Day14】愛犬共生住宅時代の幕開け #8
16.ハッピーハウス
日本人としては唯一とも言える、ドイツ最大の動物保護施設ティアハイムベルリンで勤務をした経験のある野原さんという女性と共に、大阪北部能勢町にあるハッピーハウスという民間の動物保護施設に行ってきました。
ハッピーハウスは公益財団法人日本アニマルトラストという団体が運営している関西では有名な保護施設の1つです。
頭数としては550から600頭近い犬猫が保護されており(猫280頭、犬300頭)、関西では最大級の保護頭数となり、以前から見に行きたいと思っていました。
車で向かいましたが、噂通りの山の中にあり途中の道は本当にこの先にそんな施設があるのかと思うほど道が狭く、ようやく看板が見えるまで道が合っているのかすら不安でした。
17.猫はやらないの?
到着するとまずフロント的なふれあいハウスというログハウス調の建物に案内され受付をしました。
初めはスタッフの方でしたが、代表理事をされている甲斐さんというハッピーハウスを立ち上げられた女性の方が通りかかられてこちらに来られました。
ボクたちの前に座られましたので「愛犬共生住宅」の名刺をもって名刺交換すると、「愛犬共生住宅? 猫はやらないの? 」が最初の一言でした。
はい、愛犬共生住宅は事業ですのでもちろん継続のために収益をあげていく事は大事ですが、起こりが自らに起こった事への問題提起からスタートしたため、1つの社会課題解決として捉えビジネスが全てとは考えていません。
ボクは猫を飼った事がないので、そのボクが猫の住環境を考えるというのはビジネスという事になると思っているのと、やはり猫は犬とは違う動物で、犬だけでも追求したら家づくりは難しいのに犬も猫も両方やりますと言うのはやはりただのビジネスなると思っています。と答えました。
実はこの質問、愛犬共生住宅と言うとよく訊かれます。
数年前に日本においては猫の飼育頭数が犬の飼育頭数を超えました。(あくまで登録把握ベースですが)
ただ僕なりの考えがあり、そもそもこの愛犬共生住宅に取り掛かろうと思ったのは、僕が犬を飼い始めた賃貸を出ていくときに30万円という修繕費を請求された事による問題提起からスタートしています。
またオキシトシン等、犬が猫に比べて特異的な人への健康への影響やコミュニティ力に注目し(猫派の方に怒られるかも)、現況として犬一本としています。
ただ、甲斐さんは優しい口調で、そういうふうに考える方なら犬猫両方できる。
逆にビジネスなら犬だけでもいいけど、そうでないなら、犬猫を両方命と捉えるなら一緒ですよと仰られました。
なるほど。
何十年にもわたり犬猫の保護をされてきた方が見てきた風景からそういう言葉が出てくるんだと、ただの質問ではなくアドバイスに近いものがあるのかもしれないと、よく聞いておかねばならないとそう思いました。
18.施設見学
その後スタッフさんの案内で、総面積およそ2000坪あるという施設を案内して頂きました。
600頭もの犬猫の世話にお忙しい中で恐縮とは思いましたが、その分しっかりと説明を聞いて脳裏に焼き付けようと思いました。
まずは犬の施設から、そして猫の施設へという順序でした。
犬に関しては、5〜7歳の中型から大型犬種が多いという事で、いわゆるペットショップで売られているような人気犬種でもあるプードルやチワワやダックスといったような小型犬の姿はほぼありませんでした。
譲渡が早いのは小型犬。
その理由をスタッフの方に尋ねますと、犬の扱いやすさなどもあり全てではありませんが、住む場所が例えば賃貸等で契約に小型犬のみと謳われていたり、戸建てでも中型犬や大型犬をなかなか飼える住環境ではないという事も1つと言われていました。
施設内はこれだけの頭数がいるにもかかわらず、悪臭といったものはほとんどなく見る限りきれいに保たれており、各犬舎前の扉上には写真名前のほかにその犬の性格(噛む、臆病、ふれあいOK)も3段階で表されていました。
その性格や年齢、体の状況に合わせて外犬舎や内犬舎、スタッフの目の届く場所にあるシニア犬舎ゴードン、介護犬舎フィガロハウス等にエリア分けされており、その施設は様々な方面からの寄付により作られているものがあると説明を受けました。
ボクたちと一緒にお子さん連れのお母さんも同じ案内で周らせて貰いましたが、ハッピーハウスさんに寄付をされている方という事でした。
次回に続きます。