一年のはじまりとタビノネのはじまり
明けました!
2024年は個人的なこともいろいろありそうですが、時は遡って2023年4月からはじまったタビノネのその前段と、タビノネのはじまりについて少し書き残そうかなと思います。
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仲地へ引っ越す前の学童。
目の前に海、はての浜、裏には山とグスク。
細部に工夫のある大きな建物に、たくさんの本。
自然と本に囲まれた学童でした。
いつも島内外の人たちが訪れて
自然に新しい出会いが生まれる
それはそれは可能性たっぷりな場所でした。
だけれども
いろいろあって
その場所は使えなくなり
引っ越しすることになりました。
完全に大人の事情です。
2022年年末のことです。
子どもたちにとっては急転直下のできごとで
自分たちが育ててきた愛着のある場所から離れなければいけない。
子どもたちには
「この場所が使えない」
と決定した状態で伝えなければなく
思い返してもきついできごとです…うう…
保護者の皆さんももちろんですが、子どもたちからもたくさんの不安や心配の声が寄せられました。
そんな中
ある一年生がこのことを両親から聞き
翌日に僕のところへ駆け寄って来ました。
普段は自分の気持ちを伝えることがとてーも少ない子です。
僕や一緒に働く仲間の中には
「学童があの子にとって本当にいい場所になってるのだろうか…」
と不安や焦りのようなものもありました。
そんな子が血相を変えて言いました。
「たーこー大変だよ!来年ここ使えなくなっちゃうんだって!!!!」
その子は、僕がこの事態を知らないんじゃないかと心配して伝えに来てくれたのでした。なんと優しいのか。
「うん、そうなんだよ…」
と僕も使えなくなることを知っていると伝えると
「あ、たーこーも知っていたんだ…」
と安心と寂しさの混ざった顔をしました。
その後僕は「寂しいよなー…」と言い
次の言葉をしばらく探していると
「ピキピキピキピキ…パリン。心が割れる。」
その子は手のジェスチャーを加えながら
涙を浮かべてそう伝えてきたのでした。
それはその子にとって
学童という場所が
学校でも家でもない
だけど「自分の場所のひとつ」
になってきていることを
僕に理解させ
子どもたちに不安や喪失感
悲しさを抱かせている大人の責任を
これでもかと痛感させたのでした。
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たくさんの感情が動いた2022〜2023年。
大急ぎで場所を探し、ありがたいことに素敵な場所に出会えた、2023年1月。
「あとは名前も変えて再出発だ。」
赤瓦の家だし、赤瓦を名前に使うか…
仲地という場所だし、仲地を使うか?
全く関係ないスペイン語か?!
旅っていいよなー
旅する学童?…いや、皮肉すぎるか??
なーんて
ぐるぐるぐるぐる考えては定まらず、
いよいよ「入会のしおり」をリリース
しなきゃいけない期限が迫る、2023年2月。
地域に根を張り、どしっと安心して挑戦できる場所にしたい。ホッと落ち着けて平凡な日常を愛する場所にしたい。だけれど旅のようなドキドキや出会い、非日常もたのしみたい。落ち着く場所や根っこがあるからこそ少し背伸びも挑戦もできちゃうし。そしてそんな日常も非日常も「あのね〜」と話したくなる場所にしたい。言いやすさも重要かな…?ふむふむふむ…
そんな点と点がつながって
【 タビノネ 】
が生まれました。
「旅の根」「旅の音」「あのね」がキーワードになる放課後居場所のスタートです。
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子どもたちを置いてけぼりにしてしまったあの時から1年が経ちました…。
引越し、公民館間借り保育、断水停電も諸々経て、どうにか今は来年度の募集も開始しています。
子どもたちがのびのび育つために僕たちにできることはなんだろうかと年の始めも模索しつつ…
2024年もどうぞよろしくお願いします!!