見出し画像

ブーイングは必要か?

 少しタイムリーな話を書こうかな、と思います。2023.06.11、J2リーグ ベガルタ仙台VSジュビロ磐田の試合を見ていました。

 まず最初に、あのゴールパフォーマンスには、私は反対です。いかなる理由であっても、報復行為は許されないためです。その前提が覆ると、あらゆるスポーツは機能不全に陥ります。

 さて、この試合では、ブーイングが一つの問題となりました。この試合が現実としてどうだったのかは、DAZN観戦だった私にはまったくわかりませんので、ここでは、サッカーというスポーツにおいてブーイングが機能するのか? といったところに注目してみたいと思います。

 ブーイングの目的は、対象が誰か、によって変わると思います。相手チームであれば、時間稼ぎ、挑発的な行為、危険なファール、といったものに対する批判など。また、プレッシャをかける意味もあるでしょう。審判団であれば、判定に対する不満くらいでしょうか。自チームの場合は、勝利できなかったことに対して、ということがメインとなるでしょう。叱咤激励、というものもありそうですし、経営陣に対してのものもあるようです。

 個人的には、ブーイングは好きではありません。ジュビロのサポータがブーイングをすることも大嫌いです。「それを含めてサッカー」「海外では当たり前」というのは、(私が)容認する理由とはなり得ません。スタジアムに行きたくない大きな理由も、これになります。人間の持つ攻撃性を見るのは、ピッチの上だけで十分です。もちろん、ブーイングは法律違反ではないので、自由ではあると思います。

 上記に挙げた目的は、スポーツ特有のものでしょうか。他にもされている場面があるかもしれませんが、少なくとも、私の勤めている会社では見られませんし、生活していても起こりません。つまり、非日常的な行為ではないか、と言えます。

 相手チームに対するブーイングには、相手に対する恐れからくるものがあるかもしれません。しかし、ブーイングである必要はありません。野次などと同レベルだ、と私は思います。不必要に攻撃性を煽るようなやり方は、例えば軍鶏のオス同士を競い合わせるようなものだ、と思います。なんの意味もない、煽ること自体を面白がっている行為です。

 自チームに対して行うものとしては、以前書いたように、サッカーというものに入れ込み過ぎている、というのが根底原因だと思います。サッカー観戦者が思い入れが強すぎるために起こる、攻撃性の暴走と言えるのではないでしょうか。ブーイングされて奮起する、というメカニズムが、人類の80%に当てはまるのなら、もしかしたら合理的なのかもしれませんが。

 審判に対するものは、おこなう意味はありません。判定が覆ることもないし、心象は悪くなる一方です。同様に、審判に詰め寄る選手の行動も批判されるべきです。それであれば、審判が選手に暴言を吐いても良いことになり、最初に述べた、スポーツの基本的な考え方から逸脱してしまいます。

 こうして考えると、ブーイングに対する効果が果たしてあるのか、このままでは結論が出にくいような気がします。少なくとも、明確な効果はありません。ブーイングによって勝率が上がった、というデータは見つけられませんでした。

 もしかしたら、国内・海外のクラブのサポータで、ブーイングをしないことを方針としているチームがあるかもしれません。そうしたチームの過去の成績を見てみると、わかるかもしれません。「効果がわからないから、とりあえずしておく」というのは、科学的ではないように思えます。

 スポーツ選手に品行方正を求める方が難しいのでしょうか? ですが、「RESPECT」という考えが根底にあるようなので、そこは求めてしかるべきでしょう。当然、サポータに対しても。不必要に相手に突っかかっていく、不要に手を出す、口を出す。選手を怒鳴りつける、バスを囲む。こうした行為は全て、批判されるべきです。当然、試合後のSNSでの口論など、問題外です。

 スポーツの持つ攻撃性が、正しい方向に行くことを願っています。

 

いいなと思ったら応援しよう!