ほうれい線は美しいか
ある女優さんのほうれい線が美しい、と
noteに書いている方がいて、
心打たれた
一つにはそういう表現を
久しぶりに聞いたと思ったから
一般的に美しくないとされているものを
美しいと思うことを忘れていた自分
昔はよく聞いた気がするのだ
貧乏が美しいとか、
労働者の汗は美しいというような
もう一つは
ほうれい線が美しいと言える素直な気持ちに
感嘆したから
その方は目の下のたるみも褒めていた
本当にそう思っているのが感じられて
そんなふうに素直に感じられたらいいのに、と
羨ましくなった
例えば美術館に並んでいるものの中から
好きなものを選ぶことはできる
かわいいアイドルを見比べて
この子が好きだと言うこともできる
きれいな店が好きだ
美しくて、良いものは決まっている
でも、本当に?
自分のほうれい線を見てみる
それを私は案外好きだ
人から良いと思われるなんて、夢にも考えないけど
色味が抜けた仏像をいい!と言い出したのは
フェロノサらしい
仏像は本当は極彩色だったのに
今ではそんなふうには修復しない
世界中の人が、全員それぞれ美しい
歳を重ねながら、
色んな美しさを発見することができる喜び
思うことは自由だから
私はそうして楽しみに生きていこうと思う