ティンダー10人目/漫画家になりたい男
私は下ネタを話すのが好きだ。
いや、好きなのかな。普通の会話の中で恥じらいなく、普通にさらりと喋ってしまう。
私自身決して下ネタとかそう言う事いうようには見えないらしい。
こういう事(不倫)してるようには見えないらしい。
「そうであって欲しいよね、そうじゃないんだとしてもね」
賢者モードの男は夕日を眺めながらこう喋った。
つまり私には清純でいて欲しいらしい。
彼がこんなに黄昏れてるのは、さっき多目的トイレでフェラして抜いたからだ。
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フェラでイッた事ないんだよね。
へぇー、じゃあ試してみます?
こんな軽いやり取りで会う事になった。
たろうさんを引きずるイカれポンチ期。
いつも通りカラオケでまず会う事に。
私が先に入って歌ってると、コンコンとノックし
彼が入ってきた。
私が今日与えられてる時間は2時間。
いつも通りの流れでビールとレモンサワーで乾杯。
カラオケルームの前を店員さんが行ったり来たりする。ここでフェラを致す事に抵抗のあった男。見られてるかもしれないじゃん、って。
場所を変えて、
バスターミナルの多目的トイレに入ることに。
男はトイレでズボンを脱ぐと勃起していた。
私は顎が疲れたけど、"抜けます"と豪語してしまったからには最後までやり遂げないといけない。(なんの義務感)
口に出され、ごっくんすると男は満足そうだった。生まれて初めてフェラでイッたらしい。
彼はティンダーは陰キャがやるもんじゃん?と何度も言った。そのせいか
その日の日記に"元イケメン。性格悪い"と書いたのは覚えている。
しばらくして、忘れた頃にまたティンダーでマッチした。アカウント新しくしたんですねー。って。
何の感情も沸かない。
私がティンダー日記を書いている事をチラッと話すと
読んでみたい、となった。
彼は私の日記の読者第一号になった。
私の日記を見せる代わりに、私は彼の漫画を見せてもらう事に。
(漫画といっても、デッサンの基礎、みたいな本を模写し始めているだけで、ストーリーとかではなかった)
彼は漫画とかに興味なさそうな今っぽい風貌で漫画と彼がイコールにならなかったから、最初不思議だったけど、文房具屋さんでスターターキットみたいなのを買ってきて毎日頑張ってるらしい。
しばらく見せ合う不思議な関係は続いた。
私の日記は面白いらしく、
彼は特に靴職人の話を気に入っていた。
ウダウダ長く書いたたろうさんのエピソードが続くと、だんだんと返事はなくなり、
気づいたらラインをブロックされていた。
2020年
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これで一通り書いた。
2019年から2024年。
と思ったら17人目が抜けていたのと、
なんと私はあと10人分エピソードを持っている。(振り返ってみた)
例えば45人目さんは実は55人目だったという。
いや、どんだけ会ってるねん。
noteやってて最近はダイレクトにキツイ感想もらう事が続いた。
この日記は大っぴらに見せるものじゃない事はわかってる。
文章が書きたいなら、いっそ最初から猫日記とか
子育て日記とかそういう無難なもの書いていれば良かった、と思う自分もいつつ、
私ははみ出しモノなのでやはり同じ道を辿るのだろう。
たぶん。