見出し画像

私の52個のエートル トゥルマンテ ◆18個目◆

◇ミルクレープの真実◇
私は、可愛いキャラクターを見かけると「かわいいなぁ」と心から思うのですが、実際に自分が欲しいかと言われると、全然欲しくない。全く欲しくない。
例えば、可愛いマグカップやリップポーチ、ぬいぐるみのキーホルダーなんて、結構いい値段だし、買う気にもなれないし、その分美味しいものを食べたいとか、この分で映画2本ら見れるじゃん!と思ってしまう。
見てる分には最高に可愛いのですが。。。。

家族や友人、同僚がそういうグッズを持っているのを見ると、「わぁ、可愛い!」って本気で絶賛してしまう。、
自分でも驚くくらいそのキャラについて話し始めちゃって、「すっごく可愛いですよねぇ」とか「これ、大人が持ってもオシャレですよね」とか言い出す始末。
朝の情報番組や広告で仕入れたキャラ情報や電車の中吊り広告をフル活用してプレゼンするもんだから、褒められた人も結構いい気分になるようです。

でも、話しすぎて「もしかして迷惑?」と思うこともある。
でも、自分が選んだものを褒められると誰だって悪い気はしないはず!だから、別にお世辞を言ってるわけじゃなくても、つい可愛いものを見かけると、心が高鳴って知らない間に褒めちぎってしまう。嘘ではない本心なので忖度もないのです。

そんなこんなで、どうやら職場の中では私が「キャラ好き」として定着してしまい、特に「ムーミン好き」ということにされていた。
職場の人たちは「お好きですよね?」といって、ムーミングッズをどんどんくれるようになり、身の回りはあっという間にムーミングッズで溢れかえった。

そのうちなんだか本当に好きになり始め、「ムーミンの洋服をネットで見かけると、洋服は実用的だと思い、自分でも買って着るようになった。
ちょっと思ったことがある。
自分の周りを好きでもないものが埋め尽くしてくるうちにだんだん受け入れ、暗示じゃないけど、みんなから好きだよねと言われると本当に好きになってくるのか?

話は変わるが、ムーミンの洋服が存在することを逆にまわりには知らなかったようで、あんな服は売ってないから「手作り」という認識になり、一部の人からは洋服を手作りしてきている人なんて思われてたらしい。いつのまにか「裁縫上手」という設定にまでなってしまった。私の裁縫力といえば雑巾1枚縫うのに1時間かかるほどの不器用さなのに、なぜか「洋服も作れる器用な人」になってしまっていた。

こうして私はムーミン好き、裁縫上手という、ちょっとした別人像が出来上がってしまい、いつの間にかキャラ好きの中でも異彩を放つ存在になっていた。

でも、異動が決まってその部署を離れることになり、ムーミンの服で次の部署に行くのもなぁと思い。その服はフリマサイトに行くことになった。新たな部署ではキャラ褒めは封印。

家族にもらった送別のプレゼントのムーミングッズを見せ、一連の出来事を話したら、「え、そうなの?ムーミン好きじゃなかったの?」と意外そうな顔をして笑い、「ミームン見るたびこれほしいかなとか思っていたのって無駄ってこと?!なんか騙された感じ」とクレーム。
「でもぉ、尾ひれってすごいね!裁縫上手までいくなんて!」と大ウケしていた。

今回の件で、噂って面白いなぁとつい笑ってしまった。
真実ではない間違った認識や思い込みのイメージや妄想がミルクレープのように重なって架空の人物像を作っちゃう。
やっぱり噂をそのまま信じるのは危ないってことだなと思った。
真実は、しっかり確認するのが大切だぁとつくづく思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?