生老病死の四苦から医療を考える


「死ぬまで抗がん剤治療を続けないといけないのか」

この質問に答えているは腫瘍内科医の押川医師です。

2018年に癌が見つかったときに この医師の方がチャットで多くの患者さんに直接答えている動画などを見て勉強したことがあります。

標準治療がエビデンスに基づく最高の治療だということを話されており 民間の代替医療には疑問を持たれています。


私は この方と正反対の意見を持つ 細川医師の方の動画を両方見ておりました。

その考え方の違いがどこから来るのか

自分にとってどちらの考えを採用すべきなのかということです。

この押川医師への質問者は70歳の女性の方のようですが、副作用の強い抗がん剤と一生付き合っていかねばならないのかと

うつ状態になられているようです。

押川医師は ケモホリディーという休薬期間や医師へ減薬を頼むなどで 薬や病気と上手に向き合いながら 治療を続けることをいつも話されているようです。

私は 大腸がんが見つかり手術した際にリンパ節転移があり 術後の化学療法、抗がん剤治療を勧められましたが 抗がん剤治療は断りました。

断るのには勇気がいりました。
癌治療などの相談にのる専門の看護士さんには (病気とは)永く付き合っていくつもりですと話したときに あなたが思っているほど長くはないかもしれませんよと 抗がん剤治療を拒否することで 長期生存が見込まれないかもしれないという言葉に少なからずショックを受けましたが…😅

医療者が良いものだ信じてお勧めしてくださる治療を断るのには 力がいるのです。

その1年半後に 肺に転移していることが分かり肺の手術

さらにその10か月後にもまた肺への転移が見つかり手術をしました。

3回目の手術の後にも 執刀医の先生が病室に来られて 抗がん剤の治療を勧められました。

そのときに 答えたのは
子供も成人しているので
子供に対する責任は
今はないので
もし 死に至ることがあっても
命が短くなるのは
止むを得ないと思う。

痛みや苦痛は緩和してもらいたいので
その治療だけは継続を希望したい。

抗がん剤治療は延々と続くが
かなり高額であり
高額療養費還付制度を使っても
負担が大きい上に
治らないのに延々と使い続ける抗がん剤薬
の費用は 莫大になっている。
若くて責任の大きい世代や
子育て世代なら
それだけのお金をかけて命を延ばす
ことは必要だと思うが
私には必要だと思わない。

肉体が死んでも永遠の生命の世界があると
信じているので


と伝えました。

その話をしましたら 医師の方は納得してくださいました。

新しい抗がん剤が出ると金額に関係なく
それを試して診たいとされる高齢者の方も多いのだそうです。医師としては無駄だと思っていても 患者が願うものを断ることもなかなかできないということも 漏らされました。


こうした治療は 結局は死生観の問題に
直面してくるように思います。

死後 いったいどうなってしまうのかわからない状態では 死を受け入れることはなかなか難しいのだと思います。


生まれてくる苦しみ
老いる苦しみ
病になる苦しみ
死ぬこと死への恐怖という苦しみ

この
生老病死の四つの苦しみから人は逃れることはできない。と釈尊は2600年前に説かれましたが 医学が進んでもその事は変わらないのです。

その当たり前のことを 私たちは忘れてしまっています。
健康や生命が永遠に続くと思っている。

けれどこの世で恒常なるものは
何ひとつなく諸行無常です。


モリヨ先生の意見はいつも辛口ではないかとありますが、日本人が失ってしまった死に向き合う覚悟というものを思い起こさせてくれます。



国家予算の半分が医療費だというのはおかしいのです。

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