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いつものあの場所で会う藤吉さんは学校のマドンナだったみたいです

〇:はぁ...スタートダッシュミスったのキツイなぁ...





4月。



晴れて中学生から高校生になったのはいいが...



スタートダッシュを間違えたのか、友だちがゼロ。



「明日は話しかけに行こう」と前日意気込み、結局、誰にも話しかけに行けないまま2週間が経過。



2週間も経つと、ある程度クラス内でグループが出来ていた。


おまけに、ぼくのクラスには同じ学校から進学した子が1人もいないため、完全に孤立してしまった。



さらにおまけに出席番号が最後と言うこともあり影が薄い。。



関係ないか...。











...








...









教室に居るのがイヤになり校内をぶらりと歩いていると、外に繋がる避難用ドアが開いていることに気がついた。



ドアから顔を出し覗いてみると、非常用階段があった。




〇:ここでいいや




誰も通らないであろう階段に座ってみると外の景色も見えるためか案外落ち着いた。




〇:もう疲れたなぁ...帰りたい


?:何呟いてるのさ


〇:だ、だれッ?!


突然背後から誰かの声が聞こえ振り向くと、それはそれは美しい女性が立っていた。


その女性は大人っぽく、一瞬先生かと思ったが、ぼくと同じ制服を着ていたので、おそらく在校生なんだろう...。




?:まさかこの場所に先客がいたなんてね、


〇:あなたもここが好きだったんですね...


?:あなたやだなぁ


夏:わたしは『藤吉夏鈴』なんでもいいからあなた呼び以外でよろしくっ、




そう言ってぼくの横に腰を下ろした藤吉夏鈴さん




〇:じゃあ藤吉さんで、、


〇:あっ、ぼくは山﨑〇〇です


夏:あ、もしかしてお姉ちゃんいるでしょ


〇:山﨑天のことですかね...?




ぼくには2つ上の姉、山﨑天がいる。


実はこの学校に姉も在籍しており、同じ学校に進学することになった経緯は姉だ。




夏:天と同い年で同じクラスだよ


〇:え、そうだったんですね...


夏:それで、どうしちゃったのこんな所に来て


〇:お恥ずかしながら、入学後友だちが居なくて、しんどくなりここに来たって感じです...


夏:ふぅん...ここ、いいよね落ち着くから


〇:ですよね?でも、藤吉さんはなぜここに...?


夏:うーん...まあ、疲れちゃった。人間に


〇:人間に...疲れた...?


夏:1人になりたかったときに見つけたんだよね。


夏:それから毎日来てるんだ。ここに、


〇:じゃあお邪魔でしたよね、、


夏:いいよ、べつに〇〇くんが居てくれても


〇:いいんですか...?


夏:キミはわたしと同じ匂いがする




〇:ありがとうございます...?なのか...。


夏:〇〇くんおもろいじゃん...笑


〇:そんな、、。藤吉さんに比べて華もないですし...なにもない人間ですよ...。


夏:わたしそういう人すきだよ




どこがいいのか全く分からないが、藤吉さんが満足そうにしているからいいか





キーンコーンカーンコーン...




〇:あっ、予鈴、、行かないとっ...


〇:えっ、、




予鈴がなり、教室に帰ろうと立ち上がると、横に座っていた藤吉さんに腕を掴まれた




夏:サボろうよ。一緒に。



〇:えっ、、でもダメですよ...


夏:ちょっとぐらい、いいじゃん


〇:まぁ、、少しぐらいなら...








結局、藤吉さんに乗せられたまま1時間サボってしまった...。




藤吉さんが去る際、



夏:明日も昼集合ねっ






なんてことを言って帰って行った。









...









...








天:あっ!夏鈴帰ってきた~



『藤吉さんがかえってきた!』



『どこいってたんだろ』



『やっぱりかわいいなぁ』




わたしが1人になりたい理由、それは仲が良くない人から話しかけられたり、わたしの話題が勝手に上がっていること。



なぜかわかんないけど、わたしの周りに集まってくる男子。



『連絡先交換しませんか?!』



『インスタとかって...』



なんてことを聞かれるのはうんざり。




正直、クラスで仲のいい人は天ぐらいでいい。


あとは今日会ってわかった〇〇くん。


やっぱり姉弟だから会うんだろうなぁ...





夏:やっほ


天:どこ行ってたの〜?


夏:さぁ?


天:いやッ!わたしぐらいには言ってくれてもいいじゃん?!


夏:...。





天:もう、聞いてないし...。










次の日の昼。





〇:今日も来たけど、藤吉さん来るのかなぁ


〇:それにしてもほんとにここ誰も来ない...


夏:どーん




〇:あっ!藤吉さん


夏:どーもぉ


〇:今日はなんだか機嫌がいいですね


夏:きょうはいつも話しかけてくる男子が休んでるからねっ


〇:藤吉さんはあからさまに出るタイプなんですね


夏:あーそれ天にも言われたことある。やっぱりそうなのかな


〇:姉ちゃんも言ってたんですね


夏:天の目元似てるよね〇〇くん


〇:急になんですかそれ、、


夏:んふっ、思ったこと言っただけ〜









藤吉さんに出会って以降、毎日昼休みにいつもの場所で出会うようになった。





夏:きょう嫌なことがあってね?




藤吉さんの愚痴を聞いたり





夏:今まで3年間ね、テストで低い点数ばっかりだったんだけど、今日クラス上位に入れてね





藤吉さんのちょっとした自慢話を聞いたり








藤吉さんと話す時間が高校生活で1番楽しく、楽しみだった。


















天:ねぇ、ほんと毎日どこ行ってるの?


夏:そんな気になるかね


天:だって見てみなよ、クラスの男子がこっちの話に興味津々だよ((ボソッ…


夏:はぁ...



これだからヤなの...




夏:〇〇くんに聞いてもらお...((ボソッ…


天:なんで〇〇が出てくるの?!


天:ってか、弟のこと知ってたっけ?!


夏:あっ...




や、やってしまった...




『なぁ、〇〇ってやつ知ってるか?』


「山﨑さんの弟とか言ってなかったか?」




しかも天の声がデカすぎて絶対みんなに聞こえてんじゃん。



最悪だ...。










天に〇〇くんと会っていることがバレた次の日。



いつものように会いに行きたかったけど、先生に呼ばれ昼休みが丸々潰れてしまった。



〇〇くん、ごめん。




天:〇〇に会いに行けなくて、機嫌悪いのかい?




机でうつ伏せていたら天が煽ってきた。




夏:...。




こういう時の天は無視するに限る。




天:も〜そんなにテンション下がらなくてもいいじゃーん


天:わたしだって居るじゃん!


天:"山﨑" 天だからねっ!




夏:...っさい。









...










...










2日も〇〇くんと会えないとしんどかった。


なんせ、わたしの素が出る唯一の場所だから



わたしはその先にいる〇〇くんに会うため、重い避難用ドアを押し開けた。







けど...いない...。







夏:めずらしい...。




いつもなら居るはずなのに...



もしかして昨日わたしが来れなくて起こったのかなぁ...




夏:明日は来てくれるか、








そう思っていたが、その日から何日経っても〇〇は現れなかった。









我慢の限界だったわたしは意を決して、〇〇の居るクラスに言った。






夏:や...山﨑〇〇くん...居ますか...



『〇〇くんなら今日も休みですよ』



夏:"今日も" っていうことは...



『ここ最近ずっと』



夏:そ、そうなんだ、、、ありがとうね







どうしたんだろ、〇〇くん...。




















〇:はぁ...藤吉さんに会いたいけど、行けないなぁ...。



〇〇はベッドで横になり、そう呟いた。




〇:あんなこと言われたし...








~~~~





下校中。





『あっおまえが山﨑〇〇ってやつか?!』



〇:え、はいっ、そうですけど...



「おまえなんか最近藤吉さんと関わってるらしいな」



『それさ、辞めてくんね?』



〇:え、なんで...ですか...



『うちのクラスのマドンナを取られたくない訳よ』



「つぎ話してるとこ見たら...ね?」








~~~~






〇:学校すら行きにくい...。


〇:姉ちゃんにも、藤吉さんにも迷惑かけられないし...



夏:かけなさいよ




〇:へっ...?!藤吉さん...、!



自室のドアの開け、藤吉さんが見ていた。




〇:なんで、いえまで...


夏:天と仲良いから家ぐらい知ってるし。


夏:それでなに?そんな理由で学校来てないわけ、?





ベッドに横たわるぼくを跨ぐように近づいてくる藤吉さん




〇:藤吉さんに迷惑なんか...


夏:仲良いんだから迷惑ぐらいかけなさいよ...!//


〇:いいんですか...


夏:この、夏鈴さんが困っている〇〇くんを助けてあげるから明日学校来てね


夏:ぜったいね




〇:は、はい...




近くで見る藤吉さんは、可愛かった...。














次の日...。




夏鈴のクラスでは...。




天:あっ、夏鈴おはよ〜


天:...えッ?!〇〇?!なんで!?




手を繋いで教室に入ってきた〇〇と夏鈴。




『え、藤吉さんの彼氏...?』



『そもそも彼氏いたのか?!藤吉さんに...』


「いないって噂だろ?」


「いや、たたの友達か...」






天:な、なんで2人が手を繋いで...



夏:え...えぇとぉ...//



夏:こちら、わたしの彼氏くんである山﨑〇〇くんですっ...!


天:いやっ...えっ...?!


天2人って付き合ってたの...?!?!


夏:きょ...今日から...ですっ...//


天:まず、姉に話せよっ!




fin.

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