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アパレルショップの試着室から推しメンが現れたのですが...。

〇:『いらっしゃいませ~』



今日も長年の夢だったアパレル職に魂を燃やしている。



長年といっても推しメンである、『小林由依』さんと出会った年月。



「どういうこと?」と思うかもしれないので、深く説明しよう。




あれは2018年の9月



いつものようにネットサーフィンをしていると、あるひとつの記事が目に入る。


『with』という雑誌だ。



ぼくはファッション雑誌を見ることが趣味で関連で出てきたのだろう。


with9月号には欅坂46の小林由依さんが専属モデル就任として登場していた。




初めて写真を見た時、思わずかわいいと漏れてしまった


雑誌での小林由依さんのスタイルの良さ、着こなし方に惹かれた。



小林由依さんについて調べていくうちに、『欅坂46の小林由依さん』が好きになっていた。


小林由依さんに吸い込まれていくような感覚を覚え、いつしか雑誌を毎回購入するようにも…。








意を決して、CDを買い、握手会に参加した。





〇:はっ…小林由依さんだ…



自分の瞳に憧れの人物が写り、思わず息を呑んでしまった




由:フルネームで久しぶりに呼ばれたかもっ





クールな表情ばかり見ていたが、ニコッと笑った小林由依さんはこんなにもかわいいんだと新たな一面も発見できて…




〇:あ、あの…えっと…


由:うんうんっ


由:ゆっくりで大丈夫だよ



初めてで緊張している自分だが、どこか落ち着かせてくれて…



〇:withで小林由依さんと出会って…そこから小林さんの着こなし方に憧れてて…


由:じゃあ最近好きになってくれた方だ


由:ありがとねっ


由:ファッション褒められるのは嬉しいねぇ





〇:ぼくも服好きなんですけど大抵小林さんに追いつけなくて…



由:そんなことないって


由:いや、わたしのファッションセンスが下がらない限り越されないかなっ?笑



少し小悪魔っぽくて。




〇:小林さんみたいになれるように将来はアパレル店員になろうと思いますっ…!


由:いいじゃんいいじゃん。似合ってる


由:わたし服見に行くのすきだから会えあるかもねっ



背中を押してくれる優しい人。







小林由依さんと約束してから、ぼくは毎シングル握手会、ミーグリと参加するようになった




月日は流れ、アイドル人生最後のミーグリに。







由:あっ〇〇だっ


〇:由依さんっ…今まで本当にお世話になりました…!


由:いいえっこちらこそ


由:それでどうよ〇〇の夢の方は


〇:覚えててくれたんですね


由:あたりまえ。


〇:夢の方は…由依さん卒業後から本格的に始まるって感じですね


由:いいじゃんっ



『お時間です』



由:じゃあ卒業後は〇〇探しの旅でもしよっかな


〇:ぜひ…お待ちしています…!










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こんな会話を推しメンと最後したような…




〇:元気してるかなぁ…




最後見た姿がキレイなドレス姿だったからもうすぐ一年。



正直ここ一年は忙しく由依さんの情報も追えていない。


卒業後、芸能界を引退したのかもわかっていない。


もしまた会うこと機会があれば、夢叶いましたと一言伝えたかった。



そんな想いに浸っていると、マスクを付けた女性が近づいて来た。



?:あのっ



〇:はいっどうしました?


?:試着したくて


〇:試着室ご利用ですか。こちらです


?:ありがとうございます







?:あっ…


〇:…?


?:わたしが出てくるまで待っててもらっていいですか


〇:…?わ、わかりました



マスクをしていたが、目元がすごく憧れであり、推していた人に似ていた…ような気がした





時間はかからず、マスクをした小林由依さん似の試着室のカーテンが開かれた。




?:どうかなっ




〇:やっぱり由依さんじゃ…んっ…!


由:静かに


カーテンの先に居たのは小林由依さんだった。


そんな由依さんと気付き発した瞬間、人差し指を口元に当てられた。



由:そんなおっきい声だったら気づかれるでしょ


由:さっきそこにライブTシャツ着たBuddies居たんだから


〇:ごめんなさい


由:まあいいや。


由:というか、わたしのファンクラブ開設したのに入ってないってどう言うことなの


〇:ファンクラブ…?


由:小林由依モバイルファンクラブ


由:〇〇が知らないことあるんだ…


〇:それにはワケが



ぼくは由依さんに1年間のことを話した



由:なるほど。夢叶ったのはいいことじゃん


〇:ありがとうご…


由:でもっわたしのことを忘れていたのは許さない




〇:忘れてたワケでは…


由:そんな言い訳いいっ。


由:もう〇〇なんて大っ嫌い。



推しメンから発言権を奪われ、嫌われました。




由:〇〇に会ったらお願いしたいことあったんだ


〇:お願い…?


由:変わらずモデル業をしてるんだけど、〇〇にスタイリストしてほしくて


〇:スタイリスト…?


由:要はわたしのコーディネート


〇:ぼくが由依さんのコーディネートですか…?!


由:最近担当してくれてた人が辞めちゃって枠空いてるんだよね


由:そこで〇〇の出番


〇:うーん…。


〇:でも、ぼくのこと大っ嫌いじゃなかったんですか?


〇:嫌いな人と働くのイヤだとおm…


由:嘘に決まってるでしょ


由:嫌いな人に大切な仕事を頼むぐらいカンタンな女じゃないし…///


由:それぐらい考えればわかるでしょ…


由:バカっ…///










『はい。カットです!準備でき次第次のカットに移りたいと思います』



〇:お疲れ様です


由:やっぱり〇〇スタイリストさんが撮影現場に居てくれるとより頑張れる


〇:由依さんってかわいいですね


由:そんなこと改めて言うな


〇:次のカットほんとにこれでいいんですか?


由:だってわたしの自由で良いって言われたから


〇:タイトルも由依さんが?


由:もちろん


〇:これで由依さんがいいならいいんですけど…



『小林さんそろそろ再開しても大丈夫でしょうか?』



由:はーい今行きます


由:ちなみにこのセットアップ買い取る予定だから



〇:え…








大人デートで好きなあの人を落としちゃおう
~女の子らしさも添えて~







fin.

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