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のりかな毎日エッセイ250120:推しの子最終回考察おまけ:炎上という冤罪:総括と愚痴
2025年1月20日、23時42分。
さて。
今週は何の話をしようか。
先週は、週末にまとめて5000字くらい書いて、
1000字くらいに区切って毎日投稿すれば、時間を節約
できると考えて試してみたけど。
そうすれば文字数も適度に読みやすい長さになるし、投稿時間もド深夜に
ならずに済むと思ったのだけど…。
「推しの子」最終回考察が5000字で済むわけもなく。
考察1回目:1966字
考察2回目:4074字⁉
考察3回目:9936字!!
考察4回目:5979字…
足し算すると21955字、4倍超だね。
月曜日の分も足すと24365字だから、約5倍になる。
結局文章って、ある程度キリのいいところでないと締められないから、
1000字ごとに強引に切り分けていけばいい、というのは机上の空論
だったのかも。
というか、1000字ごとにバスバス切っていったら、
「推しの子」最終回考察は21回目まで続くことになってしまう。
21日間、毎日推しの子考察が続いたら読者が離れるだろう…。
長くても内容ごとに分けて4回に収めたのは正解だったと思う。
とはいえ、収めたのか?
まだ書いてないことがいっぱいあるけど?
有馬かなとかあかねの話とか。
そこに言及すると考察が終わらなくなるのでスルーしたけど。
推しの子はゴローとさりなの悲恋から始まるわけだから、
「推しの子」という物語について考えるならこの二人に絞らざるを
得なくなるわけだし。
「死んでも転生して復活できる」というのは推しの子の世界の基本設定
らしいけど、ゴローとさりながチートなのは、前世の記憶が残っている
ことなわけで。
前世の失敗や経験値を生かせるから、「前回はこれで失敗したから今回は
こうしよう」ができるようになる。
前世の記憶が無ければ、転生したところで、同じ過ちを繰り返し続ける
だけだ。
転生したアクアは、ゴローだった頃の経験値を生かし、ついでに復讐に
燃えていた時期に姫川や、カミキや星野アイについて調査したので、
いわば彼らの人生も疑似体験することになる。彼らの失敗も経験値にして、
ルビーがさりなの生まれ変わりだとようやく気付いたアクアは、
前世で失敗した課題に再チャレンジすることになる。
「個人の夢を追うこと、スキに忠実に生きること」と、「世間の常識や
ファンの嫉妬による報復」という矛盾、板挟みをどう超えるか。
「前世の記憶が残っている」と、「人が死んだら無になるのではなく転生
する」ということも分かるので、これが更なるチート能力になる。
アクアにとって死は一巻の終わりではなく、単にもう一度やり直すことに
なるだけだ。とはいえ窒息は苦しいけど。
転生した自分に前世の記憶はもう無いかもしれないけど、推しを失うことに
よって最強のアイドルになったルビーことさりなちゃんを、今度こそ世間の
しがらみや、ファンの嫉妬を気にせず全力で推せるようになる。
…と、アクアが考えたかどうかは分からないし、これが作者の構想だったか
どうかも分からない。でも、そうだったと考えると一番、推しの子が整合的に理解できるし、一番面白くなる解釈だと僕は思っている。
:
アクアが何で死んだのか分からない、という読者は、いわば、恋人や家族が
突然自死してしまい、呆然としている遺族のようなものだと思う。
遺書も残っていたし、「家族は何も悪くない。俺自身の都合で自死を選んだ」と書いてあったけど、「本当は」どうだったんだろう?本心は?
「家族は何も悪くない」というのは本心?それともファンサービス?
「本当は」あの人は私たちを憎んでいたのでは?
本当に私たちを愛していたのだろうか?
という問いが無限に繰り返されるけど、人の心の中を知ることはできない。
クレタ人のパラドックスだ。
「私は嘘吐きだ」と言うクレタ人が、「私は本心を言っている」と言ったら
それは本心なのか、それとも嘘なのか?アイドルは嘘吐きだ。
アイドルであるアイや、アクアやルビーの「本心」は嘘?ホント?
漫画であれば、人の心の中を表現することはできる。
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上のコマだと、「二度と来んなバーカ」が内語表現であり、このバイトくん
の「本心」ということになる。
漫画家はこうして、嘘吐きキャラの本心を読者に暴露することができる。
この手法を使えば、アイの「愛してる」が本心だったかファンサービスだっ
たのか白黒ハッキリ付けられるし、アクアが自死した理由も読者に説明
できるだろう。しかし肝心なところで、僕はあえてだと思うけど、
作者は内語表現による「説明」をせず、ぼかしている。
アクアの自死に立ち直れないほどのショックを受けたはずのルビーが、
「それでも立ち上がった」ことについても、全編、あかねという他者の
モノローグに終始していて、要するにあかねから見てルビーは「立ち上
がった」ように見えた、ということでしかないのだ。
ルビーは「本当は」再起できていないのかもしれない。心は壊れたまま
なのかもしれない。
でもルビー本人に問いただしても、「大丈夫!私は元気だよ♪」と明るく
応えるかもしれないけど、その言葉が本心なのか、アイドルゆえのファン
サービス、つまり嘘なのかは判別できないだろう。
「漫画」でない以上、現実の人間の言葉が本心なのか嘘なのか、は不明
なのだ。私たちは相手の期待する言葉を予想して、その場にあった言葉を
返すことがある。アイドルでなくても、僕たちは嘘吐きなのだ。
しかし推しの子は漫画であり、やろうと思えばキャラの本心を読者に暴露
することはできる。その説明省略を、「読者への説明不足」だと判断した
一部ファンは炎上書き込みという報復に出た。
「自分たち読者には当然、キャラの本心を内語によって説明してもらう
権利がある。じゃないとモヤモヤするじゃないか!
なぜアクアくんが自死した理由を説明しないのか、きっと説明できない
からに違いない、アクアの気持ちなんて考えてないんだ、読者をビックリ
させようとして適当に殺したんだ。許せない!
ルビーが再起した理由だって、説明できない以上、何も考えずに殺したに
違いない!とってつけたようなハッピーエンドで読者が満足すると思った
か、バカにするな!」
推しの子を炎上させて天誅を下そうとした一部の読者の動機、犯行声明は
こんなところだろうか?
僕は作者は、漫画のキャラでなく「人間としてのアイや、アクアやルビー」の内心に踏み込むことは尊厳を踏みにじることだし、漫画だからといって、
他人の心の中を覗き込んでそれを暴き立てるようなことをしていいのか。
そう考えて踏みとどまったのではないか、と思っているけど。
考えてみれば、漫画のキャラの内心を説明するのはスキャンダラスな行為
だ。他人の内面を暴きたいと思うのはゲスな欲求ではないか?
アイの本心を暴露するような最終回を一部の読者は望んだのかもしれない。
アイは結局、天使なのか悪魔なのか?アイの化身であるツクヨミに暴露
させればいいじゃないか。
アイの本心は暴露されずよくわからないままで、アクアも「なぜか」自死し、でもルビーは「なぜか」再起し東京ドーム公演を達成した。
その「説明省略」を「説明不足」と決めつけて炎上という復讐を行うのは
余りに早すぎないか。即日処刑するというのは恐怖政治すぎる。
せめて裁判をして有罪か無罪か、というか冤罪かどうか吟味するべきだと
思うけど。頭に血がのぼっても、ギルティ―だと決めつけてツイートする
前に、もう一度1話から読み返してみれば、見落としてた新発見、新証拠が
見つかるかもしれないし。僕のような素人でもいろいろと面白い発見が
あったわけで、おかげでこの文章も書くことができたし。
頭に血がのぼって「復讐だ!」と騒いでたアクアも、復讐のためにいろいろ
調べているうちにアイについての新発見があったりして、「見直し」を迫ら
れたんだと思う。それはアクアが日和ってダメになったのでなく、むしろ
成長したんだと思う。
袴田さん事件みたいに、調べてみたら冤罪かもしれないのに。
処刑してから実は冤罪でした、と分かっても、もう遅い。
僕は4回に渡って、推しの子を有罪と即断して炎上させた人たちに対し、
その判決理由をまず調べ、「本当に有罪なのかな?」と読み直してみて、
反対弁論?を構築してみた。有罪どころか冤罪では?と僕は結論したけど。
「読者である私が不快に思ったならその時点で有罪決定なんだよ!」
と言われたらどうしようもないけど。そこまで偉いのかな読者って?
しかも不快に思って炎上させた人たちは、読者の「一部」でしょう?
まぁ冤罪だったとしてもすでに炎上という刑は執行されてしまった後だし。
裁判所でさえ判決を出すまでには何年もかけて精査するのに、炎上という刑
はムカついたら即日実施されるのが怖い。
逮捕して即日処刑とか、ソ連じゃあるまいし。
アクアに倣って、炎上という冤罪を起こした「真犯人」を暴くべきかな?
でも炎上書き込みをした一人一人は、自分が悪いことをしたとも思ってない
無責任な人たちの集まりでしかないわけで…
だいぶ愚痴っぽくなってしまった。もうええでしょう。
昨日、ガンダムシリーズの最新作の映画を観てきたので、その感想を書こうか、推しの子感想のまとめと愚痴を書こうか、はたまた別の話をしようか、
迷っていたけど、シームレスに推しの子の話になっていったので流れのままに書いていったら愚痴っぽくなってしまった。
炎上って裁判もせずに即日刑が実行されるし、一般人が無自覚にスターリンみたいになるから怖いね、という話。というまとめにしよう。
「推しの子」最終回が炎上してるのに誰も弁護しないようなので、素人が
冤罪を立証してみました、というまとめでいいのかな。
「推しの子最終回、作者は理由もなくアクアを殺したりルビーを再起させたに違いない、許せない復讐してやる!」と考えるより、「どうしてこういう最終回にしたんだろう、もう一度一話から読み返してみよう」と考えた方が面白い発見があると思うし、コスパも良いと思うけどね。漫画も値上がり
してるんだから何度も読み返さないと損だよ。
というわけで、愚痴が止まらなくなりそうなのでこの辺で。
推しの子作者の次回作が炎上のせいで読めなくなったり、
忖度してつまらなくなったりしないことを祈りつつ…
では、また明日♪
:
(何か不満があったとき、「なんでこうなるのだろう考えてみよう」と
ならずに、考えるのがストレスだからなのか、「こうに違いないムカつく」
とすぐに答えを出して行動する人が増えた気がする。
気のせいかな?いずれこの問題についても考えよう。)