ウィルス学者の責任を読む

世の中で大多数が正しいと思っていることと 真実は違っていることがあります。

読書は まだ自分にとって未知なる世界への導き手です。

京都大学準教授の宮沢孝幸先生のお名前は ツイッターで知ってはいたけれども 書かれた本を読むのは初めてです。

PHP選書からの「ウィルス学者の責任」
ウィルスや研究の話は 私にはよく分からないがp182にある こんな話に宮沢先生の人柄が偲ばれて楽しくなりました。

長年自分の研究室を運営してきた私には、独特の組織論があります。「ダメな人を大事にする組織が、よい組織」というものです。     研究室のボスの中には、学生のことを「あいつはダメだ」と言って切り捨てようとする人がいます。私は逆に、ダメな人と言われる学生ほど、大事にしています。                         他の先生からは、「なんで、そんなダメな学生をかばい、時間をかけるの?」と言われますが、その人がいるから組織はよくなるというのが私の考え方です。                                  どんな組織も構成メンバーは均一ではありません。できる人もいればできない人もいる。できる人ができない人を見下したり、馬鹿にしたりすると できない人が萎縮してしまいます。それだけならまだいいですが、できる人ができない人をいじめたりすると、組織の雰囲気が非常に悪くなります。できない人は辞めていき、殺伐とした毎日になっていきます。                                                                 私は大学学部5年生くらいから、グループリーダーを任されて、組織をずっとオーガナイズしてきました。運営がうまくいかず、組織が空中分解した失敗を何度も経験しています。

ーウィルス学者の責任ー

その経験から学んだことは、組織にはダメな人もいなければいけないということです。
ダメな人がいじめられることなく、組織内に居場所があることによって、他の人たちの心が和らぎ、組織が平和になることを実感しました。                                                                     よく 会社内で仕事が抜群にできる人たちが独立して外車を作るケースがありますが、たいていはうまくいかないと聞きます。仕事のできる人だけでは、組織は成り立たないのでしょう。                                                                 強い組織というのは、仕事の実績が上げられない人も、ニコニコしながら働いている組織ではないかと思います。…

ーウィルス学者の責任ー

専門的なことは何も知らない私でも、宮沢先生のウィルスの研究者としての考え方や 組織論についての考え方に とても学べることの多い著作だと思います。

強い組織というのは 仕事の実績が上げられない人も、ニコニコしながら働いている組織


もちろん この言葉に甘えて ダメ出し出されるばかりの仕事をしちゃいけないんですけれども、なんだかホッとします。

こんな人間味が 批判の中で苦しんでも、おかしいと思うものはおかしいと率直に言える心の柔軟さを作っているのかなぁと 思います。


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