大関豊昇龍逆転優勝
2025年大相撲初場所は26日に千秋楽を迎え星の差1つで追っていた大関豊昇龍が本割と優勝決定巴戦を制し逆転で2回目の優勝を果たし横綱昇進に向けて大きな一歩を踏み出しました。
今場所は9日目で3敗を喫した時点で優勝と綱取りは絶望的と思いましたがそこから立て直し驚異的な粘りと抜群の集中力、勝利への執念などで優勝を手繰り寄せたのは見事でした。思い返すと大関昇進直前で優勝した場所も似たような状況から逆転優勝と大関昇進を手繰り寄せるという(審判部長の話では優勝以外に大関昇進はなかったというような趣旨のコメントをしていた気がします)驚異的な粘りを見せていました。こういった経験と立浪親方からの楽しくやれという助言があったのも大きかったように感じます。
以前ならスピードや足腰の力強さは持っていましたが立ち合いから廻しを求めにいったり、強引な投げで墓穴を掘ったり、突き押しタイプには圧力負けして引いてしまうような相撲も多かったのですが、ここ2場所は突き押しタイプの力士に圧力負けする場面も減り、突っ張りを軸に自分の得意な形に持っていく(そのまま勝負を決めることもある)攻めの相撲で勝つという豊昇龍の型ができつつあるように思いました。
審判部が八角理事長に横綱昇進を諮る臨時理事会の招集を要請し承認、横綱審議員会に諮問することになりました。これにより横綱に推薦されれば臨時理事会を経て横綱昇進となります(ざっくりいうと)
なのでまだ横綱昇進が確実となったわけではありませんが
照ノ富士引退により現状横綱が不在(横綱は必ず在位していなければならないということはないので空位でも問題はないが)という状況に加え、直近2場所で13勝2敗(優勝次点)12勝3敗(優勝)と2場所連続優勝もしくはそれに準ずる成績という内規を満たしている点、相撲内容の良さ、将来性なども加味され横綱昇進の可能性は非常に高いと思います。仮に見送られたとしてもここ2場所の相撲内容を続けていけば横綱昇進はいずれ可能だと思います。今後の展開に注目です。
話は変わり千秋楽まで優勝争いの先頭を走っていた金峰山ですが本割、決定戦と敗れ惜しくも優勝を逃しましたが今場所は突き押しが冴え昨日の霧島戦のような最後まで勝負をあきらめない姿勢は見事でした。この経験を次に生かしてほしいと思います。また金峰山を本割で破り優勝決定戦に持ちこんだ王鵬(自らも決定戦に進出)も突き押しの威力と安定感が増し引き癖もほとんど見られませんでした。着実に力をつけてきているのでさらなる高みを目指していってほしいと思います。
あっという間の15日間でした。
今場所も熱戦の連続で非常に見ごたえのある場所でした。春場所も非常に楽しみです。