千客万来に行ってみたらまさかの結果に
今日は千客万来に行ってみた。千客万来に行ったら、千一客万一来になっちゃうんじゃないかと心配で昨晩はうまく眠れなかった。実際はストゼロの三本目の途中で力尽きて床で寝てた。二月にそんなことをしたら寒いと思う。思うで牛~モ~。
ということで朝はお母さんに起こして貰って(僕は今年で26になる)平日の昼間に(働いていない)家を(2LDK)飛び出した(のさ)。
そんでまあ友達が送ってくれた行き方を見ながら電車に乗ったり降りたりして豊洲駅に着いたんだ。いい友達を持ったと思うじゃん?そうなんだ。合ってるよ。肩ポンポン。
ちょっとだけ僕はその子よりも早く着いたからブラブラしていた。適当な出口から出るとそこは丸い中庭のような場所だった。ぐるりとお店が囲んでいて芝の上には丸テーブルと椅子が点々と置いてあり陽光が三日月のように中庭を二分していた。僕は日に当たったベンチで座って本を読んでいたらカッコいいかなと思ってたところ、そんなところが空いてたので座った。しかし眩しくてあんまり目を開けていられないし、本を開いても白い紙面が光を反射して目が痛くなってしまうので読めなかった。だからそこには一分も居ないで立ち上がってしまった。
結局日陰のベンチに座った。近くの丸テーブルではスーツを着た若い男性がノートパソコンを開いてリモート会議をしていた。オフィスカジュアルな女性と別のスーツの男性が正面衝突しそうになって男性が避けた。リモート会議が終わったのか近くのテーブルが空いた。
「何番出口から出た?」
ラインが入る。そんなの覚えてないので確認しに駅構内へ引き返して、3の数字を確認して送り届ける。ほんの30秒ほどして視界の右下から茶色い球体が登ってくる。それはその子の頭部であり、そうして僕達は合流した。のである!!!!🐶
白いニットにベージュのコートを羽織っていてなんだか綺麗だったのでなんだか綺麗だと言うとそんなの当たり前でしょみたいな感じではなかったけどまあありがとうみたいなことを言ってたかなうん。
豊洲駅から千客万来までにはそれはもう気が遠くなるほどの距離が隔たっている。間に崖もあるしジャングルもあるし重力の強い場所もある。ない。まあでも一キロかニキロくらいはあるのでてくてく歩くことに私たちはしました。
ここで一緒に行った友達の名前を決めておこう。なんとなく葉っぱみたいな感じがするので葉ちゃんということにします。
ゆりかもめという名を持つモノレールに沿って歩けば着くらしかったので僕達は高架斜め下を歩いて向かった。天気はいいし道は広いし木曜日だしなんだかいい気分だった。何を喋ってたのかはあんまり覚えていないけど、「車って曲がりたいと意思表示する機能が態々ついてるしそれがチカチカするという方法なのが可愛いよね」と言ったことは覚えている。あと赤いジャージのおじさんを見てヤンクミみたいかカジサックみたいかで揉めた。
一キロ地点くらいで葉ちゃんは目を細めた。先には青信号が光っていた。
「私、あれ渡りたい」
僕はごくりとおーいお茶を飲み込むと頷いた。そして僕は走り出して、葉ちゃんも走り出して、僕は葉ちゃんの腕を掴んで妨害して、葉ちゃんも僕の腕を掴んで妨害して、葉ちゃんが道路を渡っている最中に僕が後ろから追い越して、そのまま50mくらい一人で走った。葉ちゃんは笑っていて、僕も笑っていた。あはは…あはは…。
そして僕達は小さな江戸をとうとう発見したのだった。
~千客万来の中を探検編に続く~