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私の52個のエートル トゥルマンテ ◆5個目◆

◇ゴミポリス◇

親戚が引っ越すこととなり、高齢のため重い物が持てない親戚を手伝って、毎週末片付けに通いました。
親戚は新しい家にすでに移り住んでいたので、残りのゴミ捨ては私が引き受けることになりました。

ごみ収集日になり、大量のゴミをごみ収集場所に持っていったところ、数分後にインターホンが鳴りました。窓を開けて外を見ると、50代くらいの見知らぬ男性が、私の出したゴミ袋を手に立っているではありませんか。

「分別がなってない!ちゃんとやらないと持って行ってくれない!」とすごい剣幕で怒られました。どうやらこの辺の「ゴミポリス」のようです。私は普段住んでいる区の分別ルールでゴミを分けていたのですが、ここではルールが違ったようでした。

翌週、今度は収集車が来るのを待って職員さんに確認しながらゴミを出そうとしました。すると、またあの「ゴミポリス」が現れ、「この人、全然分別できてないんですよ!出したゴミを何度も家に返却してやってんですよ!」と興奮気味に主張してきました。
いやいや、持って帰ったのは一回ですよ…と思いつつも、黙って聞き流していました。

あまりに細かいルールが多くて、最終的には全部持ち帰り、自分の家で捨てることにしました。

親戚に片付けが終わったことと「ゴミポリス」の話をすると、「あぁ、あの人ね、ゴミ収集場の前に住んでるのよ。自分の家の前だからずーっと窓から見てるのよ。ちょっとでも怪しいゴミが出されると、すぐ飛んできてチェックするだよねぇ」とのこと。
やはりゴミポリス!
張り込み上等!現場にすぐ飛んでくるなんて、暇なんだなぁ…と思いました。

帰宅して家族に「ゴミポリス」の話をすると、
「いるよね、そういう人。もうゴミ命っていうか、ゴミ分別に人生かけてるみたいなさ。」「ゴミ分別という正義をかかげて、分別できてない輩を取り締まる人なんだよ」と。。。
「でもさ、そういう人がいないと、ゴミ集積所なんて分別されていないゴミで溢れて汚くなっちゃうよね。無償で秩序を守らせてくれているんだし、正しいことをしてくれてるんだから、ありがたい存在でもあるんだよね。」と言われ、確かにそうかも…と反省しました。

なんだかんだで、彼が無償で「ゴミポリス」をやってくれているおかげで、環境が守られているんだなぁと思いました。ありがとう、ゴミポリス。

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