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やぶれかぶれ大学時代

俺が大検を経て、大学に入ったのは1983年。19歳の時でした。

お恥ずかしかったのは入学式の時。
男の子はみんなスーツ姿。

ところが高校にも行かなかった俺は、全然情報がなかったため、白のブレザーに緑色のジーンズ。カラフルなシャツに赤いネクタイという1人だけ浮くような格好で行ってしまったのです。

でも、心を強くもたなくてはと思い、その格好であっても堂々とオリエンテーションで真ん中の席に座りました。

俺の格好を見て、陰口を言っている奴らの姿が目に入りました。

どうにか午前中のオリエンテーションが終わり、入学式に入ろうかという時です。昼休み、どこかで昼ごはんを食べようと大学の外に出ようとすると、ある女の子から声をかけられました。

「サークル、入りませんか?」と。

そして近くの安下宿みたいなところに連れて行かれたのです。

彼女は法学部の1回生で、大学に入る前の集まりの時にそのサークルに入ったとのことでした。

「あなた、地方の人だから、何も知らずにこの大学に入ったんだろうけど、ここの大学、全部赤かかっているよ。この大学のサークルなんかに入ったら、ブラックリストに名前が載せられて、まともなところには就職できなくなるよ。」

いきなり彼女は大学の悪口をまくしたてたのです。

俺は呆気にとられました。
彼女は俺と同じ1回生です。まだ大学に入ったばかり。なぜ、そんなひどい大学だということがわかっていたら、あなたなぜこの大学に入ったの?2年生以上の子だったらある程度は大学のことがわかっているから、入ってみたら酷い大学だったということがわかったということも言えるだろうけど、1年生でまだ授業すら始まっていないのに。

「私らのサークルは学外でやっているサークルで、人生について考えるサークルなの。だからこの大学とは無関係のところでやっているやつだから、赤と見られる心配はないの。だから私らのクラブに入りなさい」と彼女は必死でまくしたてて、勧誘しようとするのです。

もちろん、そのサークルには入りませんでしたが、なんとなく不吉な予感がしていました。

オリエンテーションの時も、職員の人が、「この大学に入った以上はこの大学の学生として頑張ってください。もし、他の大学を受けかえたいなんていう思いを持っているんだったら、今すぐやめてくださって結構です。」と言われました。

その人からしてみれば、不本意入学のやつがいるから、いつまでも他の大学への未練をひきずっていると学生生活に乗り遅れる。だからあえておっしゃったんだろうけど、俺はなんと失礼な大学だと思ったものでした。

入ったばかりの新入生に対して、「お前らきっと不本意で入ったんだろうけど」と言っているのと一緒なわけだから。

本当に初日からやぶれかぶれ。あの時に手をうって、他の大学に移っていたら、そのことを今でも考えます。

その後、4年間、俺は前向きにその大学で頑張ったんだけど、結局憎しみの残るような卒業の仕方になってしまったからでした。

そのことについてはまたいつかお話しします。



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