木村紘“Folds”自作自演インタビュー 前編
”Mr Jazz Drummer“
人は彼をそう呼ぶ。
ドラマー木村紘34歳。
木村の最新アルバム”Folds”が発売されるにあたって、忙しいスケジュールを縫って自作自演インタビューを行った。
ニューアルバム”Folds“は関西が世界に誇るジャズギタリスト竹田一彦氏をフィーチャーしたライブ録音だ。
インタビュアー(木村)
本日はお忙しい中ありがとうございます。
木村紘 こちらも仕事が山積みでねえ。手短に頼みますよ笑
イ まずは竹田一彦さんとの出会い、そしてアルバム制作に至った経緯を教えていただけますでしょうか?
木村 まず出会いは、僕がバークリー音楽院の留学を終えて帰国した2014年の年末、大阪のSubでした。お名前は存じ上げていましたので緊張したのを覚えています。そしてほぼぶっつけ本番でライブを迎えて、その演奏に大きな衝撃を受けました。その時竹田さんは70代後半だったと思いますが、もうジャズの塊という感じでジューシーなフレーズが次々に飛び出してくるんです。しかも何百回と演奏してきたスタンダードも、竹田さんが演奏するとまるでその場で作曲しているかのように新鮮に聴こえます。そこから竹田さんに大変かわいがっていただき、年数回共演していました。しかしコロナ禍でイベントがキャンセルになったりで1年以上お会いしていませんでした。2021年の11月に久しぶりに共演させていただいて感動し、勝手にアルバム制作を決意しました笑
※大阪Sub 故西山満氏が作った大阪谷町九丁目の老舗ジャズクラブ、現在はサックスの奏者の長谷川朗氏が店主を務める。
イ そうだったんですね。ライブレコーディングにするというのも最初に決めていたんですか?
木村 竹田さんとレコーディングするならライブにしようと最初から思っていました。一回きりの臨場感を残したかったんです。
イ 他のメンバーも広瀬未来さんをはじめ素晴らしいですが、どうやって選ばれましたか?
木 ぶっつけ本番でレコーディングするにあたってイニシアチブを取ってもらえる強力なフロントが必要でした。そこで竹田さんとの共演も多い最強の広瀬さんにお願いしました。広瀬さんがいれば音楽だけでなく全てを最高にしてくれる頼れる兄貴です。リズム隊は僕が気心の知れた人が良くて、1st Albumにも参加していただいた田中菜緒子さん、伊藤勇司君を東京から呼びました。菜緒子さんはとにかく音が綺麗でスイングします。伊藤くんは一番共演している信頼するベーシストでこの日も強力なビートで引っ張ってくれました。2人は竹田さんと初対面でしたが、いい化学反応が起きています。
イ 初対面でライブレコーディング、スリリングですね。
木村 はい笑 厳密には前の日に2時間だけ顔合わせでリハーサルしました。直前にコメダ珈琲に行ったのですが、かき氷を食べるか迷いました。
イ 全く関係ないですね。ところでFoldsというアルバムのタイトルはどういう由来があるのでしょうか?
木村 Foldsは”ひだ“という意味です。録音した神戸100BAN Hallのステージには大きなカーテンがかかっていまして、そのヒダが印象的なのと、竹田さんが生きてきた歴史をヒダと表現していたり、、さまざまな意味があります。
イ 会場となった神戸100BAN Hallも素晴らしい会場ですよね。
木村 そうなんです!1949年に建った歴史あるビルで、会場の雰囲気、音響も素晴らしくてまさにピッタリだと思いました。実は父親が30年ほど前にこのビルに事務所を借りていまして、子供の頃から行ったことがあったんです。そんな不思議な縁もあります。
次回はいよいよ音楽の内容に迫る!
続く
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