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鈴鹿山脈全山縦走(柏原駅~柘植駅)2024.11/21~23
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【強風の鈴鹿山脈縦走】
1日目
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名古屋駅からの東海道本線始発で柏原駅に着いたのが6時40分。
駅を降りると冬晴れのモルゲンロートで伊吹山が輝いているのが見える。
駅近くのローソンで簡単に朝食を済ませたあと完全初見での鈴鹿山脈の縦走に取り掛かった。
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標高を上げるにつれ冬型の北風が強さを増してくる。
2時間ほどで霊仙山に到着。
この霊仙山は鈴鹿山脈の縦走路からは少し離れた場所にあるが前から行ってみたかった場所なので寄り道。
何の変哲もない雑木林からいきなりカルスト台地のような荒涼とした景色に変わり驚かされる。
まるで外国みたいな景色。里からも近い低山なのに…いや日本って広いね。
しかし朝は快晴だった空だが霊仙山頂まで登ってくるとあれよあれよとガスってきて何も見えなくなってしまった。
細かい雨まで降ってくる始末で少し焦ったがこれはすぐ止んでくれた。
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五僧峠までは地図上には登山道表記が書かれていないが一応踏み跡になっている。五僧峠を愛知側に少し下った車道脇の沢で水補給。
三国岳まで来るとようやく多くの人に歩かれているようなしっかりした登山道になってきた。
その頃にはガスも晴れ濃尾平野もよく見渡せるほどに天気も回復するが相変わらず冷たい北風が吹き付ける。
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鈴鹿山脈の最高峰である御池岳周辺は笹の台地状だったり広葉樹の天然林が広がっていたりで変化に富み飽きさせない。
所々に山名の由来である池が点在していてとても雰囲気がある。
これは多くの人が訪れるのも納得。雪の季節に来たらさぞかし楽しそうだ。
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稜線は複雑に突き上げる沢の間を縫うように続き緩いアップダウンを繰り返しながら藤原岳へと続いてる。無人の藤原山荘で小休憩。
藤原岳到着はちょうど17時頃で夜の帳が降りてきた。
濃尾平野や伊勢平野の夜景が眩しい。
もう少し先に進みたかったので残業を開始したが竜ヶ岳まで来ると再びガスに覆われしまう。
この日は石榑峠を少し下ったところに水場と良い幕場を見つけることができた。
21時就寝。夜の間じゅう空の高いところでゴウゴウと風が怒り狂っていた。
2日目
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3時半起床4時出発で縦走を開始。この日も冬型で朝から風が強い。
釈迦ヶ岳で夜明け。伊勢湾がキラキラと朝日で輝いている。
ようやく前方に鈴鹿山脈の盟主たる御在所岳が見えてきた。
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猫岳、ハト峰、金山、水晶岳とダイナミックに移り変わる景観を楽しみながら縦走する。
この辺の景色も低山とは思えないような山深さを感させ、この頃になると僕はすっかり鈴鹿山脈に魅了されてしまっていた。
関東なら差し詰め丹沢山地のようなポジションになるんだろうか。
そういえばどことなく似てる。
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そうこうしてるうちに御在所岳に建つ野暮なレーダー雨量計がだんだんと近づいてきていつの間にかしっかりとした舗装道路に出た。
どうやら山上公園の一角に出たようだ。
昨日登り始めてから片手で事足りた出会った人間の数が一気に百倍に増える。
10時御在所岳山頂到着。平日の凍えるような強風にもかかわらず山頂には数多の観光客。やはり人気があるんだね。
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次に山頂からもよく見える鎌ヶ岳を目指すのだがこの山はノーマークだったのでその鋭い尖峰を見て唸ってしまった。
御在所岳よりよっぽどこっちのほうが鈴鹿の盟主に相応しいと思ったが僅か標高差50mの差で軍配を明け渡してしまった。
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この鎌ヶ岳も大人気なようで多くの登山者を迎えていたがさすがに観光客はゼロ。登りも急峻で手応えがある山だ。
山頂から水沢峠までは鎌尾根と呼ばれるギザギザ岩稜線が始まりなかなかペースが上がらない。
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仙ヶ岳から先になりようやく走れるぐらいのなだらかな稜線となりペースアップ。
安楽越で水補給し更にスピードを上げようとするもまた痩せ尾根のアップダウン地獄が始まってしまう。
しかも陽も暮れてガスと小雨が降りだすコンディションに。
実は今回の鈴鹿山脈は密かに2日切りを目指していたので夜通し歩くつもりだったがこれで心が折れてしまった。
とりあえず今日は鈴鹿峠までと目標を変更して進む。
鈴鹿峠19時半。
沢に降って水補給しテン場を探したが峠近辺はあまりにも風が強くとてもシェルターを張れなかったが、愛知県側に降った植林地の中に良い場所を見つけることができた。
幸い雨も止んでくれた。
3日目
4時出発だが朝方またパラパラと雨が降ってきて一面ガスに。
おかしいな…3日間とも快晴予報のはずなんだが。
鈴鹿峠から先は楽になるだろうと勝手に高を括っていたが全くそんな手加減は見せてくれず寧ろ昨日以上のアップダウンに時間がかかる。
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奥多摩の笹尾根ほどの標高しかないのだが三点支持を必要とするようなギザギザ稜線の連続。
これは昨夜ナイトで歩いても今の自分の実力では到底2日切りで終わらせることなど無理だったと思う。
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幸いガスも晴れ陽射しが戻ってきた。
高畑山、那須ヶ原山、そして最後の油日山を越えてようやく鈴鹿山脈全山縦走完了。
最後のロードランで柘植駅には10時前に到着することができた。
この山行にあたってわざと情報をあまり入れず歩き始めたが正解だった。
予想の斜め上を行く景観と山の厳しさに完全に虜になってしまった。
いろいろ見知った次は実力と装備を更に洗練させ本当の2日切りを目指して再訪したい。
【2日切りのためのメモ】
1.柏原駅は0時スタート
2.今回は水場が枯れている場所が多く水補給に難儀した。もう少し早い時期がいい?
3.寒さと強風とガス
4.シェラフと補給食をもっと軽量化、洗練化
5.ギザギザ稜線対策。おシリの筋肉のパワーアップ
6.高額でためらってたがGPSウォッチを買おう。夜やガスのトレイルでいちいちスマホを確認しているだけで時間がかかる。またGPS2台体制の方が安心だ。
しかしいい歳をしたオッサンがこんな子供みたいに熱中できるなんて我ながら幸せだな。
幸福に必要なものはそう多くはないのかもしれない。
【装備】ベースウェイト4.25kg
<ギア>
パーゴワークス・ラッシュ30
ヘリテイジ・ストックシェルター
モンベル・ドライ シームレス ダウンハガー900 #2
モンベル・ULフォールディングポール113
エマージェンシーシート
スントコア
<アイテム>
エバニュー・ウォーターキャリー2L
ペツル・スイフトRL
プロテクトJ1
テーピング
Shokz・OpenRun
薬(バファリン・ガシンサン・絆創膏)
歯ブラシ
サングラス
BEFREE
熊鈴
日焼け止め
耳栓
モバイルバッテリー10000A
ダイソースプーン
ペットボトル500ml×2
レインウェア
<シューズ>
アシックス・トラブーコマックス3
<ウェア>
パタゴニア・ダックビルキャップ
BD・ビーニー
パタゴニア・フーディ二ジャケット
ファイントラック・スカイトレイルジャケット
ファイントラック・ドライレイヤーウォームロングスリーブ
TNF・バーブライトランニングパンツ
モンベル・メリノパンツ
インナーファクト・5本指ロングソックス
サロモン・ボナッティウォータープルーフミトン
R×Lマルチグローブ
ファイントラック・ドライレイヤーアンダーグローブ
Buff
ファイントラック・ポリゴンULジャケット
モンベル・レッグウォーマー
爪先ソックス
着替え
<食料・補給>
Huel
ぶっこみ飯
アミノバイタルゴールド
カロリーメイト
ラムネ
塩熱サプリ