【上海電力】入札に関するあれこれ(6/15追記あり)
はじめに
久しぶりに記事を書こうと思いますが、本日の内容は特に真新しい事実関係等ではなく、これまでバラバラと出ていた内容について、私なりの考察や解説をかなり分厚くしつつ、事実関係をまとめた内容になります。
私自身も最近はTwitterで発信していますので、すべて読んでくださっている方には既知の内容がほとんどになりますが、どうしてもTwitterだと情報が断片化されてしまいますので、まとまった情報掲載という趣旨で主に入札についてお伝えしていきます。
なお、入札後について様々議論があることも承知していますが、本日は「入札」を巡る動きのみに焦点を当ててお話します。
入札に関する各種時系列の整理
最初に時系列を整理しておきましょう。すべて証拠となるリンク(太字)を繋いでいますので各自クリックしてお確かめください。
2012年10月10日 副市長会議開催(①) 速報リンク 確報リンク
同日 毎日新聞による報道(下画像)(②)
6/9追記 本毎日新聞のアーカイブをいただきました。
これで本記事の存在は確定です。 リンク
2012年11月 8日 入札案の起案 (②) 決裁文リンク
2012年11月12日 上記案決裁【港湾局長】 リンク同上
2012年11月16日 HPにて入札公告開始(②) 公告HP
2012年12月 5日 入札及び開札(③) リンク同上
2012年12月12日 入札結果公表(②) リンク
2012年12月26日 報道発表 リンク
その後は入札後の契約の話になりますので今回は割愛します。
上記の項目の番号と関連させて、次のような見出しにしてみました。
①副市長会議について<副市長案件への格上げ?>
②入札と公告について
③入札当日について(1円入札の怪)
順番に見ていきましょう。
①副市長会議について<副市長案件への格上げ?>
これは前回記事でも取り上げましたが、今回はここをめちゃくちゃ掘り下げたいと思います。本日のほぼメインの内容です。
記事の中で、山口氏はこう述べられています。
これに対し橋下氏は北村氏との対談でこのように述べられています。
2:20~あたりから橋下氏がご自身の見解を述べられています。
注:内容は一言一句再現ではありません。
これに対し、山口氏は意義を唱えます。
上記を検証してみます。
まず副市長会議ですが、設置されたのが2012年6月からなので、橋下市政下(2011年12月~)で設置されたのは間違いありません。
副市長会議のトップページにはこう書いてあります。
ここだけを読めば、必ずしも局横断案件を扱うというわけでは無く、他の案件を見ても確かに局単体の案件もあります。
ただし、副市長は3名いらっしゃり、それぞれが複数の局を担当しており、その局間の横断的な調整を行う役割をしているというのは一般的な認識として間違いはありません。
では、今回の咲洲メガソーラーは港湾局の単独案件だったと言えるのでしょうか? 今一度当該会議の議事録(2012年10月10日)を見てみましょう。
この会議中では港湾局・環境局が共に参加し、2局で説明を行っています。なぜでしょうか?
これは、資料を読めば本事業が港湾局の事業でありつつも、「おおさか環境ビジョン」に基づき、「咲洲地区スマートコミュニティ実証事業」に協力して実施する、というものです。だから環境局が加わっているわけですね。
これらは何でしょうか?
まずは「おおさか環境ビジョン」
これは、大阪市の環境政策の大方針で2011年3月に成立しました。こういうものこそが「市長案件」といえるようなものです。なおこのときは平松市政であったことに注意です。一部内容を紹介します。
この中で、夢洲・咲洲はエネルギー産業を集積させるようなまちづくりを行うと明記されています。これを受けてすぐに夢洲メガソーラーも進みだすのです。重要なのは夢洲だけでなく、咲洲も含めて環境政策にカジを切るよとなっている点です。
他方で、2011年12月22日(橋下氏当選直後)大阪市では先んじて申請していた「関西イノベーション国際戦略総合特区」というものにも指定されています。
この中でも夢洲咲洲エリアが環境施策の目玉地域であることが大々的に謳われています。
次に「咲洲地区スマートコミュニティ実証事業」です。
こちらは2012年4月3日に公表された環境局の事業になります。
色々あって複雑な事業なので各自ご確認いただければと思いますが、一部だけを紹介します。これを見ると、太陽光発電やら下水発電を利用しつつ、咲洲内のATC、コスモスクエア駅、インテックス大阪、咲洲庁舎の4つの施設の中でエネルギーを融通し、最適化を図りましょうという施策が含まれているのがわかります。
重要なのは、平松市政よりあらゆる場面において夢洲・咲洲が重点的な環境政策エリアであるとガチガチに固められてきたという点でしょう。
ここまでが環境局です。
さて、他方で、港湾局です。現在渦中のソーラー発電の場所は、当時「コスモスクエア海浜緑地計画地」と呼ばれており、緑地として整備していくことが検討されていました。
緑地計画についても色々当時の事業資料は探せますが、ここは割愛します。代わりに、この緑地計画について副市長会議の直前の市会で次のようなやりとりがありました。
平成24年9月28日 平成23年度決算特別委員会(公営・準公営企業)
ここから、港湾局は財政難もあり、当該土地の緑地化が思うように進んでいなかったことが読み取れます。
したがって、この後すぐの副市長会議において港湾局は「これからも咲洲の緑地整備を進めていきたいが、いつになるかわからないのでそれまで有効活用したい。ここに太陽光パネルを置けば、大阪市全体の環境方針にも合致し、環境局の事業にもアシストできるじゃないか」と提案してきた、という経過です。
だからこそ2局での説明となっていてかつ、そのうちの咲洲での環境施策は大阪市全体の大計画に位置付けられるものです。
以上を踏まえると、この案件が副市長会議に諮られていることは何ら不思議では無いと私は思います。
さて、副市長会議の様子は皆さまにもぜひ丁寧に全文を読んでいただきたいのですが、ハイライトはこのあたりです。
要約すると、港湾局はおそらく設備の耐用等を考えて「20年の契約」と企画案を会議に上げたわけですが、都市改革監は「20年の長期間土地を固定の賃料で貸し出せば、環境変化に対応できるのか?弁護士と相談して契約書の中に弾力的に運用できるような条項を入れなさい」、とツッコミを入れています。
その上で、副市長から「改めて会議の場ではかるのか」をきかれ、港湾局は「港湾局長を決裁権者とした局内の決裁として、公募要件や契約条項の内容について意思決定を行いたい。」といっています。
そして、その言葉通り後に決裁文は港湾局長決裁となっています。
さて、かくして私が言いたいことは次のとおりです。<以下私の意見>
咲洲の土地は空き地であり、港湾局は緑地計画が思うように進んでいなかったため、土地を利用できないか思案していた。
咲洲は国際戦略総合特区のエリアに指定(平松市政)され、夢洲・咲洲エリアは市長方針で環境政策の目玉地であった。
港湾局は環境局の既存計画のアシストになる「太陽光パネル」を設置する条件での賃借を企画(本事業は両局の利害が一致)。(なおこの間「メガソーラー」という言葉は一切出ていないことに注意。メガソーラーという言葉は12月の報道発表で取ってつけたようにいきなり出てきます。)
副市長会議の中の企画案について、ずっと固定価格で行きたいという港湾局に対し、環境変化に対し契約賃料が変更できるようにしろとツッコミが入る。仮に特定事業者に取らせるために周到に計画された市長の直轄案件であったのならば、なぜ下の人間が色々事業に注文をつけているのだろうか?
副市長やその他メンバーは特定事業者に有利になるようなことは全く示唆しておらず、かなり真面目に議論が交わされている。
当然市長の意向等の忖度を示唆する発言や議論誘導も無い。
局長の申し出で最終的にこれは局長決裁となっているが、仮にヤバい案件ならばなぜ港湾局は副市長へ押し付けずに自ら局長決裁でやりたいと申し出ているのか?
⇒もちろんヤバい案件でもなんでも無く、単純に契約のレベルが局長決裁事項で、これは横並びで見たとき他の事業と変わらない。
単に、咲洲での環境事業が市の大方針とも関わる重要案件であり、複数局にまたがる事項があったため、副市長会議に諮られた。
以上が「副市長案件」と呼ばれていることの次第である。
橋下氏がやりたかったメガソーラーだったから「副市長案件」に「格上げ」となったという話ではなく、本件が副市長案件となっているのはのはあくまで「環境局が策定する大阪市の大きなエネルギー方針に絡む咲洲の案件だったから」です。
<追記:市会での議論について>
山口氏は9月での市会の議論についてお話されていましたので、この件も触れておきたいと思います。
月刊Hanada+での「定例会常任委員会(民生保健)2012年9月19日」の引用
山口氏のご意見
夢洲と咲洲のソーラーの案件の性質の違いは、以前にもお伝えしましたが、改めてお伝えします。
夢洲メガソーラーはメイン局である環境局が「国際戦略特区・おおさか環境ビジョン(市長レベル計画)⇒再生可能エネルギー⇒夢洲メガソーラー」と超王道ルートで進められて来たものであり、当然注目の的となります。
実際山口氏が引用されている市会のさらに前の7月の市会においてこの件直球で質疑が出ています。
2012年7月11日 臨時会
通常であれば個別の事業について、事業者が誰だとかいう細かいレベルの報告は市長には上がりません。しかし、市会の質疑となれば別です。
「答弁調整会議」というものが開かれ、市長へは事細かにレクがされます。そこで橋下市長は夢洲メガソーラーに関して、事業者と現在の問題点など詳しく説明を受け、理解されたものだとわかります。
この後の9月市会は山口氏が引用されているとおりですが、答えている内容は上記とほとんど同じであり、夢洲メガソーラーの件を念頭に置いて話をされていることがわかります。
さて、咲洲ですが、これは説明してきたとおり、港湾局が緑地計画していたものを有効利用したい、ということで後から環境局にアシストする形で合流した事業です。先ほども述べましたが、そもそもこれ、最初から「メガソーラー」という言葉は無く、事業者が決定した後に報道発表でとってつけたように「咲洲メガソーラー」と呼ばれています。
メイン局では無い、港湾局が後から始めた55万/月の事業です。鳴り物入りで始まった夢洲メガソーラーとは全くことなるものです。
当然市会質疑にも発展せず、市長へわざわざレクが入れられるようなこともなかったわけです。
以上により、「橋下市長が夢洲メガソーラーについて詳細に知っている一方、咲洲メガソーラーについては知らなかった」という事実が、資料のみをもってして矛盾なく説明可能なのです。
②入札と公告について
さて、上記が終わり、次はいよいよ入札ですが、上記のAbemaTVで、橋下氏と北村氏の議論です。
北村氏が「当該入札が市のHPに掲載されていなかった」と主張(6:20~)し、橋下氏も事実関係があいまいなまま、その後HPが載っていない前提で議論が進んでしまいます。
しかし、これは2人とも明確に誤りで、当時のHPにしっかり記載されています。
なお、他の入札案件も同様に同じ階層のページに公告はされています。
北村氏はこの案件だけが民間の入札ページに引っかからなかったといった主旨のことをおっしゃっており、後にTwitterでも同様のことを述べられており、私もやり取りさせていただきました。
しかし、まず大前提として、行政には民間の入札ページに確実に載せなければならないという決まりはありません。
大切なのは、市のHP内において他の案件と横並びで見たときに同条件で掲載されているかどうか、です。
その観点で見たときに本案件は他案件と同じ場所で同じ形で掲載されていると私は思います。ぜひ皆様でもご検証ください。
なお、民間の入札ページにおいても掲載されているという情報もTwitterでいただきました。
また、さらに言えば本案件は①で述べた副市長会議の直後に毎日新聞に報道されています。
<再掲>
おもいっきり「競争入札を実施し、20年間貸し付ける」と書いていますね。
したがって、特定事業者のみが得られるような情報であるということは全くなく、むしろ通常の入札案件より拡散されているとも言えるような状況でした。
他方で、本案件は公告期間が短いのでは無いかという指摘もあります。私としては問題無いとの立場ですが、この件はまた今度お話します。
6/9追記
副市長会議の直後に、公明党市議の辻先生(①で紹介した7月市会での質疑者)がつぶやかれているという情報もありました。
(秘密裏に進められたはずなのになぜ・・・)
そして最後に入札結果です。
そうです、2社が申込をしています。入札こそ1社でしたが、2社が申し込んでいるという時点で、特定事業者のみに便宜を図ったというストーリーに無理がありそうなことはわかるかと思います。
なお、仮に入札で特定事業者のみに便宜をはかれば、これは談合とかいう話になり、実際に入札を行う担当職員は最悪逮捕です。また組織的にやっていたのであれば根こそぎ逮捕&地方公務員法違反で懲戒処分ということになるでしょう。
本件、「違法性が問題では無い!そんなことは問題にしていない!」とかおっしゃる方もいますが、これが事実なら明確に違法でありアウトです。入札の不正とはそんな軽々しい話ではないのです。
仮に橋下氏が指示していたのであれば・・・もうこれはどうしようもない大事件です。無論、現状その証拠は何もありません。
ちなみにもし私が市長からそんな指示を受けた末端の職員なら絶対に即通報します。市長のわけのわからない指示で人生終わるとかまっぴらですから。
【補足】
以前の記事にも、公務員は自身の身を守るためにも、市長からの指示は公文書に記録しておく、といった主旨のことを言ったかと思います。一応ここについて論を補強しておきます。
大阪市には公文書の作成指針があります。
こちらは2006年に策定され、順次改定されているものです。ここから一部抜粋です。
つまり「市長から指示があった場合、その意思決定過程を明確に公文書に記しておきなさい」と書いてあるわけです。
これは個人の自己防衛のためだけではなく、市民への説明責任として行政内に求められていることであり、市長が部局を通じてそうしなさいと言っているわけです。
この間、本件は市に多数の問い合わせがあり、市会でも追求されてきました。しかしながらそこに「橋下市長」の文字は一度も出てきません。
もし、本件を橋下市長が主導したにも関わらず、その件を市が故意に隠してきたのであれば、これは市民への背信、議会への虚偽答弁といった話になります。
さて、皆様にここで問いたいです。
あなたがもし、大阪市職員であったとして
ある日いきなり市長から呼び出され、直々に
「〇〇にメガソーラーを作れ!」
とか言われました。
あなたならどうしますか?
③入札当日について(+1円入札の怪)
さて、最後は入札当日についてです。
「なぜ+1円入札なんだ、怪しい」という声をたまに聞きますので、知っている方も多いと思いますが一応解説しておきます。
まず、前述のとおり、入札は公告され、予定価格は事前に550,000円だと出ています。
なお、この予定価格は市会質疑でもありましたが、不動産鑑定士により鑑定され、積算された額です。要は「この額より高い値段でみんな札を入れてね、一番高い人が落札だよ」というものです。
さてここで入札の要項を見てみましょう。
これによれば入札するためは、まず、11月26日~12月3日の間に、ATCビル10階の港湾局計画整備部緑地管理担当まで、いくつか必要書類をもって申込を行う必要があります。これに2社申し込みがあったということです。
次に、入札当日です。
平成24年12月5日(水)にATCビル10階の同じ場所において、上記で申込した業者が13時~13時30分までに受付を行い、「入札書」というものを受けとり、入札室という部屋へ通されます。
そこで13時45分までに受け取った「入札書」に金額を書き込み、入札箱へ放り込み、13時45分になるとその場で箱が開けられ、勝者が決定します。
業者は当日まで他にどれだけライバルがやってくるかわかりません。
しかし13時30分になると受付が締め切られ、業者は入札室にいるライバルの数がわかります。
さて、業者の立場になりましょう。13時30分になり受付が締め切られました。周りを見渡しても自分しかいません。予定価格は550,000円です。
「550,000円を上回る価格?・・・せや!」
なんということは無く、これが1円入札のメカニズムです。
実際は予定価格を下回る金額でなければOKなので550,000円ちょうどでも大丈夫です。でもなんか+1円にするという、謎の文化があると聞いたことがあります。
当たり前と言えば当たり前なのですが、事前に予定価格がわかっている、部屋で行うアナログな入札というのがミソですね。
なお、最近は電子入札という形態も多いのでこういったことも起こりにくくなっているのかも知れませんね。
6/15追記 小切手に関する記事へのご批判
私のTwitterを荒らされていた方がいたのでブロックしようと思っていた矢先、面白いご質問をいただきました。ブロック前の最後のお土産にお答えしようかと思います。
どうやらこちらの動画で私の記事が間違っているというご批判をいただいていたようです。
ご批判は 2:25~10:00 くらいです。
ぜひ見ていただいたらと思いますがご批判内容を要約すると
といったところでしょうか。
ありがとうございます。記事へのご批判は大歓迎です。
この点、しっかりお答えいたしましょう。
まず、今回入札要領の中にはこう書いてあります。
(リンクはHPですが記載内容は要領と同じです。)
「入札参加者は、入札書に記入する賃貸借料(月額)の6か月分以上の入札保証金を入札当日受付時間内に受付場所(港湾局計画整備部緑地管理担当)で納付してください。なお、入札保証金の納付は、本誌の発行する入札保証金納付書により、銀行振出小切手で行ってください。」
<入札保証金とは?>
まず入札保証金とは何でしょうか?
これは、悪く言えば、「入札前に取っておく身代金」のようなものです。
行政「入札前にお金を徴収します。これから入札するけど1位の落札業者は、必ずうちと契約してね。ちゃんと契約してくれたらお金は返すけど、落札したのに契約してくれなかったら返さないよ。2位以下は開札後すぐに返すよ。」
というものです。
行政としては、とにかく落札したのにトンズラされるのは困るのです。なので、身代金を予め徴収しておきます。
入札保証金についての詳細は大阪市契約規則第19-21条をご覧ください。http://www2.keiyaku.city.osaka.lg.jp/help/kiyaku/03keiyakukisoku.pdf
さて本題です。結論から言えば、上記のご批判に対しては要領内「入札書に記入する賃貸借料(月額)6か月分以上」というのがミソになります。
また、業者視点で考えましょう。
業者はあらかじめ社内でどれくらいの予算なら出せるかを当然考えているはずです。
例えば本件会社で出せる上限金額が700,000円/月だとかいった具合です。すると当日の入札について、業者は予め次のようなシミュレーションをするでしょう。
【シミュレーション(例)】
当日1社の場合:「俺たちだけだから入札書に550,001円と書こう」
当日2社の場合:「入札書には600,000円くらいかな~」
当日3社の場合:「入札書には650,000円くらいかな」
当日それ以上の場合「ええい、マックス700,000円betじゃ!」
といった具合です。
前述のように業者は当日までライバル企業が何社いるか分かりません。
であれば入札保証金はいくら払いますか?
当然上限金額である、70万円×6か月=420万円でしょう。
ということで業者は420万円の小切手をあらかじめ用意しておき、受付で支払うわけです。
これ、結果的に550,001円が当日の落札価格だとしても、
420万円 >= 550,001円×6か月=330万6円
なので、入札保証金として何の問題もないわけです。
また、何パターンも小切手を用意する必要もありません。最大の金額×6カ月の小切手1枚を用意しておけば足ります。
そしてこの入札保証金は落札後きちんと契約さえすれば必ず返ってきます。落札できなくても返ってきます。
だから業者からすると落札してバックれでもしない限り必ず返ってくるお金なので別にいくらでもいいのです。適当に1,000万円とかでもOKなわけです。
また、この件、よくよく考えていただければわかりますが、もし仮に受付で「きっちり入札予定金額×6カ月」を支払わなければいけないのであれば、行政は開札時間(13:45)を待つまでもなく、どの業者がいくらで入札するか予めわかってしまいますね。こんなもの不正入札です。
入札は箱を空けるまで、誰がいくら入れたのか、絶対にわかってはいけません。だから要領では「6カ月ちょうど」では無く、「6カ月以上」となっているわけです。
この説明でわかっていただけましたでしょうか?
ただし本件、私の説明がこのあたりの説明を端折ったのでわかりにくくなってしまったものかと思います。ご指摘いただいた方につきましては、ありがとうございました。
最近はTwitterで私個人へのレッテル貼りばかりでしたので、こういった記事へのご批判はありがたい限りです。
(ただし私は橋下擁護ライターとやらではないので、YouTuberの方にはこの点修正いただきたいですが・・・お褒めの言葉は素直に感謝します。)
引き続きよろしくお願いいたします。
終わりに
今日は入札に関する記事でした。私の意見も多分に書いていますが、むしろ皆さんで共有したいのは事実関係の流れです。
前提事実が共有できていなければ議論はチグハグになります。ですのでまずはこれらの知識をベースにして、議論を進めていければいいと思います。
まだまだ検証すべき事項はあります。
現在、他にも大量に当時の文書を漁ってみていますが、調べれば調べるほど、大阪市政は複雑怪奇で難しく、橋下氏と上海電力を結び付けられるほど単純では無いと思い知らされます。
その野望を成し遂げるには無数の行政上のプロセスをクリアし、大量の人を懐柔する必要があり、はっきり言ってそんなことできるなら超人でしょう。
私が発信していることは皆さんに開かれたアクセス可能な情報です。
みなさんが自分自身で確認し、検証を進めていくことが望ましいでしょう。
長々となりましたが、今日はここまで。
ありがとうございました。
6/9 追記
今回、あらためて読み直していて、また別の動画等を見ていて、少し気づいたことがあります。最近橋下氏を批判していた方々が、「最初から違法性などは問題にしていない、ストローマン論法だ」、という趣旨の発言を良く聞きます。
しかし、入札のところでも書きましたが、「橋下スキーム」とやらが行政的に行われたのであれば、どこかで何かしらが違法になる蓋然性が極めて高いと私は思います。
今回は入札の話でしたが、このあたり、疑惑を主張されている方は丁寧に論点設定をしないと、仮に直接違法性を主張していないと本人にその気が無くても間接的に「橋下氏や行政が違法なことをしている」という主張になってしまうことをよくよく理解された方が良いかとは思います。
この点橋下氏の怒りは一定理解できます。
注:雑誌や特定人物への論評は氏のものであり、本引用はその点について私が理解を示す趣旨ではありません。
なお日本は法治国家です。仮に違法性が問題でなければ、「誰がどのように何に基づいて(何を根拠に)どう責任を取るのか」を論点設定しなければ、永久にこの議論は終わりません。
今後、私はこの点に焦点を当てこの上海電力騒動の収束に向けた記事を書いていきたいと考えています。