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ダイヤモンドは砕けない
バーネットの少女文学「小公女」では、主人公の御父上はダイヤモンド鉱山の事業に携わっていた、というのが小さい頃からずっと印象に残っていた。ダイヤモンド鉱山とは、さぞや山自体がキラキラしているのだろうと。
そしてデビアスのキャッチコピー"A Diamond is forever"の日本語版「ダイヤモンドは永遠の輝き」が、時代を超えて秀逸だと思っている。
ここからはただの働く庶民が一粒ダイヤのシンプルなピアスが欲しくて、ある日するっと良いものが見つかって買った、なんてことのない記録
序
シンプルなモノトーンファッションにジュエリーを取り入れるのが大好き。幸い、勤め先が服装にうるさくないので毎日コーディネートを考えるのが楽しい。20代の頃からちょこちょこ集めていたけど、40代になって思うのは結局定番デザインで質の良いジュエリーが活躍するということ。
一粒ダイヤモンドのピアスはかなり前から欲しいと思っていたが、何となくタイミングを逃していた。そうこうするうちに、祖母から年代物のダイヤのイヤリングとネックレスを譲り受けたのでどちらもリフォームした。イヤリングは枠を活かしてピアスに、ネックレスは覆輪留めに。どちらも白く輝くダイヤモンドで、きっと良いものなのだと思う。
ピアスにしたものは、ダイヤ自体は控えめで大きさ的には0.1ctほどか。雪の結晶のような大きめの爪をそのまま活かした。
祖父から祖母へのプレゼントを受け継いだので、頑張ったり大事なことがある時のお守り代わりにしている。
このピアスについてはかなり控えめなので、フォーマルからカジュアルまでクラスアップさせてくれる大きめの一粒ダイヤもやはり欲しいところ。そんなわけでちょこちょこ探していた。
しかしジュエリーが軒並み値上がりし、宝飾ブランドだと手が届かない金額になってきた。ジュエリー問屋街の御徒町で探すか、ネット通販で買ってみようかとずっと迷っていた。金額的には40〜50万出せば片耳0.2〜0.3ctくらい買えるかなという算段。
気軽な下見
ある日、香水やジュエリーが好きで趣味が合う年下の友人と出かけることになったので、ついでに一緒に下見することに。
百貨店①のジュエリーフロアで、ノーブランドの片耳0.2ctが30万円弱。そんなところだよね。お店のお姉さんも快く色々見せてくれた。
一粒ダイヤを探していたのに、モーブッサンの星形ピアスが素敵で見惚れる。これも欲しいと欲望が止まらない。うっかりビギナーズラックで競馬なんかで大当たりしないかな(馬券買ったことはないのだが)
余談だが後日、夫はモーブッサンと聞いて「何かの商社かな」と思ったらしい。勝手に漢字をあてると「孟物産」的な?ブッサン=物産か...
グランサンクのはずだがまぁ好きな人以外は知らないよね...
続下見:某メゾンにて
違うフロアで某メゾンをチラ見する。
というのもこちらのダイヤモンドリングを持っていて、光り方がとても美しいのだ。キラキラと華やかな虹色に輝くので、仕事で辛い時も輝く手元を見ると励まされる。
私は虹色系のダイヤが好きなのでピアスも見せてもらうことに。
当然こちらはそれなりのメゾンなので、欲しい大きさでは80万前後となかなかパンチがある。どこも値上がりしてるしね...
価格に怯んで一度離脱。
予期せぬ出会い
さて、百貨店②へ。こちらはジュエリーフロアが充実している。そして、お値下げコーナーのダイヤモンドピアスが0.3ctで20〜30万の値札であることに驚く。二人で「これはかなりアツいね」と興奮してクールダウンすべくフロア内をウロウロしたが、先ほどのコーナーの品揃えが豊富で戻る。
と、お店のおじさまが試着もできますよと声をかけてくれたのでお願いした。価格的には予算の半分に収まるではないか...
いくつか着け比べて、私は割と大柄で耳もしっかり大きいため、片耳0.2ctだと物足りないことがわかった。0.3ctがデイリーに使えて、適度に華やかさも演出できそう。
ここで友人がショーケースにある、より輝きが良さそうな商品に気づいてくれた。私は大雑把なので気にしてなかったが、カラーやカットをしっかりチェックしてくれていたようだ。
改めてこちらを試着すると、何ともいい虹色に輝く個体で、カットのグレードがexcellentだった。
遠目に見ても輝きが強く、存在感がしっかりとある。このダイヤモンドは、私を待っていてくれたのでは?と思ったほど。
下見のつもりだったけど、価格も輝きも申し分なく、また出会えるかわからない。
一瞬考えて、するっと「こちらを買います」と言った。おじさまも、こんなにすぐ買うとは思わなかっただろう。
鑑定書も付くそうで、アフターケアについても老舗百貨店なので万全。
かくして私はずっと悩んでいた一粒ダイヤモンドのピアスを手に入れた。
後日談
色々なタイミングが良くて、ご縁があったとしか思えない。
同行の友人がダイヤモンドのカラーやカットに詳しかったこと。そして彼女にも客観的に見て「これはいいと思う」と太鼓判を押してもらえたこと。
下見として、事前に百貨店①や某メゾンでも価格感などをかなりチェックできたこと。
ダイヤモンドには白く優美な輝きと、虹色に強く輝くタイプがある。私は虹色ダイヤが好きで、輝きが強い方が実際の体型や顔立ち、耳の大きさに合うと思う。ついでに耳たぶも厚いのだ。
ほっそり華奢で耳が小さめの上品な友人には、前者の優美なダイヤが似合う。こればかりはやっぱり試着しないとわからないから、ジュエリーは遠慮なく試すべきだと再認識。
ダイヤモンドピアスは2024年の思い出に残る買い物となった。
何より、同行してくれた友人に心からの感謝!