見出し画像

写真部の田村さんはぼくの写真集を密かに作っているとか...?

『...明日も時間割通りだからな。んじゃ、号令。』



今日も長い長い授業が終わった。



〇:よっしゃ、帰る...あっ、日誌...。



日直は出席番号順で毎日回っており、今日がぼくの番だ。


日直の仕事のひとつ。日誌。


高校生になっても日誌は未だにあるみたい。



日誌には、一日通してクラス内であったことや、受けた授業の内容など、日直の感想などを書かないといけない。



ぼくは完全に日誌の存在を忘れていたため、さよならの挨拶をして再び席に着席し、日誌を書き始めた。




〇:1限目がこれで...。


?:やっほー書いてる~?


〇:...っだよ、"ひかる"




唯一このクラスで幼なじみの森田ひかる


幼稚園が同じで、小、中、と離れたが、高校で再び再会。


そして、まさか同じクラスメイトになるなんて思いも無かった。



ひ:なんだよとはなんだっ!


ひ:超絶キュートでかわいい幼なじみが応援しに来てあげたのに!


〇:はいはい。


ひ:軽くあしらうなら〇〇の机で寝てやるっ!



ひかるは日誌を隠すように〇〇の机に突っ伏す




〇:ちょい、、ここで寝るなって


ひ:どけて欲しい?



ひかるは突っ伏しながら、〇〇を見上げるように問いかける。



〇:そりゃあ書けないんで...


ひ:じゃあ頭撫でて




ぼくがまだ言い終わってないのに食い気味に言ってきたな...




ひ:どうする?るんちゃんの頭撫でないと帰る時間遅くなっちゃうよ~?



日誌書いて、早く帰りたいし...これは撫でるしかないか、、



ひかるの頭に手を乗せた時...



カシャッ...。




〇:ん...?



教室のドア側から写真を撮る音が聞こえた。



ひ:どしたの〜?



あまり気にしてなさそうなひかるだし...




カシャッ...



また撮られたっぽいし...



むしろ、頭に乗った手を活かして自分で頭動かして撫でてるし...






写真の音がした方へ目を向けると、





カメラを持った田村さんがいた。



田村さんとも同じクラスでこのクラス唯一の写真部だ。



〇:田村...さん...?


ひ:え、保乃ちゃん?



ひかるも田村さんも見つけたようだ...。



ひ:保乃ちゃんこっちおいでよっ


〇:...




田村さんが、カメラを持ちながらこちらに来た...。。




ひ:やっほやっほ~


ひ:例の件はどう〜?


〇:例の件...?


保:ひぃちゃんのおかげで頭なでなでカット撮れたわ~!


保:ほんまありがとうな〜!


〇:頭...なでなで...カット...?


ひ:実は〇〇の裏であることが動いてたんだよ


保:この写真見て~




田村さんが見せてきた写真には授業中、ノートを取っているぼくが映っていた。



〇:もしかして...


保:そう!そのもしかしてっ!


〇:盗撮...?


保:ちゃうわっ!いや違くない、、、か。


ひ:たしかに盗撮ではあるね...笑


保:じゃなくて、保乃がなぁ、勝手に〇〇くんの写真集作っとってん!


〇:写真集...?な、なんで、?


保:この写真集は保乃の誕生日プレゼントやっ!



ひ:保乃ちゃんの誕生日が近いからこの願い叶えたの


〇:えっと...お誕生日おめでとう...


保:ひゃっ...//好きな人に祝って貰えた...//


ひ:よかったね!保乃ちゃん!


保:今年は最高の年になりそうやわぁ


〇:その...写真集を作るのは勘弁....


保:えぇ?!なんでなんっ?!


〇:はずかしいというか...


ひ:じゃあ写真集も作って、保乃ちゃんのお誕生日会もしよーよ!


保:ほんまに?!やったっ!


〇:ひかるさん...?






...







...








後日、田村保乃お誕生日会で〇〇が保乃に告白をしたそうだ...。






そんな話はまた、どこかで......






fin.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?