見出し画像

”このクラスでタイプの人だれですか?”と質問された教育実習生の森田先生に ”そこのキミかな” と指名を受けました...。

“森田先生の好きな食べ物はなんですか〜?”



ひ:えっと、わたしの好きな食べ物は…





今日から2週間、うちの高校では教育実習週間に入ったみたいだ。



そして、うちのクラスに教育実習生が来ることになった



ただいま、その教育実習生、森田ひかる先生への質問コーナーが行われている。




正直、森田先生がクラスに入ってきた時は、驚いた。








~~~~








由:はい、じゃあ最後にお知らせね




朝のSHRで担任の小林由依先生が連絡を伝えていた。




由:今日からこのクラスに教育実習生が来ます



驚きの声が教室を覆う



“由依先生それ当日に言う〜?”



由:だって、忘れてたんだもん



由:理佐だって、


理:うんっ







うちの担任と副担任はポンコツ先生みたいだ




由:だれ、いま由依ちゃん先生のことポンコツって言ったの



“誰も言ってないと思いますよー?”



由:気のせいか、





このクラスで教育実習って大丈夫だろうか…




由:まぁいいや、入ってきてー



由依先生の合図とともに入ってきた教育実習の先生。



身長は少し小さめで、とてつもなく顔が小さい。



教室からは、“かわいい”   “先生じゃなくて生徒みたい”


などの声が上がっていた。




由:はいはい、静かにー


由:じゃあみんなに自己紹介してあげて?


ひ:…はいっ!



緊張した様子で教卓に立つ。



ひ:え、えっと…


由:ゆっくりで大丈夫だよ


ひ:はい…


ひ:え〜…満開櫻坂大学から来ました、森田ひかるです…!


ひ:2週間という短い間ですが、ぜひたくさん仲良くして下さい…!




森田先生の自己紹介で鳴り止む気配がない拍手。




由:はいはい、じゃあ今からひかる先生に質問コーナー


ひ:質問コーナーですか…?!


ひ:わたしに質問とかあるんですかね…


由:あるに決まってるでしょ。こんなかわいい先生なんだから


理:そうそうっ、ひかるちゃんよりかわいい先生見たことないよ


ひ:…///






由:照れてるひかる先生を見る時間でもいいけど、質問ある人〜



“はーい!”





そして始まった森田先生の質問コーナー








~~~~










由:はい、じゃあ次の人


“はいっ!!”



由:はいどうぞー



“えっとぉ、森田先生は今まで何人彼氏いましたか〜?”



ひ:えっ…?!





調子に乗り出し、ありがちな質問を投げ出すヤツもいた。



ひ:え…えぇ…




ほら見ろ。森田先生が困ってるじゃないか。




由:も〜、


由:そんな変な質問はなしっ



“ちぇっ、だめか〜”



理:レディーにその質問サイテー



“理佐先生まで?!”



ひ:ふふっ…


由:はい、じゃあ次の質問ある人



“はーい”



由:どぞ、



“このクラスで森田先生のタイプの人だれですか?”



由:…だから。


由:それなし…


ひ:…かな///




下を向き恥ずかしそうに口を開く森田先生




由:え?


理:ん?


ひ:そこのキミかな…///


理:そこのキミ…


由:〇〇…。


〇:…ぼく?


ひ:…はい///










森田先生が来てある程度日数が経った頃。



この時からだった。平穏な学校生活が崩れ始めたのは。




例えば休み時間だって…




教育実習生が来たならばみんな聞きたいことや、話したいことだってあるはず…



なのにどうして…




ひ:〇〇くんはどの教科が好きなの?






教育実習生に質問攻めされているんだ…。




ひ:ねぇ〜聞いてる?


〇:…体育です。


ひ:そうなんだっ!運動男子いいねっ


〇:そ、そんなことより…


ひ:ん?


〇:他の生徒とコミュニケーション取らなくていいんですか…


ひ:うん大丈夫っ、さっきいっぱい質問受けたからっ


〇:ほらっ...他クラスとか…


ひ:うーん、担当はこのクラスだからいいの


〇:…いいんだ。


ひ:それよりそれより…



森田先生が話したと同時に予鈴のチャイムが学校中に響く。



ひ:もうこんな時間、


ひ:やばっ、次授業の見学行くんだった…!


〇:それじゃあ急がないと…。


ひ:ねぇ、確か今日体育あったよね


〇:昼休み前の授業に…


ひ:〇〇くんが体育してるところ見にいくねっ


〇:クラス全員見るならいいですけど、


ひ:見るけど、〇〇くん多めでっ!


ひ:じゃあまたあとでっ!






森田先生は急いで教室を後にする。




その後授業をこなし、問題の体育の時間に。



今日は体育館では無く、グラウンドでするみたいだ。




『整列しろよ〜』



体育の教師の一言で綺麗に整列する。



今の所、森田先生の姿はない。



まずは一安心。




『今日はとくにすることがない。自由だ。』


『サッカーするもよし、野球するもよし。』


『そこは各自で決めてくれ』


”はーい“


『それから今日は教育実習中の森田先生も見に来てくれたから仲良くしてやれよ』


”やったー!“



森田先生ぜんぜんいました。







それに目が合い、微笑まれました。





ぼくは森田先生に捕まる前に、友達に声をかけ、サッカーのお誘いをすることにした。



解散の合図とともにいち早く行動し、友だちの元へ行こうとした。




ひ:今日、自由なんだってね


ひ:いつもこうなの?





〇:いや、いつもでは…


ひ:ふーん、そうなんだ


ひ:じゃあさ、わたしとお喋りしようよ




もう捕まってしまいました。











ひ:みんな楽しそうに体育してるね





ぼくもしたかったのですが…。



ひ:ごめんね。あの時いきなりあんなこと言って


〇:あの時って…?


ひ:そのぉ…タイプのやつ…


〇:あぁ…大丈夫ですよ


ひ:よ…よかった…


〇:別に気にしてないんで


ひ:へっ…?!


ひ:気にしてないとっ?!


ひ:え、え、ひかのあの気持ちがウソって言いたいの?!




〇:も、森田先生…?


ひ:ひか本当にタイプで好きなんだからね


〇:でも、先生なんですし…生徒と先生だなんて…


ひ:関係ないっ



ギュッ…




学校という広いグラウンドで森田先生に抱きつかれる




ひ:ひかは本気で〇〇くんのことが好きなの


ひ:もう付き合っちゃいたいぐらい


ひ:先生だとか関係なく…。

















ひ:ひかと一緒にイケナイ恋しよっ?




fin.

いいなと思ったら応援しよう!