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吸血鬼って言っても危害を加えない吸血鬼なのっ…!

ひ:〇〇…わたし…



『吸血鬼なの』



交際2年にして初めて明かされたひかるの秘密。


そろそろ結婚しても…なんて話が出ていた頃、まだ知らないことがあったなんて



ひ:両親が2人とも吸血鬼でその血の流れた吸血鬼が私なの…


ひ:幻滅したよね…


〇:僕はひかるが吸血鬼でも、他の動物だったとしても“森田ひかる”が好きなことには変わりないよ


ひ:〇〇…ウルウル…


ひ:だいすき〜!ギュー


〇:僕も大好きだよ


ひ:んふっ…


〇:首に顔埋めて喋んないで~



カプッ


ひ:んんっ〜チュゥ…チュゥ…//


〇:え、いま、僕の血…吸ってる…?


ひ:プハッ…//


ひ:〇〇の血はクセになる味でおいしぃ


〇:いや。知らないよ


ひ:〇〇は蚊にいっぱい刺されるタイプ?


〇:確かに夏場は言われてみたら多いかも


ひ:あ〜じゃあそのせいだね。


〇:だから。知らないよ。


















ところでひかるに吸血鬼について聞いてみることに。



〇:吸血鬼ってやっぱり日常的に人の血吸いたくなるの?


ひ:基本は吸わないよ!


ひ:ただ、血の成分は摂取しないとだから「スムー血ー」とか「ゼリー10秒チャー血」とか飲まないとダメだね~


〇:じゃあさっき僕の血を吸ったのは?


ひ:あれは他の吸血鬼が〇〇に寄ってこないようにマーキングしたの!


〇:マーキング…?


ひ:そう!るんちゃんの〇〇だぞっー!ってね


〇:なんかすごいね…


ひ:気づいてないかもだけど…


〇:…?


ひ:〇〇の後輩の村山ちゃんと同級生の玲ちゃんも吸血鬼だよ?





〇:えっ?!村山とぞのもなの!?


ひ:2人ともわたしと同じ匂いするなぁって思ってたから聞いてみたら案の定吸血鬼だったの


〇:意外と周りにいるんだなぁ…吸血鬼…。


ひ:もしかすると2人に言い寄られるかもだから…


ひ:注意するんだよ?


〇:え、それってどういう意m…




ひかるは手をひらひらとさせ、どこかに歩いて行った。
























ひかるが吸血鬼とカミングアウトして二日が経過したある時だった。



〇:雨の日って何もやる気になぁ…



外は結構な大雨。気象庁が注意喚起する程だ。



〇:出かけたかったけどやめとくか




ピンポーン




〇:はーい?



宅配は別に頼んでないし…


ひかるか…?でも、連絡来てないし…



〇:どちら様ですかぁ〜?ガチャッ…


美:先輩。雨ひどいんで入れてくださいよ


玲:やっほ〜♪


〇:えっ、?!村山とぞの…じゃん…。



ひかるに言われた、


『もしかすると2人に言い寄られるかもだから…
注意するんだよ?』


なんて言葉が頭によぎる。



〇:2人…吸…ああぁ…


美:…?


〇:なんで家知ってるの…?


玲:それはねぇ〜♪


美:森田さんに教えてもらいました


玲:ねぇーわたしに言わせてよ〜!


〇:…は…ははっ…。



うまく笑えているか心配だ…。


こんな2人が…吸血鬼なんて…


ホントなのかなぁ…。



美:わたしは急に行くの申し訳ないって言ったんですけど、


美:大園さんがどうしてもってうるさかったので


玲:ちょっとー!それじゃわたしだけが悪者じゃんっ!


美:そうじゃないんですか?


〇:ま…まぁ、上がりなよ


玲:おじゃましまーす!



走ってリビングに向かうぞのに比べ、



美:ごめんなさい、急に押しかけて


〇:ううん、ぜんぜんいいよ



なんて良いい後輩なんだ…


















玲:ソファふかふかだね〜


〇:ぞのはほんと…


玲:なーに〜?


〇:そのままでいて欲しいよ…ハハッ……


玲:いひっ、ありがと~


美:たぶんいい意味じゃないと思いますよ?


玲:んなっ!そうなのか〇〇っ!


〇:そんなことないよ


玲:白状しろ〜!ギュ~


玲:ん…?



玲が〇〇に抱きつくと違和感を覚える



〇:やっぱり、吸血鬼だから同じ匂い…


〇:あっ…。

...


...


玲:なーんだ〇〇知ってたんだっ!


美:知ってたんですか…!


〇:ひかるに教えてもらいました…。


玲:冷蔵庫に「スムー血ー」あったからおかしいなぁって思ったらひかるのか〜


美:えっ…! スムー血ー飲んでいいですか…


〇:ひかるのだけど…


美:血が欲しいんです…


美:〇〇さんの飲ませてくれるなら…


〇:ひかるのスムー血ー飲んでいいよ。


美:ありがとうございますっ



そう言いスタスタと冷蔵庫の方に向かう村山。


いま、この場にはぞのと僕だけになってしまった



玲:ねぇ〇〇?


玲:〇〇とひかちゃんは付き合ってるってことは血、吸われたでしょ?


〇:う…うん、そうだけど、。


玲:わたしも〇〇の血吸いたいなぁ〜


玲:吸っていいかなぁ♪



す…すごい、、首を見られてる気がする…。






人は絶望的な状況の時、声が出ないと聞いたことがあるがこの事か…。



玲:黙ってるってことはいいんだね♪


〇:…。


玲:じゃ、ちょっとだけいただこうかなぁ~



バタン



ひ:だめぇぇ!!ギュゥー


ひ:〇〇はひぃちゃんのなんだからっ!





玲:な…なんでひかちゃんがっ?!


ひ:〇〇に危ない予感がしたから急いできたら


ひ:玲ちゃんに襲われそうになってたし


玲:襲ってなんかっ…!


〇:ひかる、あ…ありがとう…


ひ:いやぁ、〇〇の血吸っておいてよかった~


ひ:ねっ。もう一回吸っていい?


〇:またぁ…?


ひ:〇〇の血おいしいんだからいいじゃん!


玲:やっぱおいしいの?!



玲さんよ…そんなニコニコで見ないで



美:それホントですか…?!



いや…村山まで…



ひ:おいしいのはマジだけど2人はダメっ!


ひ:これは彼女しか知れない味なんですぅ~


玲:むぅ...こうなったら...あれを出すしか...


玲:美羽ちゃんあれ持ってきて!


美:はいっ!







美:こちらですっ


玲:ひかちゃんこれあげるから〇〇の血吸わせてくれない?


ひ:これは…?


玲:数量限定のトリュフ塩~天然血風味添え~なのだっ!


ひ:これはわたしが買えなかったやつではないか…


ひ:ぐぬぬ…


玲:さぁ、ひかちゃん…どうしますかっ!



ひかる、どうするんだ…。



ひ:ちょっとだけなら…


〇:ええぇ…


玲:やった!


美:ナイスですっ




カプッ


美:んんっ〜チュゥ…


玲:たしかに…おいしい…チュゥ…チュゥ…



彼氏がめちゃ血吸われてるのにトリュフに‘に興味津々だし…



玲:プハッ…ゴチです!


美:感謝です


ひ:いいってことよ



大事そうに抱えてるなぁ…トリュフ…。



玲:また、吸いに来ていいですかっ!


美:ですかっ…


ひ:それはさすがにダメっ!




Fin.


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