりもshorts→動画の方がハードルが低いのは確かだと思います。
 もし動画勢として活動していきたいのであれば、そういう手もありかもしれません。



おわりに


 最後に、この記事で一番大事なことを言いたいと思います。それは、結局のところ、バズった状態がずっと続くということはない、ということです。盛者必衰というやつで、どれだけバズっても、いつかその盛り上がりは落ち着きます。

 ですので、「ずっとバズった状態でいる」ということを目標にするのはやめましょう。無理なので。
 目標はあくまで、「安定した状態にいる」ことにしましょう。安定した状態を保つことも十分難しいです。どうしても安定させられなくて「オワコン」になってしまうことが多い中で、安定して数を保っている人は本当にすごいと思います。

 これが、今回の記事で一番大事なことだと私は思います。

 ということで、今回はVtuber界で生き残るための「弱者の戦略」をお話してきました。この記事に満足していただけた方は、できれば前回の記事も読んでみてください。

 ということで、また次のV広場でお会いしましょう。

Motty

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