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雑文

雨が降ってるけど涼しくはなく、蒸し暑い一日だった。

前を歩いてる高校生くらいの女の子の傘の骨が一本飛び出していて、
私はそれに突き刺ささりそうになるのを必死に避けながらスーパーに向かった。


出来れば人に会いたくない。


私はいつからかわからないけど、スーパーのレジでお釣りをもらう時に手が震えてしまうようになった。

ホンタイセイシンセン、というらしい。

バセドウ病とか色々ビョーインで調べた事もあったけど
結局は薬でごまかすしか方法はないみたいだ。


私の父も同じ病気で、書痙といって
人前で書く時に手が震える。

それを避けるために結婚式やお葬式では
母が代筆するようになった。


そんな家系的な遺伝もあるので、
治そうという事にこだわるのはやめた。


しかし外に出るのは億劫だった。

夕方、街行く人はリラックスしていて
自分とは違う時間の流れを感じた。


今スーパーはほぼセルフレジになったので
問題なくなったけど、
今日はどうしても文房具店で買い物をしなければならない。

やっぱりお釣りをもらう時手が震えてしまった。

どうしたらいいんだろう。

ふと、私は楊貴妃、という言葉が降りてきた。

本当に意味わからないけど、その一言でしゃなりしゃなりと歩くようになり、人混みの中少しだけ
自信を持って歩けるようになった。


何かになりきる、というのが大事らしい。


ひょっとしてみんな何かになりきって生きてるのだろうか。

そんな私の顔は、いつの間にか死んだおばあちゃんそっくりになってきている。


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