また、いつかあおうね!(創作絵本ストーリー③)
『ママ。なんだか、りくのげんきがない』
『そうね。りくは16さいだから、もうおじいちゃんだもん…かいちゃんがうまれるまえからうちにいるんだもんね。』
りくは、パパとママがであう、うんとまえに、このうちのこになったいぬ。
ぼくは、かい。7さいのおとこのこ。
ぼくがうまれてから、りくはいつもぼくのそばにいたんだ。
ぼくをまもってくれてた。
りくとおさんぽしたり、ボールであそんだり、ぼくとりくは、いつもいっしょ。
でも、りくはだんだんおさんぽにいけなくなった。
めもあまりみえない。みみもよくきこえないんだ。
でもぼくは、りくがだいすき!
ぼくが、がっこうからかえると、いつもりくは、しっぽをふって、ぼくのかおをなめてくれる。
なつやすみがおわって、きょうからがっこうがはじまるひのあさ、りくがおきあがらなかった。
『りく!ごはんたべないと、げんきでないよ。がっこうからかえってきたら、またおはなししようね!りく、いってきます!』
ぼくはずっと、りくのことがしんぱいだった。
『ただいま!』
『おかえりなさい。かいちゃん』
『ママ!りくは?ごはんたべた?』
『かいちゃん…あのね…』
『なに?』
『りくね…』
『え?りくどうかしたの?』
『りく、しんじゃったの…
かいちゃんが、かえってくるちょっとまえに…なんどもおきあがって、げんかんにいこうとしたの。かいちゃんがかえってくるのまってたのかも』
『うそだ!』
ぼくは、りくのところにいそいだ。
『りく!』
ぜんぜんうごかない。
『やだよ!りく!なんで!!もっといっぱいおはなししなくちゃ。なんで!やだよ!』
ぼくは、いっぱい、ないた。
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りくのおそうしきがおわった。
おうちにかえっても、ぼくはずっと、なみだがとまらなかった。
ぼくは、へやからでられなかった。
『かいちゃん、はいるね』
『かいちゃん、きいて。かいちゃんがうまれるまえにしんじゃった、ママのおばあちゃんがよくいってたことがあるの』
『なに?』
『いぬは、かぞくをまもるおやくめ。ねこはかぞくのじゃき、わるいものね、それを、すいとるおやくめがあるんだって。』
『そうなの?』
『だから、いぬやねこが、かぞくのことをまもったり、わるいものをすいとったりするとつかれちゃうの。その、つかれをなくしてあげるためにも、みんなでしっかりあまえさせてあげたり、かまってあげることがだいじなんだよって』
『りくもそうだったの?』
『そう。いぬもねこも、かぞくのあいじょうたっぷりうけてくらしてると、しんでも、はやくにうまれかわれたり、ひとにうまれかわったりするんだって』
『そして、しんじゃったら、ちいさなひかりのたまになるの。たましいっていうんだって、そのひかりのたまは、ずーっときえることはないんだって』
『え?じゃ、りくもひかりのたまになったの?』
『そう、りくもひかりのたまになったの、またどこかでうまれかわるんだよ』
『ぼくのところにきてほしい!』
『そうね、いつか、またあえるかもね』
『うん!』
『だから、りくがちゃんと、てんごくにいけて、またうまれかわれるように、かいちゃんもげんきださなきゃ』
『うん!』
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それから、さむいふゆになったあるひのあさ、ぼくはねむいめをこすりながら、ふと、ママをみた。すると、まるいひかりがママのおなかにはいっていくのがみえた。
『ママ!ひかり!まるいひかりが、ママのおなかに…』
『え?かいちゃん、どうしたの?』
『…なんでもない』
そのまま、ひかりのたまのことをわすれてたぼくは、いつものようにがっこうからかえってきた。
『ただいま!』
『かいちゃん!おかえり!』
『どうしたの?ママなんだかうれしそう』
『あのね、かいちゃん。
かいちゃん、おにいちゃんになるんだよ!』
『え!!ほんと!』
『ママのおなかにあかちゃんがいるの』
(あのひかりだ!きっと、りくだ!!)
『ママ、あのね、あのとき…』
『なに?』
『ううん、なんでもない!』
(りくだ!!
おとうとかな?いもうとかな?うまれたらいっぱいおはなししてたくさんあそんで…それから…りくがぼくをまもってくれたぶんだけ、こんどは、ぼくがうまれてくるあかちゃんをまもるんだ!)
『ママ!ぼく、うまれてくるあかちゃんと、いっぱいあそんで、いっぱいおはなしして。ぼくがまもるからね!』
『ありがとう、かいちゃん。もう、すっかりおにいちゃんね』
(りく!いままでありがとう!またあおうね!)
おしまい
長文最後まで読んでくださりありがとうございます😆💕✨
人も動物も肉体はなくなっても、魂は永遠につづくそうです。
……また………いつか……会える……
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