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下ネタとわたし【ゆるエッセイ】
下ネタ、好きですか。
俺にとって下ネタは、コミュニケーションツールです。
というのも、俺、下ネタ言うのきらいなんですよ。品がないことを言うのがそもそもとして苦手です。聞くのは好き。
だから、下ネタは完全に「相手のために」やるリップサービスのようなものだと考えています。
いやいや。別にやってほしくないよ。そんな声が聞こえてきます。
そうですよね。別に下ネタ聞きたくない人もいっぱいいます。今、非常に身勝手極まりない発言をしました。撤回し、考え直します。
じゃあ、下ネタ聞きたいかどうかわからない相手と話すときに、自分は何のために下ネタを使うのか(もちろん、TPOはわきまえているつもりですが)。
うーん……。
あるいは、自分の印象を軽薄にしたいからかもしれません。
俺にとっての下ネタはリストカットやオーバードーズと同じで、自分の尊厳を傷つけて満足するための行為なのかもしれない。キショ。
世の中の心が辛い人たち、みんな下ネタ自傷法ちょっとやってみてほしい。面白いから。
下ネタ自傷法。かっこよく言ってみましょうか。
10分考えましたが、セクシャルハラスメントしか思いつきませんでした。
ああ、でも、あくまで傷つけていいのは自分だけですよね。
他人を傷つけない、セクハラにならない下ネタ(だと自分では信じている)を選ぶことは本当に大切ですね。
気をつけたい、そこの線引きはすごく大事だから。
……で、俺はそういう理由から日々SNSを中心に下ネタを連呼してます。
だけど、それは本当に自傷行為として成立しているのだろうか?いますごいひまなんで、検証してみましょうか。
例えば、AさんとBさん、二人の架空の人物がいます。二人のSNSを取り上げ、印象を見てみましょう。
AさんのSNSでは、毎日自炊した写真、ときには外食をした写真が中心として彩られています。
仕事への不安や、ときに不甲斐ない自分への叱咤激励なども呟かれます。関係ないですが、SNS=Twitter(X)だとすぐ思ってしまうのってほんとうに不甲斐ないですよね。それに対して同僚やリア友から慰めの言葉などがコメントされ、それは普段のAさんの人柄が善良だからこそ寄せられているのだな、と見る人は感じることでしょう。
一方で、Bさんの固定ツイートは、
『チンポ、インポ、さんぽ、インポ。縦に並べると頭文字は「ちいさい」』
です。誰かとネタ被りしていたら本当にすみません。今考えました。
毎日決まって投稿している画像は、夏井い○き先生の俳句添削画像を使った下ネタ大喜利。最新の投稿は、
無礼だろ
「チンポ」のポの字
謝罪しろ
恥ずかしいのか
「チンコ」と云うのが
これに夏井先生が「あっぱれ!」とコメントをしているクソコラです。
アカウント名は『ちんぽよ』。由来についてBさんは「若者言葉で『ぽよ』という意味のない言葉がある。テンションが高い状態をなんとなく指している言葉のようなので、ちんちんのテンションが高い状態、すなわちボッキ状態をちんぽよと表した。嘘、本当は適当につけた』とツイート(ポスト)しています。
フォロワーから寄せられるリプライ欄も、各々がボケたいだけの支離滅裂なものばかり。それは普段のBさんの行いがカスだからこそ寄せられているのだな、と見る人は感じることでしょう。
……いかがでしょうか。やはり、下ネタというものはその発信者の品位を落としますね。まさしく自傷行為にうってつけ、ではないでしょうか。
皆さん、自傷行為って、どうしてもしたくなったら、しても大丈夫なんですよ。
それをすることで、あなたはあなたのなかの大切なものを守っている。それは誰からも責められるものじゃない。あなたが自力で、必死に、真剣に自分を守ろうとしているその行為は当然、悪なんかじゃない。
ただ、いつもの自傷行為として、自分の身体を傷つける選択肢しか持っていないよ、という方は、この『精神と名誉を著しく傷つける、下ネタ自傷法』もぜひ試してみてください。
なにかを発信することで、誰かの心にその下ネタが、あなたのヘルプサインが届くかもしれない。
そして、もしかしたら、未来のアルファツイッタラー(死語)は、あなたかもしれない───。