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私の52個のエートル トゥルマンテ ◆34個目◆

◇腹黒い初心者◇
最近、月に1〜2回のお楽しみとしてお料理教室に通っている。そして、そこで編み出したのが「初心者モード」である。これが意外と便利で楽しい。

というのも、私にはそれなりに料理の経験がある。会社の上司がものすごいパワハラで辞めたい!と思い、当時通っていたお料理教室の先生になるってやめてやる!と思い、そこの教室の先生のお免状をとった。
これ、師範コースを最後まで通えば誰でも取れる資格。それも最後何十万円かを支払ってお免状を買うようなもの。そんだけお金をつぎ込んだのでそれなりのものが作れるようにはなるわけで、そこそこ料理ができると言える。
だから、教室で教わることの中には、「それ知ってるよ」と思う内容もある。でもそこで、「私、料理上手なんで」みたいな顔をして聞き流すのはなんのメリットもないと思った。

だから私はあえて、初心者のフリをすることにした。先生に質問をして、「これ、どうするんですか?」と聞いてみる。すると、先生が「それはね!」と目を輝かせながら丁寧に教えてくれる。そして、ついでに関連する豆知識や応用テクニックまで披露してくれることもある。これが、聞くだけで得する感じがしてなかなか良い。

それだけではない。先生に「教える喜び」を感じてもらうことができるのも、この初心者モードのポイントだ。先生が教えるのに熱が入り、真剣に聞く私をみて「なんか楽しい!教えるの上手かも」と思ってもらえれば、レッスン全体の雰囲気も明るくなるし、一緒にいる生徒たちも和む。結果として、自分自身も居心地が良くなるという計算もある。これを聞いて、「なんだか腹黒い生徒だな」と思うかもしれないが、これにはちゃんとした理由がある。

料理教室に通い始めて気づいたのは、「初心者に戻る」ことの大切さだ。知っているつもりでいたことが、実は少し違っていたり、もっと良いやり方があったりする。初心者のフリをして素直に聞くことで、「そうだったのか!」と新しい発見があるのだ。

だから、これはただの演技ではなく、心から初心者の気持ちに戻る努力でもある。知ったかぶりをしてスルーするより、知らないふりをして吸収する方が、よっぽど自分にとってプラスだと思うようになった。

こうして、お料理教室での初心者モードは、私の中で欠かせないスキルになりつつある。先生を喜ばせ、自分も成長できて、なんだかお得な気分になる。これを「腹黒い」と思うか「賢い」と思うかはあなた次第だけれども、私はこの方法で、これからも楽しく料理を学び続けるつもりだ。

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