自分に自信を持てない現役アイドルの幼なじみを慰めていたら、付き合いたてみたいな雰囲気が流れているのですが...。
保:はぁ…
保:…。
保:ホンマ急にお邪魔してごめんやで…?
〇:ほんとに急だったね
連絡が来たのは1時間前だった。
『家、行ってええ?』
お互いの誕生日、年末年始には連絡を取っていたが、今日みたいな連絡が来たのは初めてだった。
日頃アイドルを頑張っている保乃。
緊急でなにか起きたと察知したぼくは直ちに、
『いいよ』
と返事した。
〇:で、どしたの
〇:そんな落ち込んでる保乃珍しいじゃん
保:ほのやって落ち込むわ
保:毎日家で、今日はこんなとこあかんかったなぁ。とか考えてんねんで
保:ただ、〇〇に見してないだけ
〇:じゃあ今の保乃を見せてくれるのはちょっとレアと言うことですか
保:ちょっとやない。だいぶ。
〇:そこまでか。
保:〇〇やってあるやろ…
保:人肌を感じたいとき
〇:まぁ無くはないけど
保:それがほのは今やねん。
〇:そこはわかったけど…。
保:なんや、まだあるんか
〇:人肌って言っても、べつにメンバーさんでもよかったんじゃ…
保:ぜんっぜん分かってへんやん。
〇:え?
保:あんな、こういう時は、親しい友達とか幼なじみと居ると落ち着くねん
保:わかる?
ちょっとまだまだわかってなかったみたいです。
ウチに来て時間が経ち、保乃の気持ちは落ち着いたと思ったが、そう簡単には行かなかったみたいだ。
保:はぁ…可愛くなるにはどうしたらいいんやろ...
〇:いや、十分可愛いと思うけど
保:ほのなんか全然やん
保:メンバーとか見てたら思うわ。
保:あの子かわいいなーとか、めっちゃ美人さんやんとか思うはずや
〇:たしかに櫻坂さんのことは全然わかんないけど、保乃は絶対美人。
〇:幼なじみが言ってるんだから。絶対。
保:そうなんかぁ…
保:ほの自分じゃわからんわ
そう言って、ソファに倒れ込む幼なじみ。
〇:じゃあ分かった。
〇:保乃の写真撮ってあげる。それ見たらわかるはず
保:そんなことないわ。
保:だっていつも写真撮って自分で見てんねんで
〇:まぁまぁ、はいこっち向いて
幼なじみからカメラ目線をもらったタイミングでシャッターを切る
保:無言で撮るんかいな。
〇:合図なくても、かわいい保乃が写ってるぞ
撮った写真を保乃に見せてみる。
保:た、たしかにいつもほのが撮るより…かもしれんけど
○:だから保乃はかわいいってこと
保:そんなん言われても自信持てへんわぁ...
○:自分に自信って難しいよな
保:ホンマに。
保:もう自分に自信持つのやめよかな
○:たしかに。
○:逆にその方がラクになるんじゃない?
保:そうかもなぁ
保:そうしよか
○:ヘンに考えるより、自分を甘やかしたり、癒された方がいいと思うよ?
保:それや、
○:だよ
保:じゃあ、早速やけど、甘えてええ?
○:いいけど、ぼくに?
保:アンタしかおらんやろ
○:ぼくでいいならいいけど...
保:じゃあ保乃の隣来て
ソファから起き上がり、座るスペースを空けてくれる。
○:はいよ
保:じっとしててな
○:え、なに、そう言われたら怖いんだけど
保:大丈夫やから
そう言って保乃は、ぼくの膝に頭を預けて来た。
保:んっ、
○:え
保:甘えていいんやろ
単刀直入に言うと、今の幼なじみは本当に可愛い。
保:なんか、言ってや...
保:こっちが不安になるわ
○:かわいい。
保:ほにょ...?
○:保乃って櫻坂46の中でいちばん可愛いでしょ
保:そ、そんなことないわっ...?!
○:いやそんなことあると思う
保:そんなん言われたら保乃が恥ずかしなるわっ...
...
保:そんなに保乃が可愛いなら頭...撫でてもええで...?
○:では遠慮なく。
保:んっ...//
保:やっぱ...甘えるってなんかいいかも...//
...
...
保:はぁ...//
保:なんか○○のせいで熱なったわ...//
○:なんでだよ、
○:あ、ちょっと暖房下げよっか?
保:あっ、べつにええ。
保:ほのが脱ぐから
保:ってことがあって、最近だいぶ癒されたんよね
ひ:ちょ、ちょっとまって...!?
保:ほにょ...?
保:どしたん...?
ひ:今までの話って幼なじみ君との話だよね...?
保:まぁ...そやな
ひ:えっ...?!
ひ:距離近すぎない...?
保:まぁ、なんでも話せる幼なじみって関係やし?
ひ:いやいやっ、なにがなんでも近すぎるよ
保:そうなんかなぁ
ひ:そ、そうだよ...!
ひ:それきっかけで付き合っちゃうレベルで近いよ...?!
保:え、えへっ...
保:○○と...付き合う...
保:ええかもっ...
保:いやんッ...//
ひ:好きなんかい。
fin.