ミステリーをまだ知らない君へ 殺戮にいたる病 紹介
こんにちは、。今回は、殺戮にいたる病の紹介をしていこうと思います。自分はこの本をミステリーというものを全く読んでこなかった人に勧めたいです。最後まで読み切ったあなたは、最高の読書体験を得られるでしょう。そして、これをきっかけにミステリーの世界を飛び込んでほしい。解説については、他にも記事にしてらっしゃる方がいるので、そちらを見てほしい。
本記事に核心に迫るネタバレは一切ございません。
作品概要
製品名 新装版 殺戮にいたる病
著者名著:我孫子 武丸
発売日2017年10月13日
価格定価:847円(本体770円)
ページ数 368ページ
シリーズ 講談社文庫
作品特徴(ネタバレ無し)
衝撃的なトリック、どんでん返し
まず、この作品のあらすじを初めて見た人は「あれ?犯人わかってるじゃん」と思うでしょう。そうです、読者視点からは犯人がわかった状態で話が進みます。つまり、ミステリーでありながら、いわゆるサスペンスでもあります。この作品はこの相反しそうな二つのジャンルを見事に合わせ活かしています。では、この書籍の最大の見どころについてお話します。それは、ラストのどんでん返しにあります。いわゆる叙述トリックというものが採用されており、読んだひとが目を見張るような内容になっています。この叙述トリックとは、読者の先入観を利用し、事実を誤認させる小説技法です。殺戮にいたる病は、この叙述トリックが見事なものとなっており、実際に自分も騙されてしまいました。
ミステリーとサスペンスの違い
ミステリーとは‥犯人やトリックの謎解きをしていくジャンル
サスペンスとは‥見る人に犯人や真相が明かされていて、その解決までの緊張感や不安感を楽しむジャンル
物語へ引き込む力
突然ですが、自分はミステリー小説というものは"いかにして種明かしまで読ませるか"が重要であると考えています。たとえ仕掛けられたトリックが驚愕に値するものでも、そのシーンまで読まれなければ読者にとって何の価値も持たないものであると思うからです。では、殺戮にいたる病はどうなのか?
この作品はグロテスクな描写がよく欠点として挙げられる。確かに、この点は人を選ぶものではあるという一面を持ちます。しかし、別の側面からみると、人を惹き込むような点でもあると自分は考えています。例えば、ホラー番組などで怖いけど先が気になるから続きを見るといったことがあるでしょう(最近はホラー番組減りましたが…)。このような怖いものみたさというものを、書籍でありながら引き出させるレベルの描写であり、先ほど述べた、種明かしまで読ませるといった部分でも秀逸であると考えています。
おわりに
ここまで本記事を読んでくださり、ありがとうございました。ミステリーはネタバレが致命的であるので、読まない人に紹介しようにもなかなか難しく、ありきたりな説明になってしまうなと感じました。興味を持った方がいらっしゃればぜひ手に取ってみてください。また、この作品を気に入ったのなら、ハサミ男やイニシエーション・ラブも読んでほしいです。では、今回はこれで。