ティンダー45人目/スタイリストの男〜終②
私は彼と初めてエッチした時、
今まで約50人と会ってきた経験から直感が働いた。
まず男の人でパイパンにしてる→相当遊んできてる
そしてセックスの仕方がたろうさんとそっくりだった。女慣れしてるセックス。
だから私は初めてセックスした時、
45さんに「経験人数は何人くらい?」と聞いたのだった。
たぶん彼は数えきれないのだろう。
曖昧に濁して答えていた。
そんな彼が浮気してる様子が安易に想像出来た。
いや、浮気とも思ってない。
そして、私の事は「だるい」と思ってる。
ただ面倒ごとが嫌いなので、自分から切る勇気がないだけなのだ。
私は胃が痛くなり吐きそうになった。
私がしゃぶりついていたおちんちんは、
知らない女の人の膣を出たり入ったりしてた訳だ。
1週間で3キロ近く痩せた。
眠れない、食べれない。
精神的にもう限界だった。
占い師に「別れ話をするならいつがいいか」を聞いた。
11日ならラインを読んでもらえそう、
という事で、私はその日を待った。
胃薬を飲みながら。
彼の写真をスマホから消し、貰ったプレゼントは全て処分した。
そして11日。
腹を括ってラインする。
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👩🎓:お疲れ様です
👱♂️:お疲れ様です〜
👩🎓:検査結果聞きに行った?
👱♂️: 行ったよー。
すべて陰性だった。
👩🎓:そうか。そしたら私が疑わしいという事になってしまうね...私自身本当に45さんとしかしてなくて心たりがなくて。
もうこの事で白黒つけるのは難しいのかなと思ってる。
👱♂️: 俺に後ろめたいものがあったらまだわかるんだけど、しゅふちゃんもわざわざこんなんで嘘つかないだろうし、本当に心たりがないからしゅふちゃんが病気になったのがまったく
わかんなくて、とても困惑してる。
👩🎓:私も困惑してるよ。もう、この状況が続くのがメンタルが持たない。
もう45さんとと会うのは難しい
かなと思ってる。
そもそも私が既婚で、45さんがしてないとしても他の人と会ってる事を責められる関係ではない。
👱♂️: 陰性とは言ってもうっすら菌を持ってることもあるらしいし、もともと感染してて長いこと発症してなかっただけということもあるらしいし、それを考えたらお互いに可能性はゼロじゃないのかなとも思うので、まあこれは仕方ないかなと思ってる。
👩🎓: …45さんは、私と今後も会いたいと思う?
👱♂️: わりとずっと会いたいと思い続けてきたけど、noteを読んでると俺に会うたびに noteに不満を書いてるのを目にしてしまうので、連絡取るのも躊躇うようになってきてるし、毎回そんなふうに思われるくらいなら、もう会わない方がいいなとは思ってる。
👩🎓: note、教えなければ良かった…
👱♂️: でも、あれが本音なんだから仕方ないよ。
気持ちを隠したところで続かないし。
👩🎓:そうだね…
私みたいな人間に、今まで付き合ってくれてありがとう
展示の機会も与えてくれてありがとう
本当に好きだったよ、
これからもお仕事頑張って、体に気をつけてね
お互いに前を向いて進めますよう
に。
さよなら、元気でね。
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最後の部分は既読にならなかった。
未読スルー。
私はnoteにありのままを書いてきただけで、
彼についての不満は書いてきたつもりはなかった。でも受け取り方でそう思うなら、
今回の性病の件がなくても遅かれ早かれ
こういう結末になっていたのだ。
ジムの先生に、メンタルをやられてる、
ごはんが食べれなくて…
と話す。
何があったんすか?
いや、飲み屋とかじゃないと話せないですよ…
というやり取りをしばらくしてから、
まぁ引いちゃうかもしれないけど、こういう事がありまして…と打ち明ける。
👩🎓:男の人の気持ちがわからないんですよね。
未読スルーしたというのは、
あー面倒、と思ったからなのか
プライドが傷ついたのか。
🙎♂️:うーん両方かもしれないし…
あとは普通に考えると、他に女がいるんじゃないですかね。わからないけど。
という事だった。
私には今穴開けパンチで開けたみたいに大きな穴が空いている。
でも別れを告げてから眠れるようになり、
やっと解放されたとホッとしている自分もいる。
翌日カーテンを開けると、心に空いた穴に光が差し込んでいくのを感じた。
穴が開いても生きていける。
別れ方がさすがTinderだなって感じだけど。
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8月の某日。
私は展示で落ち込んだ足で、バーに向かった。
その日、その時間、
バーにはマスターと私しかいなかった。
私は身の上話をした。
実は今不倫してる、と。
マスターは俺だったら結婚してる人には絶対手を出さないですけどね、と何度も言った。
もし付き合うなら、ちゃんとその人が離婚してからですね、と。
そして45さんの事を最低だと罵りながら、
🧔♂️:その人のどこが好きなんですか?
とふと聞いてきた。
👩🎓:うーんと…
顔と…笑顔。
私は45さんについてそれしか好きな所が出てこなかった。
結局、彼がどんな性格で、
どんな人間だったのか。
私には全くわからなかった。
終