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大園さんのノートの落書きにはボクについて書かれていることが判明しました...。
眠たい目を擦りながら、起きることに精一杯な1限目。
普段はボーッとしていれば最悪なんとかなる授業だが、今日は違う。
休んでいた分のノートを写さなければならない。
体調が悪く、ここ2日休んでしまった。
抜けていた丸々のノートを書かないと、成績とか大変なことになるし...
席が近い人周りの人たちに『貸して』と言ってみたものの、
『字汚くて見ずらいと思う』
『ちょっと寝てたから抜けてるかも』
などと言われっぱなしだ。
もしかして、嫌われてる...?
最後の希望は、大園さんただ1人。
大園玲さんはクラスから大人気。
人気者と絡むと大変なことに巻き込まれるとどこかで聞いたことがあり、極力避けていたのだが、今はしょうがない。
なにかすごい真剣そうな顔でノートにメモを取ってる大園さんに聞いてみることに。
〇:大園さん、ちょっといい…?
玲:うん〜?
進んでいたペンを止め、話を聞いてくれる大園さん。
〇:ぼくが休んでいた分のノートをもしよかったら見せて欲しくて…
玲:玲のノート見て写すってこと〜?
〇:もしよければ…
玲:うんっ。全然いいよ〜
玲:はいっど〜ぞー
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〇:ありがとうっ…!
差し出されたノートを受け取ろうとすると大園さんが
玲:あっ…?!
と大きな声で教室中の注目を集めた。
『大園、急に大きな声出してどうした』
玲:な、なにもないです、、
~~~~
たったいま、わたしは大失態を犯してしまった。
わたしが密かに思いを寄せていた〇〇くん。
そんな〇〇くんから話しかけられ舞い上がっていたのも束の間、わたしの ”極秘“ のノートを貸してしまった…。
玲:あんなの見られたら引かれちゃうよ…。
玲:でも、どんなの書いてたっけな…?
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~~~~
や、やばい早く写さないと時間なくなるし、大園さんに迷惑かけちゃう…
〇:(えっとぉ…どこからだっけな…)
〇:ん…?
ぼくが休んでいた日の板書の端に大園さんの字で落書きが書かれていた。
人のを借りておいて見るのは良くないと思いながらも、内容が気になってしまう。
〇:(少しだけ…)
今日は玲の好きな人がお休みだった。
毎日会えると言うモチベーションで学校に来ているのに、会えなかったら玲はどう頑張ればいいの…
明日は来てくれるかなぁ...
大園さん好きな人いるんだ。そりゃあんな美人ならいるか
一人称『玲』ってかわいいな….。
〇:(もっと前の日まで遡れば大園さんの好きな人の落書きが書かれているんじゃないか)
そう考えに至ったぼくは大園さんのノートを遡ってみることに。
…
〇:(あっこの日書かれてる…)
少し眠たそうな〇〇くん。かわいい。
あのぷにぷにした手で玲のほっぺ触ってほしい…
〇〇くんに甘えたい。
〇:(え、ぼくの名前…?)
〇〇くんに膝枕されながら、頭なでられてみたいなぁ…
うーん…でもぎゅってされながら頭ぽんぽんも捨てがたい…。
遡るとほとんどぼくのことが書かれていた。
大園さんの願望や、ぼくの観察日記など、色々書かれていた。
…
…
〇:大園さんノートありがとう…
玲:ううんっ
玲:力になれたならよかった〜
〇:ほんと助かっt…
玲:見たよね…?
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〇:え。
玲:こっち来て。
大園さんに連れられ、空き教室へ。
玲:わたしのノートに書いてあった落書き見たよね...?
〇:うん、まぁちょっと...?
玲:どんなの書かれてた...?
玲:正直覚えてなくて...
ぼくは大園さんにノートに書かれていた落書きを説明した。
玲:えっ...//
玲:そ、そんなの書いたっけな...//
〇:しっかりと大園さんの文字で
...
玲:わたしノート貸したよね
玲:そのおかげでノート写せたよね?
〇:うん、ほんとに助かった
玲:お、お礼ほしいな...//
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た、多分ほっぺ触られるのを待っているのだろう、、、
〇:ほんとにいいの...?
玲:べつにお礼だから...//
玲:んにゅ...//
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〇:はい、おしまいっ
玲:むぅ...もっと触ってくれてよかったのに...
〇:ほら次の授業始まっちゃうしさ
玲:膝枕もして欲しかった...((ボソッ…
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大園さんの落書きを叶えてからというもの...
玲:〇〇くんっ!玲のノート見る?
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〇:今日はちゃんと板書したからいいかな...
玲:えぇー玲のノート見てよ〜
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fin.